イ 個人のライフスタイルの選択に中立的な公的年金制度の構築
女性の社会進出、家族や就業形態の多様化に伴い雇用構造が変化する中で、働く意欲を持つ者が多様な形で働き、その能力を発揮できると共に、そのことが年金制度上も評価され、それに応じて老後の自立生活を支える年金が充実していく方向が求められている。
平成14年6月より、雇用と年金に関する論点について、「雇用と年金に関する研究会」を開催し、労働経済を始めとする専門的な観点から、短時間労働者等への厚生年金の適用拡大や在職老齢年金制度の在り方等について検討を行った。平成15年3月には報告書「多様な働き方に対応できる中立的な年金制度を目指して」を取りまとめており、短時間労働者に対する厚生年金の適用については、就労形態の多様化等に対応し、被用者としての年金保障の充実等を図る観点から、適用を拡大する方向で検討を進める必要があるとしている(表2−3−10)。
表2−3−10 多様な働き方に対応できる中立的な年金制度を目指して −雇用と年金に関する研究会報告(概要)−
また、「年金改革の骨格に関する方向性と論点」においては、改革の基本的視点の一つとして、「少子化、女性の社会進出、就業形態の多様化等の社会経済の変化に的確に対応できるものとすること」が掲げられ、社会保障審議会年金部会等において、1)公的年金制度における次世代育成支援策、2)支え手を増やす取組、3)女性と年金をめぐる問題、について検討を行っている。