第3章 高齢社会対策の実施の状況

イ 公共交通機関のバリアフリー化、歩行空間の形成、道路交通環境の整備
 高齢者の自立と社会参加の要請に対応するため、高齢者が安全かつ身体的負担の少ない方法で移動できるよう、公共交通機関のバリアフリー化と歩行環境の改善に向けて、様々な施策を講じている。

(ア)交通バリアフリー法
 平成12年11月に施行された高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(平成12年法律第68号。以下「交通バリアフリー法」という。)は、交通事業者等に対して、鉄道駅等の旅客施設の新設・大改良及び車両等の新規導入に際し、移動円滑化基準への適合を義務付けるとともに、鉄道駅等の旅客施設を中心とした一定の地区において、市町村が作成する基本構想に基づき、旅客施設、周辺の道路、駅前広場等の重点的・一体的なバリアフリー化を進める制度を導入することを内容としている。
 同法に基づき、バリアフリー化の目標や交通事業者等が講ずべき措置、基本構想の指針等を示した、移動の円滑化の促進に関する基本方針(平成12年国家公安委員会、運輸省、建設省、自治省告示第1号)が策定されている(表3−4−6)。交通バリアフリー法に基づく基本構想については、545の市町村が作成を予定しており(13年9月現在)、これまでに、東京都荒川区、大阪府堺市、広島県呉市等15の市区町において作成されたものを受理した(14年3月29目現在)。

表3−4−6 交通バリアフリー法に基づく基本方針に定められたバリアフリー化の目標  <CSVデータ>

■バリアフリー化の目標
1 旅客施設
2010年までに、1日当たりの平均的な利用者の数が5、000人以上の鉄軌道駅、バスターミナル、旅客船ターミナル及び航空旅客ターミナルについて、(1)段差の解消(2)視覚障害者誘導用ブロックの整備(3)身体障害者用のトイレの設置等のバリアフリー化を実施する。

2 車両等
2010年までに、以下のバリアフリー化を達成する。
車両等の種類 車両等の総数 バリアフリー化される車両等の数
鉄軌道車両 約51,000 約15,000(約30%)
乗合バス車両 約60,000 原則として、10〜15年で低床化された車両に代替
    (うちノンステップバス)約12,000〜15,000(20〜25%)
旅客船 約1,100 約550(約50%)
航空機 約420 約180(約40%)

3 一般交通用施設
重点整備地区の主要な特定経路を構成する道路、駅前広場、通路等について、原則としてすべての特定経路を構成する道路において実施する。

4  2010年までに、音響信号機、高齢者等感応信号機等の信号機の設置、歩行者用道路であることを表示する道路標識の設置、横断歩道であることを表示する道路表示の設置等のバリアフリー化を原則としてすべての特定経路を構成する道路において実施する。
資料:国家公安委員会、総務省、国土交通省

 

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