交通安全白書の刊行に当たって

内閣官房長官写真

  • 内閣官房長官
  • 中央交通安全対策会議交通対策本部長
  • 細田博之

 昨年の道路交通事故による死者数は7,358人と、一昨年を更に下回り7千人台前半まで減少させることができました。しかしながら、その一方で、交通事故発生件数及び死傷者数が共に過去最悪を記録しており、交通事故をめぐる情勢は依然として予断を許しません。
 政府は、一昨年1月に、10年間で交通事故死者数を5千人以下とし、「世界一安全」な道路交通の実現を目指すという方針を立てたところであります。さらに、交通事故発生件数及び死傷者数についても減少させていく必要があります。
 このため、国民、地方公共団体、民間団体などの皆様と力を合わせ、子供・親・高齢者の3世代が交通安全をテーマに交流する世代間交流事業を始めとする高齢者の交通安全対策、シートベルト及びチャイルドシートの正しい着用の徹底など様々な交通安全施策を一層強力に推進してまいる所存であります。
 また、本年4月にはJR西日本福知山線において、極めて重大な列車事故が発生したところであり、陸上、海上、航空の全ての分野において、交通事故の防止は極めて重要な国民的課題であります。政府としても全力を挙げて交通事故防止に取り組んでまいります。
 この報告書は、陸上、海上及び航空の分野ごとに、交通事故の状況と平成16年度における各種施策の実施状況について記述するとともに、平成17年度に取り組む交通安全施策について紹介しています。
 尊い生命を悲惨な交通事故から守るためには、国民の皆様に交通安全に関する理解と関心を深めていただくことが大切であると考えております。本書が、国民の皆様に広く利用され、交通事故による惨禍の根絶に向けた一助となることを願ってやみません。

平成17年6月

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