宮崎 眞也さん
様々な音楽活動を通して地域文化の伝承保存や高齢者支援に活躍。

名前(年齢) みやざき しんや
宮崎 眞也さん(84歳)
地域大分県(国東市)
活動概要教員退職後、音楽ボランティアとして県下の児童達に生演奏のすばらしさと郷土の昔話の楽しさを体験させた。高齢者には、老人クラブ、高齢者学級、福祉施設で音楽療法活動を続け、生きる喜び、感動、感謝を分かち合っている。

(注)年齢は、平成26年4月1日時点

30年以上受け継がれてきた「蛇谷太鼓」。

宮崎 眞也さん

 大分県国東市の武蔵西小学校で30年以上にわたって継承されている「蛇谷(じゃだに)太鼓」は、昭和58年、当時同校に勤務していた宮﨑眞也さんが、同僚の田城拡さん、中野悦郎さんらと、地域の昔話と方言を採話・編集した「武蔵の昔話」をもとに作ったものです。
 宮﨑さんは、毎年武蔵西小学校を訪ね「蛇谷太鼓」を指導。子供同士が教え合う仕組みを作り、上級生が下級生に引き継いでいくことで、絶えることなく伝えられてきました。毎年、学年末には引き継ぎ式があり、保護者や地域の人々が見守る中、卒業する6年生が蛇谷伝説の研究発表をして最後の演奏を披露。太鼓のバチを5年生に渡し、衣装を着せ、今度は5年生が引き継いだ衣装と太鼓のバチを使い演奏を披露します。


音楽ボランティア活動を生涯実践。

社会福祉学を学んだ宮﨑さんは、高齢者福祉活動の必要性とその精神を学び、退職後は音楽ボランティア活動を実践してきました。
 音楽ボランティア活動の始まりは、退職直後から始めた地域の小学校での管楽器の分解掃除や調整、修理でしたが、その後活動は幅広い分野に広がります。
 在職中から続いていた「蛇谷太鼓」の指導を始めとして、武蔵町の女声コーラスや、国東太鼓、武蔵太鼓の指導、「オーケストラくにさき」の編成等。特に、「蛇谷太鼓」と並ぶ、もう一つの民話伝承活動として、田城拡さんを語り部とした昔話の口演には力を入れており、少人数の楽団を率いて手作りコンサートの巡回公演を行っています。
 また、高齢者福祉の支援として、市内の高齢者学級や老人クラブ、福祉施設、病院などで「回想法による音楽療法活動」を実践。昔歌ったことのある童謡、懐メロを大きい声で歌うことで、肺の活性化と歌詞による言葉のリハビリ効果を得ると共に、カスタネットやタンバリンなどで、指先や手先を動かし緊張感を緩和し、協調性を引き出し、老化防止の効果をあげています。


世界の音楽も国東の古い音楽も。

宮崎 眞也さん

 世界各地の民族楽器の収集にも興味を持ち、「音蔵」という施設の楽器博物館を運営する宮﨑さん。
 「これからは、古代楽器や民族楽器の指導もしていきたいですし、消え去ろうとする国東地方のわらべうた、民謡、昔の校歌などを集め採譜・保存するとともに、福祉活動の資料として活用したいです。また、高齢者の回想法による音楽療法も進めていきたい」と意欲を示します。