平成21年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況
第1編 陸上交通
第2部 鉄道交通
第1章 鉄道交通事故の動向

第1編 陸上交通

第2部 鉄道交通

第1章 鉄道交通事故の動向

1 近年の運転事故の状況

 鉄道交通における運転事故は、長期的には減少傾向にあり、平成元年には、1,414件であったものが、11年には904件、21年には839件となった(第1-41図)。21年は前年比1.5%減、列車走行100万キロメートル当たりでは0.61件で前年比1.6%減となった。

第1-41図 運転事故の件数と死傷者数の推移

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※運転事故

列車衝突事故、列車脱線事故、列車火災事故、踏切障害事故、道路障害事故、鉄道人身障害事故及び鉄道物損事故をいう。なお、軌道の運転事故は、鉄道運転事故と同様に定義する。

 事故種類別の発生件数についてみると、踏切障害が321件(38.3%)、人身障害424件(50.5%)、道路障害82件(9.8%)であった(第1-30表)。

第1-30表 事故種類別の運転事故の発生状況

 運転事故による死傷者数は683人(うち死亡者328人)で前年比1.3%減となった。

2 平成21年中の列車事故の状況

 列車事故(運転事故のうち列車衝突事故、列車脱線事故及び列車火災事故をいう。)は11件(運転事故件数の1.3%)であり、前年比4件減であった。
 列車事故を原因別にみると、係員の取扱誤りによるものが4件、車両・鉄道施設によるものが4件、鉄道外によるものが2件、自然災害によるものが1件である。

3 平成21年中の踏切事故の状況

 踏切事故は、踏切保安設備の整備等により、長期にわたって減少傾向にあり、平成21年中に発生した踏切事故の件数は322件で前年比3.3%減であり、運転事故(839件)の約38.3%を占めた。この割合は、平成元年には58.1%であったものが11年には51.4%、21年には38.3%となり減少傾向にある。また、死傷者数は206人で前年比7.2%減となった(第1-42図)。

第1-42図 踏切事故の件数と死傷者数の推移

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※踏切事故

列車事故のうち、踏切道において、列車又は車両が道路を通行する人又は車両等と衝突し、又は接触した事故及び踏切障害事故をいう。

 踏切事故の発生原因は、列車が通過する際の直前横断等道路交通側に起因するものがほとんどである。また、衝突した相手側としては、自動車が高い割合を示しているが、その割合は低下している(第1-43図)。

第1-43図 原因別・衝撃物別踏切事故発生件数(平成21年)

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 また、踏切道の種類別にみると、発生件数では第1種が最も多いが、踏切道100か所当たりでは第1種が最も少なくなっている(第1-31表)。

第1-31表 踏切道種別の踏切事故件数

4 平成21年中の鉄道交通における重大事故の発生状況

 平成21年12月28日にJR北海道の根室線富良野駅において、列車が除雪車と衝突し、乗客等12人が負傷した(第1-32表)。

第1-32表 重大事故一覧

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