村上 諫さん 76 歳
花き生産者の特技と知識を生かした伝統文化継承と世代間交流の場の提供。

花き生産者として地域社会に貢献

小学校での生花指導

 村上諫さんは、花き生産者(花き=花の咲く草)として農業に従事していた頃から、ただ生産するだけではなく、「自分も花を生けたい。人に教えたい。人に伝えたい」という強い思いを持っていました。
 40代で華道師範の免状を取得し、地域婦人会や老人ホームでの生花指導、県立高校華道部の講師など、地域や学校の行事の一つとしても定着しています。特に地域の小学校の学習活動や公民館の講座などで、花き生産者として花材を安価で提供しながら、地域の活性化に貢献しています。

芋掘り体験収穫後の昼食会も地元の小学生の良き思い出に

さつま芋堀体験

 花き生産の傍ら、活用しなくなった自分所有の農地を、「小学生が土と触れ合う場にしよう」と思い立ち、児童の野菜作り、指導の場として提供するとともに、自宅近くの畑にもさつま芋を植え、毎年秋に小学校6年生の「芋掘り体験」の場としても提供しています。収穫したお芋は、小学校の他学年へも配布し、生徒や保護者にもとても喜ばれています。収穫体験後には、生花教室の生徒が中心となって、村上さんの自宅で「さつま芋だご汁」、自家生産米のおにぎり、漬物などを準備して楽しい昼食会を開催します。そこは世代間交流の場となり、子供たちにとっても、小学校時代のよき思い出の一つとなっているようです。

生産するだけではなく、人に教えたい、人に伝えたい

 地域でも「優しいおじいちゃん」として、子供たちや多くの人たちに親しまれている村上さんは、「自分は運の良いことに、自身の特技や知識を生かした伝統文化の継承、世代間交流の場の創出活動に専念することが出来ました。華道文化の継承については、長男が受継いでくれたので、私は地域の子供たちへ伝えるという道を選ぶことができたのです。今後も自分が若くあるために、できる限り、今の活動を続けていきたい」、そう考えています。