植田 紀美子さん 76 歳
介護に携わりながらも多岐にわたるボランティア活動とユーモア。

読書の楽しさを知ってほしいとの思いから活動

子供たちに大人気の芝居劇

子供たちに大人気の芝居劇

 三宅町は大きな図書館はもとより、一軒の書店もない県内で一番小さな町です。植田紀美子さんには、子育て中の親と子供や高齢者に、本を通じて読書の楽しさを知って欲しい、コミュニケーションの場を提供したい、読書することで多くの言葉に出会って自己表現の出来る人に育って欲しいとの思いがありました。
 そこで、昭和57年に創設された石見文庫の活動に参加し、図書貸出の手伝いを始めました。 その後、ますます子供達の読書離れが進む中、読書に興味を持つきっかけになればとの思いから、運営ボランティアを増やし、石見公民館での年1回の「おはなし会」を開始しました。「おはなし会」の活動は絵本の読み聞かせが主でしたが、その後男性ボランティアの参加を得て、次第に紙芝居、ペープサート、からくり人形を使用した人形劇等へと発展しました。町内外の小学校やお年寄りの集いなどに呼ばれての「出張公演」も年15回ほど開催するようになり、好評を得ています。
 平成9年から平成14年までは石見文庫の代表を務めました。多くの仲間がいたからこそ続けられた活動です。

趣味の時間を大切にしながらボランティア活動も

屋外での人形劇

 独居高齢者の訪問活動にも、石見文庫の活動を始めた頃から参加しています。
 高齢者サロン活動の代表として、サロンを年3回程度開催しています。また、地区内の神社の清掃ボランティアを月2回程度、婦人会の活動など も行っています。
 ご自身の趣味では、生け花サークルや短歌サークルに参加し、また自宅での菜園の管理も行っており、毎日を多忙に過ごしています。

モットーは、「困難な時でも、何事もプラス思考で」

 植田さんはいろいろなボランティア活動を行いながら、10年間認知症の義父の介護に携わり、看取りました。介護に携わっている間もユーモアに満ちた体験談を人々に伝え、介護に対する理解の普及に寄与しています。
 植田さんの人生のモットーは、「困難な時でも、何事もプラス思考で考えよう」です。今までの人生の中で、困難に遭遇するたびに、独特のユ―モアとユニ―クな考え方で切り抜けてきました。
 例えば、「認知症の義父の介護で夜間に何回も起こされた時、義父に対して怒るのではなく、その出来事を漫画っぽく日記に描いて、これを書くために起こしてくれたのだと思うようにした」という思考で対処してきました。
 今後もユ―モアを忘れずにどんな時でも楽しく活動していきたいと語ってくれました。