ウ 行動計画と政治宣言
「高齢化に関するマドリッド国際行動計画2002」は、世界的な高齢化の進展、特に今後予想される開発途上国での急速な高齢化を踏まえ、21世紀において高齢化を新たな発展の大いなる原動力とするために、あらゆる部門のあらゆるレベルにおいて、姿勢、政策及び慣行を変更することを求めている。
この国際行動計画の目標は、世界中の人々が安心して、尊厳をもって歳を重ねること、また完全な権利を有する市民として社会に参加し続けることを保証することである。この計画は、政策立案者が高齢化に関する重要な優先事項に焦点を当てるための実質的な手段となるよう意図されている。
国際行動計画は、21世紀の高齢化対策において優先すべき方向性として、1)高齢者と開発、2)高齢期にわたる健康と福祉の増進、3)活動可能かつ支援的な環境の確保の三つを掲げている。これら三つの方向性の下、論点別に35の行動目標を設定し、各目標を達成するために必要な具体的行動勧告を行っている。今後、国連加盟各国は、あらゆる関係主体との協力の下、この計画を積極的に推進していくこととされた。
また、国際行動計画と共に採択された「政治宣言」においては、各国政府が計画の完全な実施のために、国際的な協力体制を強化すること、年齢による差別を含むあらゆる形態の差別を撤廃するためのいかなる努力も惜しまないこと、高齢化問題への取組を社会的・経済的戦略、政策及び行動に組み入れること等がうたわれている(表2−2−5)。
表2−2−5 「高齢化に関するマドリッド国際行動計画2002」及び「政治宣言」の概要