平成19年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況
第3編 航空交通
第1章 航空交通事故の動向

第3編 航空交通

第1章 航空交通事故の動向

1 近年の航空交通事故の状況

 我が国における民間航空機の事故の発生件数は、平成19年は23件であり、これに伴う死亡者数は10人、負傷者数は25人である。近年は、大型飛行機による航空事故は、乱気流によるものを中心に年数件程度にとどまり、小型飛行機等が事故の大半を占めている(第3-1表)。

■第3-1表 航空事故発生件数及び死傷者数の推移(民間航空機)
年\区分 発生件数 死傷者数
大型飛行機(件) 小型飛行機(件) 超軽量動力機(件) ヘリコプター(件) ジャイロプレーン(件) 滑空機(件) 飛行船(件) 計(件) 死亡者(人) 負傷者(人)
平成15年 3 10 3 1 0 2 0 19 12 13
16 5 11 2 6 1 3 0 28 14 26
17 1 8 0 7 0 7 0 23 16 20
18 3 3 4 2 1 5 0 18 4 10
19 5 3 4 7 0 4 0 23 10 25
1 国土交通省資料による。
2 各年12月末現在の値である。
3 日本の国外で発生した我が国の航空機に係る事故を含む(平成15年1件、16年2件)。
4 日本の国内で発生した外国の航空機に係る事故を含む(平成15年1件、17年2件、19年1件)。
5 事故発生件数及び死傷者数には、機内における自然死、自己又は他人の加害行為に起因する死亡等に係るものは含まない。
6 死亡者数は、30日以内死亡者数であり、行方不明者等が含まれる。
7 平成19年の負傷者数は暫定値である。
8 大型飛行機は最大離陸重量5.7トンを超える飛行機、小型飛行機は最大離陸重量5.7トン以下の飛行機である。

2 平成19年中の航空交通の安全上のトラブルの状況

(1)航空運送事業者における安全上のトラブル
 我が国の特定本邦航空運送事業者(客席数が100又は最大離陸重量が5万キログラムを超える航空機を使用して航空運送事業を経営する本邦航空運送事業者)における乗客死亡事故は、昭和60年の日本航空123便の御巣鷹山墜落事故以降発生していない。平成18年10月に我が国の航空運送事業者に対し報告が義務付けられた安全上のトラブルは、18年度下半期に381件報告された。
(2)管制関係の安全上のトラブル
 平成19年9月6日及び10月5日に大阪国際空港において、管制官の指示に対して着陸機が当該指示とは異なる復唱をしたが、管制官が復唱を十分確認しなかったために、滑走路の横断指示を得ないまま滑走路を横断したり、管制官が指示した滑走路とは異なる滑走路に着陸する事案が発生した。また、10月20日には関西国際空港において、出発機が、管制官の指示とは異なり滑走路に進入したため、着陸しようとした航空機が着陸をやり直す事案が発生した。

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