交通安全白書の刊行に当たって
内閣府特命担当大臣
中央交通安全対策会議交通対策本部長
平成25年は,道路交通事故の発生から24時間以内に亡くなられた方の人数が4,373人となり,13年連続で減少するとともに,事故発生件数についても9年連続で減少しました。しかしながら,道路交通事故死者数の減少幅が縮小しているなど,厳しい状況は続いています。
政府においては,現行の第9次交通安全基本計画に基づき,陸上,海上及び航空の各分野において,交通事故を減らすべく各種の交通安全施策を強力に推進してまいります。特に,道路交通については,同計画で「平成27年までに24時間死者数を3,000人以下とし,世界一安全な道路交通を実現する」こと等を目標としていることを踏まえ,子ども,高齢者,歩行者及び自転車利用者の安全確保や生活道路及び幹線道路における安全確保に視点を置いた対策を講じていくこととしており,地方公共団体,関係民間団体及び地域の方々と力を合わせてこれらの対策を進めてまいります。
本年の白書においては,陸上,海上及び航空の分野ごとに,交通事故の状況と平成25年度における各種施策の実施状況について報告するとともに,平成26年度に取り組む交通安全施策に係る計画について記述しています。また,運転者対策等に関する法整備,東日本大震災の被災地における交通安全啓発活動の状況等についてトピックスとして記述しています。
人の命は何ものにも代えがたいものです。「人優先」の交通安全思想を基本とし,究極的には交通事故のない社会を目指していかなければなりません。このためには,国民の皆様に,交通安全に関する理解と関心を深めていただくことが大切です。本書が広く利用され,悲惨な交通事故の根絶に向けた取組の一助となることを願ってやみません。
平成26年6月