井手 美智子さん
日本の母として留学生たちを精神面と生活面の両面から支援。
名前(年齢) | いで みちこ 井手 美智子さん(71歳) |
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地域 | 熊本県(合志市) |
活動概要 | 留学生の日本の母として精神面の支えとして、また生活面でも留学生を家庭に招き支援。多くの留学生から「井手のお母さん」と慕われている。留学生達にとって安心して日本で暮らし、勉学に励む原動力となる存在であり続けている。 |
(注)年齢は、平成26年4月1日時点
留学生に普通の日本の生活を。
井手美智子さんが海外からの留学生の支援を始めたのは、25年ほど前のことになります。
昭和62年、当時高校生だった井手さんのお子さんが、近所の養護施設天使園のボランティアに参加した際に、熊本電波工業高等専門学校((現熊本高等専門学校)のインドネシアからの留学生と知り合い、家に連れて来たのがきっかけでした。
当時はまだ携帯電話もなく、パソコンも普及していなかったため、留学生たちが祖国と連絡を取る方法は公衆電話ぐらいしかなく、若い留学生たちは、勉強も大変で不安も多く、また、気軽には里帰りもできないので辛そうにしていることもありました。
井手さんは、そうした留学生たちを自宅に招き、日本の普通のサリーマン家族と一緒に食事をすることで、彼らの気持ちをリラックスさせてきました。
フィリピン、マレーシア、タイと多国籍に留学生が増え続けていく中、食事の時にも、国籍・宗教等抜きにして普段着のままの交流をしており、また、井手さんとの交流で得た食事などの日本生活の経験を普段の生活にも生かしてもらうようにしました。
「合志国際交流会」の一員として幅広く活動。
10年ほど前に、合志市で様々な国際交流活動をしている「合志国際交流会」から、「留学生を紹介して欲しい」との申し出がありました。趣旨に賛同した井手さんは留学生を紹介するだけでなく、「合志国際交流会」のメンバーの一員となり、地元の小学校をはじめとして、地域の方々との幅広い交流を始めました。
現在は、留学生の数も増え、入学式や卒業式などは友人の経営するレストランで、交流会のメンバーと一緒に食事会をして楽しい時間を過ごしています。
また、交流会の活動が地元に浸透し、地元の小学校からは毎年声がかかり、夏の「ラボお泊まり会」や秋の「お月見会」等、交流が活発に行われています。
こうした活動が認められ、井手さんは平成24年に合志市のボランティア表彰を受けています。
「井手のお母さん」としてこれからも。
合志市から巣立った多くの留学生から、今日でも「井手のお母さん」と慕われ、信頼を得ている井手さん。
「26年度は、モンゴルからの留学生1人と、シンガポールから6人、フィンランドから5人、合計11人の短期交換留学生となっています。彼等が熊本に居る間、少しでも安心して生活できるように力を貸したいと思っています」と意欲を語ります。