中尾 雄三郎さん 90 歳
カタクリの花の保護と登山道の安全のための活動を20年。

カタクリの花の保護と、登山道の管理

白馬の会メンバー

 鳥取県と岡山県の県境に、カタクリの群生で有名な毛無山があります。昔は岡山県からの登山ルートしかありませんでしたが、地域住民が立ち上がり、行政に頼らずボランティア活動で、鳥取県江府町からの登山道整備に着手しました。その中の一人である中尾雄三郎さんは、カタクリの花を初めて見たときの感動から、地域の環境保護団体「白馬の会」に所属し、カタクリの花の保護と、登山道の安全のため活動を開始しました。

環境保護団体「白馬の会」

登山道整備作業中の中尾さん

 「白馬の会」は、江府町からの登山道開設後、年2回の草刈り・倒木整理をするなど登山道の整備・管理・保護に努めています。また、カタクリ自生地の整備・保護と、毛無山の山開きでの登山者の接待を行っています。
 白馬の会の活動により、登山道の完成当時から比べてもカタクリの群生地は広がっており、新しい観光資源として益々注目されています。毎年4月に開催される毛無山の山開き祭りには400人から500人が参加するほか、年間を通じて多くの人が訪れるようになりました。

若い人の入会を呼びかけると共に、活動を継続

 90歳を迎えた今は、定期的な登山道の整備は難しくなりましたが、それでも林道の草刈りなど年2回の活動を行っています。「展望台から見える大山や日本海。360度に広がる大パノラマの眺望は素晴らしく、是非たくさんの人に毛無山へ訪れてもらいたい。修繕活動を行うメンバーが、高齢により少人数となっているため、若い人の入会を積極的に呼びかけていますが、なかなか集まらずに苦労しています」と語る中尾さんですが、春はカタクリ、秋は紅葉を楽しみに登山されている方々のために、今後も登山道の管理やカタクリの保護を頑張って継続していくそうです。