第2章 高齢社会対策の実施の状況 

イ 中高年齢者の再就職の援助・促進

 中高年齢者をめぐる雇用情勢は、高い失業率や低い求人倍率にみられるように依然として厳しく、中高年齢者はいったん離職すると再就職は厳しい状況にある(図2−3−3)。

図2−3−3 完全失業率・有効求人倍率の推移

図2−3−3 完全失業率・有効求人倍率の推移

 このため、公共職業安定所を中心に、中高年齢者に対する職業相談、職業紹介等の体制の整備や積極的な求人開拓の実施、求人における年齢制限の緩和に向けた指導・啓発等を行っている。
 また、定年、解雇等により離職を余儀なくされる中高年齢者の円滑な再就職の促進を図るため、事業主に対し再就職援助計画の作成要請を行い、再就職援助措置の実施を促すとともに、一定の再就職援助措置を講じた事業主に対して助成する在職者求職活動支援助成金の支給及び企業グループ内の中高年齢者を受け入れる事業主に対して助成する移動高年齢者等雇用安定助成金の支給を行っている。
 このほか、地方公共団体と協同して、高年齢者職業相談室を地方公共団体の庁舎施設内等に設置・運営し、地方公共団体が行う生活相談との密接な連携を図りつつ、高年齢者を対象とした職業相談、職業紹介や求人者に対する雇用相談等を行っている。
 さらに、平成15年度からは、世帯主など特に再就職の緊急性が高い中高年齢者について、試行雇用を通じて常用雇用への移行を図ることを目的とした中高年齢者試行雇用事業や、中高年長期失業者に対して、民間のノウハウを活用した就職支援セミナー、カウンセリングの実施、求職者同士の経験交流等による再就職支援を実施している。
 高齢期雇用就業支援コーナーにおいては、高齢者が自己の能力に関する認識を深めるとともに、高齢期においても希望と能力に応じて多様な働き方を選択し、その実現に向けて必要なキャリア・技能の向上を図っていくため、職業生活設計に関する相談・援助を行っている。
 なお、高齢期雇用就業支援コーナーの業務については、平成15年10月1日から、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構において実施している。

 

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