平成25年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況
第1編 陸上交通
第2部 鉄道交通
第1章 鉄道交通事故の動向
1 近年の運転事故の状況
鉄道交通における運転事故※は,長期的には減少傾向にあり,平成5年に1,188件であったものが,15年には868件,25年には803件で,25年は前年比2.5%減であった(第1-40図)。
事故種類別にみると,踏切障害が293件(36.5%),人身障害432件(53.8%),道路障害55件(6.8%)であった(第1-29表)。
区分 | 列車事故 | その他の事故 | 合計 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
列車衝突 | 列車脱線 | 列車火災 | 小計 | 踏切障害 | 道路障害 | 人身障害 | 物損 | 小計 | ||
件数(件) | 1 | 13 | 1 | 15 | 293 | 55 | 432 | 8 | 788 | 803 |
0.1% | 1.6% | 0.1% | 1.9% | 36.5% | 6.8% | 53.8% | 1.0% | 98.1% | 100.0% | |
死傷者(人) | 0 | 37 | 0 | 37 | 192 | 18 | 437 | 647 | 684 | |
(0) | (0) | (0) | (0) | (94) | (0) | (183) | (277) | (277) |
運転事故による死者数は277人で,第9次交通安全基本計画の目標どおり減少し(10.6%減),乗客の死者数はゼロであった。(第1-29表)。
2 平成25年中の列車事故の状況
列車事故(運転事故のうち列車衝突事故,列車脱線事故及び列車火災事故をいう。)は,15件(運転事故件数の1.9%)であり,前年比31.8%減であり,列車事故による死者は皆無であった。
3 平成25年中の踏切事故の状況
踏切事故※は,踏切保安設備の整備等により,長期的には減少傾向にある。平成25年は295件で前年比3.3%減であり,踏切事故による死者数は94人で前年比26.6%減であった(第1-41図)。
原因別にみると,列車が通過する直前の横断等道路交通側の原因が45.4%であり,衝撃物別にみると,自動車と衝突した事故が48.8%を占めている(第1-42図)。
また,第1種踏切道での事故件数が88.6%を占めているが,踏切道100か所当たりでは第1種が最も少なくなっている(第1-30表)。
踏切道 | 踏切道数 | 件数 | 構成率 (踏切道) |
100か所当たり の事故件数 |
---|---|---|---|---|
か所 | 件 | % | 件 | |
第1種 | 29,860 | 247 | 88.6 | 0.83 |
第2種 | - | - | - | - |
第3種 | 816 | 8 | 2.4 | 0.98 |
第4種 | 3,034 | 40 | 9.0 | 1.32 |
計 | 33,710 | 295 | 100.0 | 0.88 |
4 人身障害事故の発生状況
平成25年の人身障害事故は432件,死者数は183人で前年比1.7%増,このうちホームから転落して又はホーム上で,列車と接触して死傷する事故(ホーム事故)は,平成25年は230件で前年比8.0%増であり,ホーム事故による死者数は30人で前年比7.1%増であった。(第1-43図)
なお,ホーム事故は,酔客による事故件数が60.0%を占めている。
5 平成25年中の鉄道交通における重大事故の発生状況
平成25年2月12日に山陽電気鉄道の本線荒井駅構内において,列車脱線事故が発生し18人が負傷するなど,3件発生した。(第1-31表)。
発生 月日 |
事業者名 | 線名・場所 | 事故種類 | 死傷 者数 |
脱線 両数 |
主原因及び概要 |
---|---|---|---|---|---|---|
2月12日 | 山陽電気鉄道 | 本線 荒井駅構内 |
列車脱線事故 | 18人 (0人) |
2 | 列車が走行中,踏切道内を支障していた車両運搬車と衝突し,脱線した。 |
7月31日 | 長崎電気軌道 | 本線 築町停留場~市民病院 前停留場間 |
車両脱線事故 | 18人 (0人) |
1 | 路面電車が走行中,道路を横断しようとして軌道に進入したバスと衝突し脱線した。 |
11月5日 | 九州旅客鉄道 | 佐世保線 高橋駅構内 |
踏切障害事故 | 10人 (0人) |
0 | 列車が走行中,踏切道内を支障していたセミト レーラーの荷物と衝突した。 |