(2)高齢者の介護
ア 要介護等の状況
介護保険制度における要介護者又は要支援者と認定された者(以下「要介護者等」という。)のうち、65歳以上の人数についてみると、平成13年度末で287.7万人となっている(表1−2−36)。
表1−2−36 要介護等高齢者の状況(要介護等認定者数)
在宅の要介護者等の要介護度(要支援を含む。)を男女別にみると、要支援者、要介護1、要介護2の合計は男性が57.6%、女性は63.0%となっており、認定を受けている者の中では女性の方が要介護度の軽い者が多い。なお、最も重い要介護5は男性で10.2%、女性で11.4%となっている(図1−2−37)。
図1−2−37 性・要介護度別にみた要介護者等の状況
各種の施設に入所している高齢者についてみると、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設における65歳以上の在所者数は、それぞれ30.6万人、22万人、10.5万人(65歳以上人口1,000人当たりそれぞれ13.4、9.6、4.6)となっている(表1−2−38)。
表1−2−38 介護保険施設の高齢者
施設等に入所している者の要介護度をみると、介護療養型医療施設に要介護度の高い者が多く、平均要介護度は4.01となっており、要介護5の者の割合も43.3%となっている。一方、介護老人保健施設には要介護度の低い者が多く、平均要介護度は3.10、要介護3以下の者の割合は58.0%となっている。介護老人福祉施設は平均要介護度、要介護度別の入所者構成比も両者の中間にある(図1−2−39)。
図1−2−39 在所者の要介護度別構成割合
要介護者等のうち、医師による診断の結果、介護を必要とする「痴呆あり」と診断されている者は、在宅の要介護者等で男性9.6%、女性13.6%、また、施設在所者ではいずれも半数以上となっている(表1−2−40)。
表1−2−40 要介護者等のうち痴呆(ランクIII以上)のある者の割合
要介護者等について、介護が必要となった主な原因についてみると、「脳血管疾患」が27.7%と最も多く、次いで、「高齢による衰弱」16.1%、「骨折・転倒」11.8%、「痴呆」10.7%となっている。男女別では、男性の「脳血管疾患」が42.9%と特に多くなっている(図1−2−41)。
図1−2−41 要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な原因