久保田 眞須子さん
様々な地域課題の解決に向けて30年以上にわたって地域で活動。
名前(年齢) | くぼた ますこ 久保田 眞須子さん(81歳) |
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地域 | 東京都(多摩市) |
活動概要 | 子供の公園つくりから、活動を開始し、以来30有余年にわたり、地域課題の解決に向け活動を継続している。また、地域福祉協議会にも参画し、高齢者の声を「地域福祉のまちづくり」に反映させるよう精力的活動を続けている。 |
(注)年齢は、平成26年4月1日時点
子供たちが元気に外で遊べるように。
久保田眞須子さんが居住していた地域では、昭和50年代になって、区画整理によって田畑が無くなり、子供の遊び場が急に少なくなり、結果として子供たちが家に閉じこもるようになりました。
こうした状況の中、子供たちのための公園造りを切望していた久保田さんは、物心両面にわたって日常生活をより民主的、合理的、文化的に高めることを目指すという新生活運動の考え方に沿って、昭和56年に「しあわせ生活学校」を設立しました。
「しあわせ生活学校」を主体として、行政や地元自治会、学校、子供会などの関係者が集まり、対話集会を行い、公園造りに関して熱心な議論を重ねていきました。
その結果、昭和58年に児童公園が完成。さらに、近隣公園の造成にあたっても同様に対話集会を行うことで、10年を経て地元住民の意見が取り入れられた公園「ふれあい広場」が完成しました。
戦争体験の伝承、そして環境問題へ。
平成元年、久保田さんは風化しつつある戦争体験を後世に伝えたいとの思いから、生活学校活動の一環として、戦争体験を語り継ぐ座談会を開催。
この座談会に参加した市民の戦争体験を綴った文集「語り継ぐ学習会その一、戦争」を発行しました。この文集は、新聞各紙に取り上げられ、社会的にも大きな反響があり、近隣の学校からも依頼を受け、語り部として戦争体験を子供達に伝える活動を推進するようになりました。
また、現在久保田さんは、環境問題にも積極的に取り組んでいます。特に、「ごみ問題」を取り上げ、企業と協働し「古紙交換市」を市委託事業として展開しました。この事業は、市民が指定日に古紙を持参し、トイレットペーパーに交換するもので、多摩市独自のトイレットペーパー「たまハッピーロール」が誕生するなど、市民の間に確実に定着してきています。
高齢者の声をまちづくりに。
「しあわせ生活学校」の運営委員長として、会員を指導するとともに、高齢者・福祉、消費者問題等の地域課題解決に向けた学習・実践を推進している久保田さんは、現在、多摩市社会福祉協議会評議員としても、地域福祉向上に努めています。
「民生委員や地域包括センター、自治会、老人会等と協働し、孤独な老人のいない、触れ合いのある『地域福祉のまちづくり』に向け、活動に参画しています。参画にあたっては、『しあわせ生活学校』運動の成果を随時取り入れ、高齢者の声がまちづくりに反映されるよう努めていいます」と久保田さんは語ります。