平成20年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況
第1編 陸上交通
第2部 鉄道交通
第1章 鉄道交通事故の動向
第1編 陸上交通
第2部 鉄道交通
第1章 鉄道交通事故の動向
1 近年の運転事故の状況
鉄道交通における運転事故※は、長期的には減少傾向にあり、昭和61年には、1,573件であったものが、平成8年には1,012件、20年には857件となった（第1-37図）。20年は前年比4.1％減、列車走行100万キロメートル当たりでは0.62件で前年比6.1％減となった。
※運転事故
列車衝突事故、列車脱線事故、列車火災事故、踏切障害事故、道路障害事故、鉄道人身障害事故及び鉄道物損事故をいう。なお、軌道の運転事故は、鉄道運転事故と同様に定義する。
事故種類別の発生件数についてみると、踏切障害が335件（39.1％）、人身障害421件（49.1％）、道路障害80件（9.3％）となった（第1-30表）。
運転事故による死傷者数は697人（うち死亡者300人）で前年比9.8％減となった。
2 平成20年中の列車事故の状況
列車事故（運転事故のうち列車衝突事故、列車脱線事故及び列車火災事故をいう。）の件数は15件（運転事故件数の1.8％）であり、前年と比較すると8件減であった。
列車事故を原因別にみると、車両・鉄道施設によるものが6件、係員の取扱誤りによるものが6件、鉄道外によるものが2件、自然災害によるものが1件である。
3 平成20年中の踏切事故の状況
踏切事故※は、踏切保安設備の整備等により、運転事故と同様、長期にわたって減少傾向にある。平成20年中に発生した踏切事故の件数は336件で前年比8.4％減であり、運転事故（857件）の約39.2％を占めた。また、死傷者数は224人で前年比25.8％減となった（第1-38図）。
※踏切事故
列車事故のうち、踏切道において、列車又は車両が道路を通行する人又は車両等と衝突し、又は接触した事故及び踏切障害事故をいう。
踏切事故の発生原因は、列車が通過する際の直前横断等道路交通側に起因するものがほとんどであり、衝突した相手側としては、自動車が高い割合を示している（第1-39図）。
また、踏切道の種類別にみると、発生件数では第1種が最も多いが、踏切道100か所当たりでは第1種が最も少なくなっている（第1-31表）。
4 平成20年中の鉄道交通における重大事故の発生状況
平成20年中は、死傷者が10名以上又は脱線両数が10両以上生じた重大事故は発生していない。