世良 基正さん
地域文化の保存・継承だけではなく地域が一体となったまちづくりを推進。

名前(年齢) せら もとまさ
世良 基正さん(76歳)
地域福山市
活動概要山野民俗資料保存会の事務局長として山野民俗資料館の開館等に尽力。退職後は福山市文化財保護指導員、公民館長、町内会連合会長、まちづくり推進委員会委員長等を歴任し、まちづくり活動の中心的な役割を担っている。

(注)年齢は、平成26年4月1日時点

地域の文化を保存するために活動。

世良 基正さん

 世良基正さんは、昔から地域に伝わる大切なものが失われていくことに危機感を感じていました。
 山野中学校に教員として赴任した世良さんは、地元の公民館長に相談し、昭和51年に山野民俗資料保存会を結成します。民具や文書を収集する活動を行うと共に、事務局長として昭和53年の山野民俗資料館の開館、昭和54年の福山市有形民俗文化財指定に尽力。現在も会長として37年に及ぶ同会の活動を支えながら、要望により展示品の解説や、山野の民俗を伝える書籍の執筆も行っています。


里山を生かし過疎化する地域を活性化。

 平成7年、世良さんは水車小屋と炭焼き窯の復元を行い、その周辺を整備した「こっとん村」を開村。「こっとん村」を中心とした「水車と語りん祭」を開催する等、過疎化した地域の活性化のための活動を行っています。
 また、地元の小学生への「しめなわ作り」や「昔の遊具作り」の指導や、山野町の民俗に関する書籍の執筆、さらに「水車と語りん祭」や「山野ふるさと祭」の中心的な役割も担っています。
 さらに、平成21年には住民アンケートを実施し、その意見をもとに「やまの里山クラブ」を設立。その代表として、資源活用部会、高齢者福祉部会、交流体験部会、情報発信部会を発足させ、地域の声を聞きながら、住民の中心となって住民の意見を反映させるまちづくりを進めています。
 「やまの里山クラブ」では、30年近く耕されていなかった水田約2000平方メートルを整地し、小麦やソバを栽培。最初は「花が見られる程度の畑になれば」という思いで始めたのですが、予想以上に収穫があり、収穫したソバ粉の一部を使ってソバ飴が作られました。そのソバ飴は「長寿飴」と名付けられ、地元の特産品になっています。


地域の声を聞きながら地域の活力を引き出す。

世良 基正さん

 地域の文化の保存・継承だけではなく、住民がより過ごしやすい山野町を維持していくために、地域が一体となったまちづくりを進める世良さん。
 「山野民俗資料保存会では、将来的に地域を代表するような文化財を展示する特別展を開くことを目標としており、その特別展のためにも収集・保存活動を続けていく予定です。『やまの里山クラブ』の代表としても、山野町がより住みよい町になるように、地域の声を聞きながら、地域の活力を引き出すために、今後も地域づくりの中心的役割を担っていくつもりです」と語ります。