第1章 高齢化の状況(第3節 3)
第3節 国際比較調査に見る日本の高齢者の意識(3)
3 友人・知人との交流について
(1)近所の人と「病気の時に助け合う」高齢者の割合は、日本が最も少ない
ふだん、近所の人とは、どのようなお付き合いをしているか尋ねたところ、日本、アメリカ、スウェーデンは「外でちょっと立ち話をする程度」、ドイツは「お茶や食事を一緒にする」と回答する割合が最も多い(図1-3-5)。「相談事があったとき、相談したり、相談されたりする」と回答する割合は、ドイツ48.3%、スウェーデン31.2%、アメリカ28.3%、日本18.6%となっており、また「病気の時に助け合う」と回答する割合は、ドイツ31.9%、アメリカ27.0%、スウェーデン16.9%、日本5.9%となっており、いずれも日本の割合が最も少ない。
(2)相談や互いに世話をする友人がいないと回答する割合は、日本が最も多い
家族以外の人で相談し合ったり、世話をし合ったりする親しい友人がいるか尋ねたところ、「いずれもいない」と回答した高齢者の割合は、日本が25.9%と最も多く、ドイツ17.1%、アメリカ11.9%、スウェーデン8.9%と続いている(図1-3-6)。
日本では高齢化が進み、高齢者のいる世帯構成は単独世帯が増加傾向にあり、平成26(2014)年では約25%を占めている。こうした状況のなか、近所の人との付き合いについて、相談する・される、病気の時に助け合うと回答する割合が、調査対象国のなかで低い水準となっており、さらには家族以外の人で相談や互いに世話をし合ったりする友人がいない割合は高い水準となっている。高齢者が地域社会から孤立しないよう、様々な取組が求められる。