平成20年度交通安全施策に関する計画
別添参考
参考-4 道路交通事故交通統計24時間死者、30日以内死者及び30日死者の状況の比較

別添参考

参考-4 道路交通事故交通統計24時間死者、30日以内死者及び30日死者の状況の比較

 警察庁では、交通事故発生後24時間以内に死亡した者(24時間死者)の数について昭和21年から集計しているが、交通事故発生から24時間を経過して死亡する者の実態を把握する必要性と正確に国際比較ができる統計の必要性から、平成5年より、24時間死者に、交通事故発生から24時間経過後30日以内に死亡した者を加えた「30日以内死者」の集計を行っている。

1 時系列でみたデータの推移の比較

(1)24時間死者数と30日以内死者数の比較
 24時間死者数と30日以内死者数は、平成6年以降いずれも減少傾向を示しているが、両者の差は、5年が2,327人で最も多く、19年では895人となっており、その差は一貫して減少している(第1表)。
■第1表 24時間死者と30日以内死者の推移
  平成5年 6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年
24時間死者(A) 10,942 10,649 10,679 9,942 9,640 9,211 9,006 9,066 8,747 8,326 7,702 7,358 6,871 6,352 5,744
30日以内死者(B) 13,269 12,768 12,670 11,674 11,254 10,805 10,372 10,403 10,060 9,575 8,877 8,492 7,931 7,272 6,639
差数 2,327 2,119 1,991 1,732 1,614 1,594 1,366 1,337 1,313 1,249 1,175 1,134 1,060 920 895
(B)/(A) 1.21 1.2 1.19 1.17 1.17 1.17 1.15 1.15 1.15 1.15 1.15 1.15 1.15 1.14 1.16
注 警察庁資料による。
(2)年齢層別死者数が死者数全体に占める構成率の推移
 30日以内死者数と24時間死者数を年齢層別に分類して、各年齢層の死者数が死者数全体に占める構成率をみると、いずれの年においても、65歳以上の高齢者(以下、参考4において「高齢者」という。)では、30日以内死者の構成率が24時間死者の構成率を上回っており、16歳から24歳までの若者(以下、参考4において「若者」という。)では、24時間死者の構成率が30日以内死者数の構成率を上回っている。また、平成5年から19年の間の推移をみると、いずれの年齢層においても、24時間死者と30日以内死者でほぼ同様の傾向で推移している。すなわち、高齢者では24時間死者と30日以内死者のいずれの場合も構成率は増加傾向を示し、若者ではいずれの場合も構成率は減少傾向を示し、他の年齢層ではいずれの場合も構成率はほぼ横ばいで推移している(第1図)。
■第1図 年齢層別死者数の割合の推移
第1図 年齢層別死者数の割合の推移の図

2 30日死者数の特徴(単年)

 24時間死者数と30日以内死者数について、年齢層別、状態別及び損傷主部位別の分析を試みたところ、いずれの場合も構成率については、24時間死者のデータと30日以内死者のデータの差は数ポイントにも満たず、両者の間に大きな相違はみられなかった。
 しかしながら、30日死者(交通事故発生から24時間経過後30日以内に交通事故が原因で死亡した人)と24時間死者のデータを比較すると、事故の形態や被害者の状況によって交通事故死者の死亡時の交通事故発生後の経過時間が異なることを反映した差異が、30日以内死者と24時間死者のデータの比較の場合よりも明確に見られる。平成19年のデータについての、24時間死者と30日死者との比較でみられる主な差異は次のとおりである。

<1>
30日死者を年齢層別にみると、高齢者及び15歳以下の子どもの構成率が24時間死者の場合よりそれぞれ7.0ポイント及び1.1ポイント高くなっている(第2図)。
■第2図 年齢層別死者数の構成率(平成19年)
第2図 年齢層別死者数の構成率(平成19年)の図
<2>
30日死者を状態別にみた場合、自転車乗用中及び原動機付自転車乗車中の死者の構成率が24時間死者の場合よりそれぞれ14.3ポイント及び5.2ポイント高くなっている。一方、自動車乗車中の死者構成率は24時間死者の場合の構成率より12.9ポイント低くなっている(第3図)。
さらに、30日死者を年齢層別・状態別にみても、すべての年齢層で自転車乗用中の死者の構成率が24時間死者の場合の構成率より高くなっており、また、自動車乗車中の死者の構成率もすべての年齢層で24時間死者の場合の構成率より低くなっている(第2表)。
■第3図 状態別死者数の構成率(平成19年)
第3図 状態別死者数の構成率(平成19年)の図
■第2表 年齢別・状態別にみた24時間死者数と30日死者数の比較(平成19年)
状態\死亡時間・日 24時間死者 30日死者 構成率の差(a)-(b)
(a)構成率(%) (b)構成率(%)
15歳以下 自動車乗車中 35 26.3 6 20.0 6.3
自動二輪車乗車中 2 1.5 1 3.3 -1.8
原付自転車乗車中 6 4.5 2 6.7 -2.2
自転車乗用中 33 24.8 18 60.0 -35.2
歩行者 57 42.9 3 10.0 32.9
その他 0 0.0 0 0.0 0.0
小計 133 100.0 30 100.0
16~24歳 自動車乗車中 320 47.8 28 30.4 17.3
自動二輪車乗車中 189 28.2 25 27.2 1.0
原付自転車乗車中 82 12.2 19 20.7 -8.4
自転車乗用中 42 6.3 13 14.1 -7.9
歩行者 37 5.5 7 7.6 -2.1
その他 0 0.0 0 0.0 0.0
小計 670 100.0 92 100.0
25~64歳 自動車乗車中 1,046 47.2 79 27.7 19.5
自動二輪車乗車中 312 14.1 29 10.2 3.9
原付自転車乗車中 172 7.8 39 13.7 -5.9
自転車乗用中 175 7.9 58 20.4 -12.4
歩行者 504 22.8 79 27.7 -5.0
その他 5 0.2 1 0.4 -0.1
小計 2,214 100.0 285 100.0
65歳以上 自動車乗車中 612 22.4 85 17.4 5.0
自動二輪車乗車中 56 2.1 11 2.3 -0.2
原付自転車乗車中 212 7.8 60 12.3 -4.5
自転車乗用中 495 18.2 155 31.8 -13.6
歩行者 1,345 49.3 177 36.3 13.1
その他 7 0.3 0 0.0 0.3
小計 2,727 100.0 488 100.0
合計 自動車乗車中 2,013 35.0 198 22.1 12.9
自動二輪車乗車中 559 9.7 66 7.4 2.4
原付自転車乗車中 472 8.2 120 13.4 -5.2
自転車乗用中 745 13.0 244 27.3 -14.3
歩行者 1,943 33.8 266 29.7 4.1
その他 12 0.2 1 0.1 0.1
小計 5,744 100.0 895 100.0
注 警察庁資料による。
<3>
30日死者を損傷主部位別にみると、頭部損傷による死者の構成率が24時間死者の場合の構成率より22.5ポイント高くなっている。一方、胸部損傷による死者の構成率は24時間死者の場合の構成率より14.5ポイント低くなっている(第4図)。
■第4図 損傷主部位別死者数の構成率(平成19年)
第4図 損傷主部位別死者数の構成率(平成19年)の図

目次 | 前へ | 参考-5 「本格的な高齢社会への移行に向けた総合的な高齢者交通安全対策について」の推進状況