特集

航空交通安全対策の今後の方向
−第9次交通安全基本計画より−

<1>基本的考え方

航空事故を減らすため,また事故につながりかねない安全上のトラブルの未然防止を図るため,航空交通安全についての対策を着実に実施していく。


<2>目標

○ 昭和61年以降継続している特定本邦航空運送事業者における乗客の死亡事故ゼロの記録を継続する。


<3>対策

(1)視点

事故の予兆ともいえる一連のトラブルの発生を断ち切り,国民の航空輸送の安全に対する信頼を回復すること,また,より一層安全で効率的な航空交通システムを確立することが喫緊の課題となっている。

航空サービスの提供には,数多くの主体が関わっており,各主体の規範遵守を監督する従来の安全行政から,各主体の安全パフォーマンスを継続的に評価し,航空全体として安全パフォーマンスの向上が図られるよう総合的な安全マネジメントを行っていく次世代型安全行政への転換を図るなど,各般の安全対策を充実し,総合的かつ計画的に推進する。


(2)講じようとする施策

<1> 総合的な安全マネジメントへの転換

国家安全プログラムを段階的に導入していくほか,自発的安全報告制度を確立するとともに,安全情報の分析・評価体制の強化を図る。

<2> 航空交通環境の整備

予防的安全対策の推進,航空交通の安全性の向上及びサービスの充実,航空交通の安全確保等のための施設整備の推進,空港の安全対策の推進,航空保安職員の教育の充実,空港・航空保安システムの災害対策の強化を図る。

<3> 航空機の安全な運航の確保

運輸安全マネジメント制度の充実・強化,航空運送事業者等に対する監督体制の強化,航空安全情報を通じた予防的安全対策の推進,航空従事者の技量の充実等,外国航空機の安全の確保,小型航空機等に係る安全対策の推進,危険物輸送の安全対策の推進,航空交通に関する気象情報等の充実を図る。

<4> 航空機の安全性の確保

航空機の安全性に関する技術基準等を整備するとともに,航空機の検査及び整備審査を適確に実施することにより,航空機の安全性の確保を図る。

<5> 救助・救急活動の充実

航空機の遭難,事故等の事態に迅速かつ適切に対応するため,関係機関相互の連携を強化するなど救助・救急体制の強化を図る。

<6> 被害者支援の推進

被害者団体等の参画を得ながら,我が国において求められる交通事故被害者等支援の内容等について検討し,我が国の実情に沿った支援の仕組みや体制の整備に向けて必要な取組を行う。

<7> 航空事故等の原因究明と再発防止

航空事故及び航空事故の兆候(航空重大インシデント)の原因究明調査を迅速かつ適確に行うため,調査を担当する職員に対する専門的な研修を充実させ,調査技術の向上を図るとともに,各種調査用機器の活用により分析能力の向上に努め,もって航空事故の防止に寄与する。

<8> 航空交通の安全に関する研究開発の推進

航空交通の安全に関する各種の研究開発を推進する。また,航空事故を防止するための技術とともに,万一事故が起こった場合に乗客を保護するための安全技術等,航空安全に関する先行的な研究開発を実施する。


国家安全プログラム(SSP)