平成21年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況 平成22年度 交通安全施策に関する計画(概要)
トピック
ハイブリッド車等の静音性に関する対策について
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ハイブリッド車等の静音性に関する対策について
ハイブリッド車や電気自動車は、登録台数が近年急増しており、今後さらに増加するものと予想されている。一方、これらの自動車は、「音がしなくて危険と感じる」という意見が自動車ユーザーや視覚障害者団体等から寄せられていることから、平成21年7月から学識経験者、視覚障害者団体、メーカー団体等各方面から専門家を集めて委員会を開催し、ハイブリッド車等の静音性に関する対策の検討を進めた。
委員会は、事故実態、保有台数、海外の状況やこれまでの検討状況等を把握するとともに、ハイブリッド車や電気自動車等を用いた体験会も行い、これら自動車の接近に対して気付きにくい又は全く気が付かない状況が起こり得るということを確認した。これに対し、運転者が注意すれば対策は必要ないという意見や発音以外の新技術により対策するべきとの意見等も含め、種々検討を進めた。
その結果、平成22年1月、委員会は「ハイブリッド車等の静音性に関する対策について(報告)」を取りまとめ、運転者が最善の注意を払って歩行者に危険を感じさせないように運転することも重要としながらも、それだけでは歩行者の予期せぬ行動に対応できないとして、ハイブリッド車等の優れた静音性能を活かしつつ、視覚障害者を含む歩行者が車との位置関係を的確に把握できるようにするため、一定の要件を満たした発音装置をハイブリッド車等に装備することを求めた。
これを受け、国土交通省は、「ハイブリッド車等の静音性に関する対策のガイドライン」を定めるとともに、自動車メーカー等の関係者に周知し、対策の早期普及を促したところである。
今後、ガイドラインを満たす自動車の技術的、社会的受容性の検証結果を踏まえ、基準化を検討するとともに、自動車の安全・環境基準の国際的な調和活動を行っている国連の会議「自動車基準調和世界フォーラム(UN/ECE/WP29)」に、日本から本対策内容を提案するなど、今後世界で普及が見込まれるハイブリッド車等の静音性に関する国際化を目指すこととしている。