矢野 伸行さん
俳句と英語、二つの文化の架け橋として生涯学習に寄与。
名前(年齢) | やの のぶゆき 矢野 伸行さん(81歳) |
---|---|
地域 | 山梨県(甲府市) |
活動概要 | 退職後、本格的に俳句を始め、在職中の米国での経験などを生かし英語俳句の講習会を開催。その後、英語俳句サークル「HAIKU甲斐」を立ち上げ、現在に至るまで講師としてサポートし、地域の生涯学習の振興に寄与している。 |
(注)年齢は、平成26年4月1日時点
親しんできた英語と新しい趣味の俳句を一つに。
県立高校の英語教師として定年まで教鞭を執られた矢野伸行さんは、退職後、俳句講座に通い、本格的に新聞の俳句欄やシルバー俳句大会に投句をするようにまでなりました。
英語が昔から好きで学生時代には英語劇に参加したり、流行歌を英語訳して歌ったたり、語学学習という枠を超えて積極的に英語に取り組んできた矢野さん。日本語の俳句を作って英訳する英語俳句に出会い、「俳句」も「英語」も同時に学べる楽しさを感じました。
教師の経験を生かして、“楽しむ”から“広げる”へ。
英語俳句をやっていることを知っている友人の助言や、「アドバンスクラブ」という生涯学習の自主グループの方からの誘いもあり、平成18年1月には英語俳句の講習会を開催しました。
英語俳句を作るサポートを行うことで、多くの人が日本古来の文化の俳句の面白さを堪能しつつ英語の学習が行えると考えた矢野さんは、自ら講習会の講師を務めました。
「知らない単語は、辞書を引きながら訳していくので中学校英語程度で十分。外国人の『HAIKU』には、単語を並べるだけのものもありますが、私たちは少しわかりやすく、英作文的な訳も試みます」と矢野さんは、英文句作の楽しさを語ります。
講習会終了後、英語俳句の句作を続けたいという参加者の声に応え、サークル「HAIKU甲斐」を立ち上げました。日本語で作った俳句を英訳する方法により、英語俳句を作る過程で、「俳句」も「英語」も楽しんで勉強できると、現在も好評を博しています。
教えるだけでなく、自らも学び、広く活動していきたい。
矢野さんは現在、月に1回、英文句作の指導をしています。事前に日本語で作った俳句とそれを英語に訳したものを送付してもらい、添削を行ったうえで、当日みんなで自分の作った日本語の俳句と英語の俳句を発表します。個々の俳句について意見を交わし、より良い表現を追求して、俳句と英語の学習を深めています。
「私自身も仲間が作った俳句から学ぶとともに、句作以外にも複数の読書会に参加することで、積極的に地域の人と活動を共にするよう努めています。山梨に住んでいる外国人とも英語俳句の句作を通じて交流を深め、国籍を越えて『俳句』という日本文化を共有し、広く生涯学習活動を行っていきたいと思っています」と、矢野さんは抱負を語ります。