田中 政晴さん 84 歳
山林保護・自然保護活動の必要性を実感、次世代の担い手の育成。

山林保有の後継者となった事で、林業に関心

林業体験

 田中政晴さんの活動の始まりは、山林の保有者の後継者となったことです。当時は木材林業の低迷が言われ、松くい虫の被害が広がり林業で生計を立てることが非常に困難な状況になっていました。林業に関心と意欲を持って実践している人と共に林業に関する情報交換を行い、林業技術、経営のあり方について学びたいと思ったそうです。

大川町林業研究会を設立し、他グループとも交流

子どもゼミナール

 昭和60年に大川町林業研究会を設立。その後、市町合併後もさぬき市林業研究会会長として活動継続中です。
 環境保全活動としての林業振興を考え、子供たちが安心して住める環境作りを目的に、山林・田畑の環境を維持するための活動を27年間継続して行っています。稲作・野菜作り・私有林の手入れを広く関係者に呼びかけ、農業や林業にできるだけ関わりを持ち実践していくことができるように、経験のない人への技術指導を熱心に行っています。
 昭和60年に大川町林業研究会を設立した当初は12人のメンバーでしたが、昭和62年頃からメンバーが増え始め、現在は25名のメンバーで活動しています。
 NPO法人JUON(樹恩)ネットワークや森の学校といった他のグループとの交流を通して、益々山林保護・自然保護活動の必要性を実感するとともに、林業の発展、経済的効果も視野に入れて地域の活性化を願っています。個人の所有している山林面積は少なくても、仲間を増やし、一人でも多くの人と協力することが大切であり、一人一人の力が大きな力になると感じているそうです。

次世代の子供達にゼミナールを通して伝える活動

 毎年行われる大川地区内イベント(さくらまつり)での特用林産品の展示・販売など、年間計画をたて管内のイベントへ定期的に参加して、身近な林業をPRしています。
 また、保育園児や中学生対象の植物観察、講習会・植栽などを学校行事に組み込んで、若い世代に自然保護や森の大切さについて考える時間(ゼミナール)を提供しています。
 今後も一人でも多くの人が、個々の所有している山林の手入れ(枝打ち・下草刈り・倒木の除去等の活動)を自分で出来るように、実習を計画していくそうです。
 また、地産地消を訴え、山林の荒廃を防ぎ自然を守るこの活動の必要性を伝えるために、各団体と連携をとり広報活動を続けていくとのことです。
 次世代の子供たちには、ゼミナール等を通して自然の仕組みを伝え、自然の恵みに感謝する機会を提供します。林業の技術や農業の楽しさを伝えながら、今後の担い手を育成する活動を展開していく予定です。県内産材木の良さを、作品を通じてPRし、今後も地域の活性化につながる事業を仲間と共に実践していきます。