佐々木 照子さん 81 歳
50年以上、ボランティアひとすじ。モットーは「人を育てて、自分も育つ」。

WHO善意銀行登録ボランティア第1号

ボランティア参加者と佐々木さん

 佐々木照子さんは、昭和36年にWHO善意銀行にボランティアの第1号として登録以降、半世紀以上にわたり様々なボランティア活動を行っています。
 昭和48年に、町田市に住む障害児を持つ女性との障害児の全員就業に向けた集会での出会いをきっかけに「町田市ボランティアの会」設立の一翼を担うようになり、ボランティア活動を開始しました。
 昭和52年には「心豊かな人々が育つ目黒の土壤をつくりたい」と願って、約1年間、行政との話し合いを重ね、「目黒ボランティアセンター」設立。さらに、昭和54年の国際児童年には、地元の目黒第7中学校に全国初のボランティアクラブを設立します。
 まさに「継続はカなり」。50年以上、人と人の心の通い合いを目指して取り組んできた活動は、「人を育てたい」と願ってボランティアを始めた佐々木さんの思いをしっかりと実現しています。

強制せず参加者の自由意志で30年間続く「試食ボランティア」

調理配食活動

 昭和55年には「公共の施設の有効利用と地域還元、社会活動から福祉的活動への転換、ボランティアセンター登録者の活性化」を旗印に「目黒中央地区ボランティアの会」を設立します。そして、NHK の「きょうの料理」でも有名な堀江泰子さんにボランティア講師を依頼し、月1回約30名の地域のお年寄りを招待する「試食ボランティア」「老人食講習会及び試食会」を開催。
 昭和60年には、目黒区の委託事業として月1回の会食活動と共に、地域高齢者向けに調理配食活動を開始しました。週1回、上目黒小学校家庭科教室などを拠点とし、堀江家4代の方々の指導の下で30年間続けています。
 「この活動は、純粋なボランティアとして、強制せず、シフトも組まず、参加者の真心と責任において自由意思で行っています。毎食約100食の調理配食を、30年間一度の事故もなく続けています」と佐々木さん。
 参加者は、一般家庭の女性、幼稚園( 保育園) 児、小学生、中学生( 障害児) 、インターナショナルスクールの学生、中学・高校の教師、会社社長、区議会議員などで、年代、職種、国籍などを越え、健康食普及、食育・食文化向上、福祉教育の推進など「食」を通じたまちづくりになっています。

心豊かに人生を歩んでほしい 合言葉は「育てる」

 佐々木さんは、IAVE( ボランティア活動推進国際協議会) の世界会議やアジア太平洋地域会議に例年参加して自らの体験を発表し、ボランティアを通して国や文化を越えた交流に努め、そこで学んだものを地域社会活動に生かしています。
 「一人一人が心豊かに人生を歩んでほしい。『人を育てて、自分も育つ』をモットーとして活動を続けていきたい」と、佐々木さんは前向きに語ります。