友村 小枝子さん 99 歳
認知症予防で始めた「布草履づくり」。履き心地が評判に。

教員退職後に、老人会で奉仕活動

 友村小枝子さんは、教員退職後、早くから町内の老人会「沼田童心クラブ」の女性部に所属し、近隣小学校の清掃や草むしり等、奉仕活動を熱心に行っていました。老人会の中で、ゲートボールが普及してからは、ゲートボールの楽しさに夢中になり、競技を楽しみました。
 今から5年ほど前の94歳の時に、遠方の大会に参加することが大変になり、ゲートボールは引退しました。

認知症予防のために始めた手先を使う「布草履づくり」

製作した布草履

 それからは、週1回デイサービスに通いはじめるようになり、そこで「手先を頻繁に使うと、認知症予防に効果が高い」という話をきき、その頃から布草履作りを始めました。「もう私に着物は必要ないから」と言って、自分の古い着物を裂いて毎日のように布草履を作っています。
 作った草履はデイサービスの仲間や近所の人や知り合いの方に配っています。家にいるときはほとんどの時間を、布草履づくりに充てるほどの熱中ぶりで、人に贈り物をすることを楽しんでいます。

履き心地が評判の布草履「人に喜んでもらえるなら」

布草履制作中の友村さん

 友村さんが作った布草履はしっかりとしたつくりで「履き心地がよい」と評判がよく、頼まれてから作られることも多いそうです。もともと着物の布を使っているので色や柄も美しく仕上がっています。
 「自分の作った布草履が人に喜んでもらえるのなら、それだけで嬉しい。身体の続く限り、これからも作っていきたい」と、友村さんは話します。
 若い頃から「人の悪を言わず、自分の善を話さず」という信条を大切にしており、とても円満な人格の持ち主で、周囲から慕われる存在でした。現在、友村さんは、長男夫婦と孫、曾孫2人に囲まれて幸せに暮らしています。毎日、布草履づくりに精を出しており、99歳となった今でも生き生きと生活しています。