安本 恭二さん 83 歳
「但馬・廻船史」を完成させたい。強い信念を持って、全力を注ぐ。

郷土資料館で廻船資料を読んだことがきっかけ

但馬・廻船史話

 安本恭二さんは、昭和43年に故郷の諸寄に赴任し、地元の郷土資料館を訪ね、所蔵されていた廻船資料に触れることになります。それが契機となり、「『但馬・廻船史』として地域史をまとめ上げたい」という気持ちから研究をスタートさせました。
 但馬廻船の活動や入津してきた諸国廻船の動向や商品流通の動向をまとめ、日本海各地の寄港地にも実地調査するなど、近世から近代にかけての経済活動の研究を行っています。
 平成9年に退職し、「但馬・廻船史」の研究を第二の人生のライフワークと位置づけ、精力的に活動を展開しています。

「但馬・廻船史話」新聞連載 読者に好評を博し書籍化

講演する安本恭二さん

 平成11年1月から平成13年7月までの2年7か月間、安本さんは、日本海新聞( 地方紙) に「但馬・廻船史話」と題して、毎週1回全123回、史話を連載しました。この連載が読者にも大変関心を持たれて好評を博しました。
 平成14年には、それを書籍として刊行。この書籍は、ドイツ国立図書館日本学センターから依頼があり、日本文化を研究する一冊として所蔵されています。
 現在、安本さんは、日本海事史学会、交通史研究会、但馬史研究会に所属していて、全国各地で行われる研究会にも参加して研鑚を深めています。但馬各地の公民館、但馬老人大学などでも講演活動を行い、地域からも高く賞賛されています。

但馬・廻船史を完成させる それが重要な使命

 安本さんは学習や研究を続けながら、日本各地で開催される研究会に参加したり、但馬地域で講演をしたり、幅広く、積極的な活動を行っています。
 「私には『但馬・廻船史』を完成させなければならないという強い信念があります。これからも廻船史に関心を持つ人たちへの知識の伝達をはじめ、資料発掘に努め、廻船史の全貌を把えることに全力を傾注していきたい」と、安本さんは力強く語ります。