特集 「道路交通における新たな目標への挑戦」
I 道路交通事故の発生状況
特集 「道路交通における新たな目標への挑戦」―第10次交通安全基本計画(道路交通)の作成―
I 道路交通事故の発生状況
これまでの数次の交通安全基本計画の下,官民一体となった取組を行なってきた結果,平成27年中の交通事故発生件数は53万6,899件で,死者数は4,117人,負傷者数は66万6,023人であった。前年と比べると,発生件数は3万6,943件(6.4%),負傷者数は4万5,351人(6.4%)減少し,免許保有者数や車両保有台数は近年増加しているなかで,交通事故発生件数や負傷者数については平成27年まで11年連続して減少しており,死者数については過去最多の時期と比較し4分の1以下となっている。
しかしながら,15年ぶりに死者数は前年に比べ4人(0.1%)増加し,第9次交通安全基本計画に定める「交通事故死者数を平成27年までに3,000人以下にする」という目標を達成することはできなかった。
近年は,他の年齢層に比べて致死率が約6倍高い65歳以上の高齢者(以下「高齢者」という。)の人口は年々増加の一途をたどっており,交通事故死者数全体に占める高齢者の割合も高い水準で推移し,過去最高を更新している。
こうしたことが,全体の死者数の減少幅の縮小や,全体の致死率の上昇にもつながっていると考えられる。