全体総括「高齢社会フォーラム・イン東京」

沖藤 典子(NPO法人高齢社会をよくする女性の会副理事長)
松田 智生(株式会社三菱総合研究所プラチナ社会センター主席研究員)
澤岡 詩野(公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団研究部主任研究員工学博士)
牧野 利香(内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付高齢社会対策担当参事官)

牧野利香(内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付高齢社会対策担当参事官)の写真

【牧野】 本日、会場にお越しの皆さまがたにおかれましては、長い時間にわたりましてご参加いただきまして、誠にありがとうございました。本当にお疲れさまでございました。また、きょうの議論全般を非常に有意義なものとしていただきましたコーディネーターの先生、そして、各パネリストの先生がたに、あらためまして、心より御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

 さて、今回で20回を迎えた高齢社会フォーラムでは、『誰もが生きがいを持ち、活躍する地域へ』というテーマで、年齢に関わりなく活躍できる社会というのをみんなでつくることを目指しまして、共に地域社会をつくり上げてゆこうということで開催させていただきました。

 また、午前中の清家篤先生による基調講演では、『豊かな長寿社会を将来世代に』というテーマで、今ある豊かな社会を若い世代につないでいくために、まず、健康寿命を延ばしましょう、それから、職業寿命を延ばしましょう、さらには、資産寿命を延ばしましょうというお話をいただいたかと思います。先生の穏やかな口調ででお話しいただいて、聞いたときは、なるほどなと思いましたけれど、考えてみると、なかなか難しい課題ではなかったかなというふうに思っております。

 また、分科会のほうでは、各コーディネーターの皆さまと、それから、それぞれの分野のスペシャリストの方にご参加いただきまして、それぞれ有意義なご議論をいただけたのではないかと思います。これからコーディネーターの皆さまからご報告いただくのではないかと思いますけれども、それぞれに有意義なご議論がされたんではないかと思います。 今後ですけれども、きょうのディスカッションの成果を、皆さまに、ぜひ、持ち帰っていただいて、地域づくりなどに、ぜひ、生かしていただきたいと思います。私からは、あいさつは以上とさしていただきます。ありがとうございます。

全体総括の写真

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【司会】 では、各分科会からの全体総括をいただきたいと思います。初めに、沖藤さん、お願いしてもよろしいでしょうか。

沖藤典子(NPO法人高齢社会をよくする女性の会副理事長)の写真

【沖藤】 それでは、第1分科会のご報告を申し上げます。第1分科会は、『人生100年時代、いつでもどこでもチャレンジ』というテーマで、パネルディスカッションを70分、そして、その後、グループ討議を50分いたしました。

 最初のパネルディスカッションですが、3人のパネリストが出ました。その3人の平均年齢が、85.7歳でございます。一番上の方が、91歳でございました。まず、潤生園理事長の時田先生は、人生において四つのチャレンジがあったというお話がありました。1番目が青年期。満州国立大学進学と第二次世界大戦敗戦による苦闘があったということです。その、まさに天皇の詔勅が1日遅ければ命はこの世になかったという大変な経験の後、日本に帰られて、地方公務員の時代が15年ありました。この間、市営住宅や市立病院の建設など、現在に至るお仕事の初めが、ここにございました。3番目のチャレンジとしては、老人福祉法、ご存じ、措置制度の時代のチャレンジです。この時代の高齢者介護、特に特別養護老人ホーム等におきましては、大変、悲しい介護状態大変、悲しい介護状態がありました。それ踏まえまして、介護保険に入りました頃に介護食の研究を始めまして、これは、大変、多くの人々の関心を集め、評判になったものでございます。4番目のチャレンジが、介護保険法の時代。その時代のチャレンジと地域包括ケアの構築ということに取り組まれて、現在に至っております。91歳というお年といえば、いろいろな感想がおありかと思いますが、時田先生という人は、これほどお元気、産まれたとき未熟児で「育たない」と言われたとはとても信じられないような、お元気、矍鑠でございまして、本当に生き方のモデルとして尊敬できると思いました。

 2番目の発言者は、北九州から出てきてくださった冨安兆子さんです。冨安さんは、地域の従来の地縁を超えた平等な関係性を構築すると、そういう新しいコミュニティーをつくりたいということで活動を始められて、高齢社会をよくする女性の会のグループ会員として最も古い方でございます。なされている仕事が実に多彩で、配食サービスをはじめ、子どもの子育て、『グランマ』。おじいちゃん、おばあちゃんが子育てに関わろうという話。そういうようなことを通して、今現在、高齢者が生きがいを持って活動できるような、そういう組織をつくっていこう、そして、それは多分、これから、遅かれ早かれ、日本と同じプロセスをたどる世界の他の多くの国々にとって良きモデルとなることができるという、大変、力強いお話でございました。結果として申し上げるべきことは、自分たちの地域に必要なものは、自分たちでつくろう。こういう信念でございます。これが、冨安さんのチャレンジ精神の基本にあるものでございました。

 次に、伊豆の松崎町から出てきてくださった青森千枝美さんです。もともと看護師として人生を始められ、その後、旅館業をなさりながら、今現在の共同出資、ワーカーズコレクティブの『蔵ら』というものを立ち上げておられます。この『蔵ら』の活動というのは、大変、多彩でございまして、高齢者が生きがいを持って活動でき働く場所づくり、子どもから高齢者まで一人でも気軽に入れる居場所づくりというようなことを通しまして、手作りの品とか小物の販売とか、ワンコイン500円ランチの提供とか、物づくり体験学校の開催とか、そういう活動をなさっておりまして、全国的なネットワークも持っておられます。そういう青森さんの発言に、大変、共感の声もございました。

 後のグループディスカッションですが、これは6グループに分かれまして、いろいろな意見が出ました。時間がないので、皆さん、一生懸命、発表してくださったんですが、主なものだけご紹介します。私の感想として多かったのは、女性は元気、男性はどうだという。この会場におられるかたがたは、皆さん、お元気なんですけど、男性の元気、社会参加、地域参加、そういうものも、これからみんなで働き続けようというような意見がありました。また、ボランティアの高齢化が問題なんだと。

 後継者をどうやってつくっていくのかというようなこと。それから、各グループ、資金不足に悩んでいると。こういうことに対する助成等々の問題ということなどの話があり、結局は、みんなで健康寿命を延ばしていこうと。さらに私が思いましたことは、先ほどの清家先生のお話の中に職業寿命を延ばしていこうというお話もありましたが、さらに、私たちは、社会活動年齢、社会活動寿命、そういうものを延ばしていくことがこれからの人生にとって大切ではないのかと、私は思いました。以上でございます。

【司会】 第1分科会のコーディネーター、沖藤さんに、全体総括でお話を伺いました。ありがとうございました。では、続きまして第2分科会でございます。松田さん、お願いいたします。

松田 智生(株式会社三菱総合研究所プラチナ社会センター主席研究員)の写真

【松田】 第2分科会『海外からみた日本の高齢社会』ということで討議を進めました。その心は、今、日本は世界で一番高齢化が進んでいる国です。27パーセントというのは、世界で断トツの高齢化の国。私は海外で、会議に出席して思うのは、世界各国が日本に注目しているということです。世界で一番高齢化が進んだ日本は、今、一体、何に取り組んで、どういった課題を抱えているのかということです。今回、オーストラリアのクイーンズランド州政府駐日事務所の商務官であられるメリッサ猪岡さんと、インドネシア、デウィプトリ・トレスナニングルムさん。街づくりや観光振興をやっている研究員。オーストラリア、それからインドネシアの知日派から見た日本の高齢社会、それから、自分の国の高齢社会の現状を話していただきました。

 印象的だったことだけをキーワードで申し上げますと、オーストラリアは、高齢化率は約16パーセントです。そして、進んでいる点は充実した医療ということで、公的医療であれば無料であったり、安価であるということ。さらに、住宅の価格も非常に安く購入できる。そして、その不動産の価値が上がっているで、資産形成にプラスになるということです。それから、シニア大学ですね。ユニバーシティサードエイジというものがあって、シニアの社会参加を促す仕組みがあるということです。そして、インドネシアでは、こちらは、高齢化率はまだ5パーセントの国です。非常に若い国です。ここで印象的だったの、やっぱり家族主義ということですね。大家族で皆が支え合うということ。そして、家族のおじいさんおばあさんは、良きアドバイザーであろうということ。お話を聞いて、かつて日本が持っていた良さっていうのを、あらためてインドネシアから教えてもらった気がしました。そして、共通の課題としては、やはり社会参加ということ。社会とのつながりをどういうふうに持たせるか。それは、官民で頑張ること、あるいは、政策として頑張ること、民間で頑張ること、必要だという話をさせていただきました。そしてまとめとして、やはり私は逆転の発想が大事だと。それは、高齢者は社会のコストじゃなく資産、担い手であるということでございます。それから、他世代の視点。というのは、高齢社会というのは、高齢者だけがハッピーな世界ではなくて、若い世代、若年層、ミドルを含めた多世代が輝く成熟した社会であるということです。そして、最後に、続けることと深めることと広めることの三つが大事だということです。こういった会議を、毎年、続けること。深めるというのは、産官学で議論を深めるということ。広めること。これは、私は、東京は東洋のダボスたれと思う。その心は、今、経済のことを知りたければ、ダボス経済フォーラムへ行ってヨーロッパに行くわけです。であれば、世界で一番高齢化が進んだ日本は、東京に来れば高齢社会の課題解決が全て分かると、世界中の人が日本に注目するような国際会議を開いてはどうか。それが、続けること、深めること、広めることだということで、総括させていただきました。

 きょう、第2分科会の報告、参加者、非常に熱心に聞いていただきました。われわれの発表が新しい気付きやこれから一歩を踏み出すきっかけになれば、個人として、これほどうれしいことはありません。どうも、きょうはありがとうございました。

【司会】 ありがとうございました。第2分科会コーディネーターの松田さんにお話を伺いました。それでは、第3分科会コーディネーターの澤岡さんに、全体総括をお願いしたいと思います。お願いいたします。

澤岡詩野(公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団研究部主任研究員工学博士)の写真

【澤岡】 私の第3分科会は、『通い続けられる、通い続けたい「通いの場」とは』ということを大きなテーマで、分科会を組ませていただきました。これは、厚生労働省が主導で、全国に『通いの場』、サロンとかさまざまな場があると思いますが、『通いの場』を増やしていくようにということで、元からこういった『通いの場』、『集いの場』というものはあったかと思いますが、全国的に『通いの場』と称するものが、たくさん、いろんな形で出来上がってきています。そこで、大きな課題として感じられるのが、やはり、その『通いの場』というものを見たときに、運営する側と来ていただく側ということで、恐らく、来て楽しんでいただいて、ありがとねって帰っていってということで、お客さんと運営する側というのが非常に明確に分かれているような場づくりをしているところが多いのかなということを、課題として感じられていました。その中で、やはりみんなで場づくりをしていく、そんな『通いの場』という視点が、非常に、これからの時代、求められていくのかなということで、この『通いの場』ということに着目をさせていただきました。

 その『通いの場』、今、いろいろな形で展開をしていますが、大きな課題として、やはり4年、5年たってきますと、通ってこられる方が高齢化していく。そして、体とか家族の介護を理由に、その場から離脱せざるを得ない。せっかくなじんで、そこが居心地の良い場になったにも関わらず、その場から去らなければいけない人というのが出てきています。今の流れで言いますと、じゃあ、そういう方はデイサービスに行けばいいんだというようことは今までのつながりを分断せざるを得ないようなことになってしまう。それは、ハッピーなことなんでしょうか。ということで、今回は、人生100年ということも声高に言われている中で、その場に本人が来たいと思う限りは通い続けられる通い続けたいと思えるような場づくりって、どんなことが必要なんだろう、どんな場なんだろうかということを大きなテーマで、分科会を進めさせていただきました。

 今回は、その場づくりをする上で非常に重要な存在として、その場をコーディネートする存在というものが必要なのかなという視点で、異なる立場でコーディネートをしているお三方に来ていただきまして、お三方の取り組み、そして、抱えている課題などを、丁寧にお話をいただきました。ですので、今回、2時間のお時間、分科会の中でグループワークをやるというのを過去にやらせていただいたんですが、今回はパイオニアに来ていただき、そして、今までにない形を、まず、この会場に来てくださっている方で共有していく、イメージを共有していただくということに力を入れまして、それぞれ、お三方から、丁寧に20分から30分時間をかけて事例の報告をいただきました。

 まず、お三方、ご紹介をさせていただきたいと思いますが、最初に、自治体主導の地域づくり型の介護予防事業、元気づくりステーションという取り組みが、横浜市で行われています。その中で、この特徴としては、住民みんなでその場をつくっていく、健康づくりの場をつくっていく、そして、保健師という専門職、それからケアプラ、地域包括ケアセンターの看護師さんは、専門職として引っ張っていくのではなくて、その住民の思いであったり力を倍増させる、エンカレッジしていくような存在、立ち位置で、コーディネートはされています。その横浜市の元気づくりステーション事業、これ、もう市内に300カ所を超える勢いでできています。その中で、今回は男性。やはりこういった通いの場を考える上では、女性がたくさん出てきて、そして、男性はなかなか出てこないよねというような課題があるように思われますが、男性が、たくさん、そして、主体的に場づくりに関わっている、その先駆的な取り組みとして、その300以上あるステーションの中から『ふくろう会』という元気づくりステーションの支援をしてくださっている専門職、瀧澤さんにご報告をいただきました。そして、二つ目の事例としまして、これは自治体ではなく民間、医療法人さんが取り組む場づくりということで、その中で看護師さんの方が専門職という立場からコーディネートをされているんですが、チラシのほうにも書かせていただいていますが、『おおもり語らいの駅』というのが大森のほうにございます。そちらの『語らいの駅』の取り組みについて、コーディネートをしてくださっている田口さんからお話をいただきました。こちらは、多世代がつながる。きょう、お話伺っていてびっくりしましたが、大体、その『通いの場』というと、多世代といいながらもシニアの方がほとんどで、若い世代がちょっとイベントで関わるようなということが多いように思いますが、この『語らいの駅』に関しては、シニアのかたがたが4割。それから、乳幼児とか親子の組み合わせ。それから、地元の小学生。それが3分の1とまでは行かなくても、いいバランスで。そして、常設の場なので定期的につながりを続けているという場づくりがされているというお話を伺いました。

 このお話を伺いまして、そして、お三方目としまして、こちらの取り組みに関しては、自治体でもなく民間でもなく住民です。住民が住民の視点で、そして、自分がここで年を重ねる地域をより豊かなものにしていくという視点で、住民が住民のための、そして、自分のための場所づくりということをしている、荻窪家族の『百人力サロン』という取り組みを、代表の瑠璃川さんにお話をいただきました。こちらは本当に住民が、ある意味、当事者でもあり、そして、第三者でもありという、その視点の中から。瑠璃川さん自体は、ご自身がコーディネーターを務めているという意識はあまりないとご本人はおっしゃるんですが、外から見ていますと、非常にさまざまな主体をつないだりひっぱり出したりもしているということで、100人の、自分が豊かに年を重ねる100のつながり、緩やかにつながりを持てる場づくりということを行われているというお話をいただきました。

 こういった場づくりというのは、一つの答えがないんだと思います。地域とか、そこにいる、住んでいる人、それぞれの主体によって、その『通いの場』づくりの在り方というのは異なってくると思いますが、その中で、きょう、お三方のお話から見えてきたこと、かいつまんで少し報告をさせていただきたいと思います。やはりお客さんというわけではなくて、その関わる、来られるかたがたは、一緒にその場をつくる。つまり、そこにいる理由というものを、緩やかに、その個々に応じた視点でつくり上げていく。そんなことが必要なんだなということが、一つ共通して聞かれました。それから、それぞれの場づくりでは、例えば体操であったり、食堂であったり、子育て支援であったり、寺子屋であったり、さまざまな学びの講座であったり、さまざまなきっかけづくりというのが行われていました。これ、単発で聞くと、どこのところでもやっているような場づくりじゃないっていうふうに聞こえるんですが、ここで今回のお三方の一つの違いは、やはりつながりをつくるとか主体的にこの地域で暮らすための何か力を付けるということを一つの大きな哲学として、それらをきっかけとして、さまざまなきっかけ、場づくりをされているということが、非常に印象的でした。やはり、こういった高齢者を中心とした活動、居場所づくり、『通いの場』を考える上では、このコーディネーター、決して何かを引っ張って主導して、私に付いてらっしゃいという形ではなくて、それぞれの持っている力を引き出し、そして、恐らく、高齢のかたがた、多かれ少なかれ、早かれ遅かれ、体が大変になっていく方も出てきます、その状況に応じてその人の主体性を引っ張り出すような、そんなコーディネーター。これは別に専門職に限ったことではないと思います。もしかしたら、町会、自治会長、民生委員、さまざまなコーディネーターの役割と、さまざまな関わり、主体があるのかなとも思いますが、こういったコーディネーターの意識を持った人というのが、この『通いの場』づくりには重要なのかなということが、今回の結論として見えてきたことと言えます。きょう、聞いていただいた方は、ご自身の地域でこの『通いの場』、居場所づくりをされるときには、この視点、何かヒントとして活用していただけたらなと思います。どうもありがとうございます。

【司会】 澤岡さん、ありがとうございました。本日、3分科会です。三つの会場に分かれまして、いろいろなテーマで、皆さまにはディスカッションをしていただきまして、コーディネーターの皆さまには全体総括ということでお話を伺いましたが、牧野さん、いかがでしょうか、三人のお話を伺いまして、一言いただけますでしょうか。

【牧野】 コーディネーターのお三方におかれましては、本当にきょうはありがとうございました。まず、沖藤さんの分科会のお話をお伺いしまして、きょうはかなり、80代、90代のスーパーシニアのようなかたがたがいらっしゃったのかなと思うんですけれども、本当に、チャレンジ。やっぱり高齢になっても、いくらでもチャレンジできることはあるんだなと、非常に皆さま勇気づけられる部分も多かったんじゃないかと思います。また、社会活動寿命を延ばすとおっしゃったことも非常に印象的でございまして、やっぱり年だからといって自己否定せずに何かできることを続けてくっていうのは、非常に重要だなというふうに感じました。

 また、松田先生の分科会では、海外から見た日本ということでオーストラリアとインドネシアの方からお話を聞いたということなんですけれども、それぞれ国の高齢化率も違うし、社会環境も違う中においても、やはり社会参加をどう進めるかということが共通課題として浮かび上がったということで、われわれも、毎年、この社会参加、どう進めるかというテーマでやっているんですけれど、やはり世界共通の奥の深い課題なんだなということも感じました。

 それから、最後の澤岡先生の分科会には、私も顔を出さしていただきまして皆さんのご議論を聞かせていただいたんですけれども、なかなかボランティア活動とか立派な活動をできる高齢者も、そんなにたくさん、全部がそういうことできない中で、『通いの場』っていうのは、社会とのつながりの一歩みたいなところがあるんじゃないかなというふうに思います。そういう意味では、地域づくりを進めてく中で『通いの場』ができるだけたくさんあって機能してくっていうのが、より多くの高齢者が活動のきっかけをつかむ一つの手段なんじゃないかなというふうに思っております。その『通いの場』というのも、きょう、お話を聞いておりますと、ただ単にお客さんとして高齢者を迎え入れるわけではなくて、それぞれに役割を持ってもらって皆さんに参加してもらえるような場にしていくことが、長続きする『通いの場』になる秘訣なんじゃないかなと、私なりには、そういうふうに感じました。

 また、きょう、お三方、講演されたコーディネーターの皆さまが、やはり、その人たちの個性っていうのがすごく大事かなとは思いましたけれど、出しゃばり過ぎずにちゃんと皆さんをフォローしていく、地域の皆さんをフォローしてくという、そういうコーディネーターの存在も非常に大事だなというふうに思いました。また、ちょっと印象的であったのは、なかなか男性が『通いの場』に来ないっていう話でございましたけれども、きょうはいろんなヒントもいただきましたし、また、分科会で、かなり男性の方もたくさんご参加されていましたので、きょうを境に、地域の『通いの場』が男性で溢れかえることを期待したいと思います。本日は、皆さま、どうもありがとうございました。

【司会】 本当は、コーディネーターの皆さまのそれぞれの分科会、全体総括していただきましたので、意見交換という形でご意見いただきたいんですが、お時間のほうが、そろそろというお時間になってしまいました。皆さま、本当にありがとうございました。どうぞ、大きな拍手をお願いいたします。ありがとうございました。それでは、どうぞ、前のお席にお戻りください。ありがとうございました。

各分科会、いろいろなテーマで、皆さま、意見交換をしていただきました。ぜひ、こういったたくさんの意見交換ができる場がもっとあればと思いましたし、またこのような機会がありましたら、皆さま、ぜひお集りいただきたいと思います。私が印象に残りましたのは、高齢社会ということで、高齢者だけがハッピーな世界ではなくて全ての人がハッピーというのが、やはりいいんじゃないでしょうか。皆さまさまざまな意見、ありがとうございました。以上をもちまして、『平成30年度高齢社会フォーラムin東京、誰もが生きがいを持ち、活躍する地域へ』の全てのプログラムを終了とさせていただきます。皆さま、本日は本当に長時間にわたりましてご参加くださいまして、ありがとうございました。 最後にご案内申し上げます。お帰りの際、アンケート用紙のご提出をお願いしたいと存じます。アンケートを記入されてない方は、記入を済ませてからご提出ください。アンケートは、受け付けにスタッフがおりますので、どうぞ、お渡しください。ご退出の際ですが、お忘れ物などなさいませんよう、どうぞ、お気を付けてお帰りください。ありがとうございました。