平成22年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況
第3編 航空交通
第2章 航空交通安全施策の現況
第3節 航空機の安全性の確保

目次]  [前へ]  [次へ

第3編 航空交通

第2章 航空交通安全施策の現況

第3節 航空機の安全性の確保

1 航空機、装備品等の安全性を確保するための技術基準等の整備

 航空機の安全性の向上を図るため、我が国の航空機の製造・運航により蓄積された経験を通じて得た知見を活かし、ICAOが定める標準の策定活動や国際会議等に積極的に参画した。また、ICAOが定める標準の制定状況、航空機技術の進展及び国産航空機の開発計画の進捗状況に対応した航空機及び装備品の安全性に関する技術基準等の策定についての検討を進めている。

2 航空機の安全性に係る情報の収集、処理体制の充実等

 航空事故の防止に役立てるため、外国の耐空性管理当局及び航空機製造者とも情報交換を密にすることにより、耐空性改善通報の発行等の措置を迅速かつ適切に講ずることができるよう体制を整えた。
 また、航空安全情報管理・提供システムを活用し、耐空性改善通報の本文データや航空機の故障情報等の航空機の安全性に関する情報を公開するなど、より一層の情報公開を推進している。

3 航空機の検査体制の充実

 国産航空機の開発計画に対応するため、型式証明等における設計検査を行う体制を強化するとともに、輸入航空機を含む航空機の検査及び国の検査に代わり基準適合性の確認を行う民間事業者の指導・監督を担当する職員の選考採用を実施し、航空機の検査体制の充実を図った。
 また、航空機検査職員の質的向上を図るため、研修制度を拡充し、国内の企業や外国で行われる研修への参加など内容の充実を図った。

4 航空機の整備に係る審査体制の充実

 航空運送事業者の整備体制に係る審査として、整備規程の認可に係る審査のほか、新規参入や新たな基地の追加、新機種導入時等に行う運航開始前の検査、定例連絡会議の開催等を行っており、これらを通じて的確に指導・監督を行った。
 また、整備審査官の質的向上を図るため、研修内容の見直しを行い、最新の整備方式に対応した内容の研修を実施した。

5 航空機の経年化対策の強化

 従来から各航空運送事業者に対しては、経年航空機の点検・整備の強化、改修の促進等を指示するなど所要の対策を講じてきている。とりわけ、構造強度の改善や腐食防止の観点については、製造国当局や製造者からの情報に基づいて適切に耐空性改善通報を発行するなど、経年化対策の推進を図った。

目次 | 前へ | 第4節 救助・救急活動の充実