第1編 陸上交通 第1部 道路交通 第1章 道路交通事故の動向
は第2節 平成27年中の道路交通事故の状況

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第1編 陸上交通

第1部 道路交通

第1章 道路交通事故の動向

第2節 平成27年中の道路交通事故の状況
1 概況

平成27年中の交通事故発生件数は53万6,899件で,これによる死者数は4,117人,負傷者数は66万6,023人であった(死傷者数は67万0,140人)。

前年と比べると,発生件数は3万6,943件(6.4%),負傷者数は4万5,351人(6.4%)減少したが,死者数は4人(0.1%)増加した(死傷者数は4万5,347人(6.3%)減少)。

交通事故発生件数及び負傷者数は11年連続で減少したが,死者数はピーク時(昭和45年:1万6,765人)の4分の1以下となったものの15年ぶりに増加した。

高齢者の人口当たりの交通事故死者数は引き続き減少しているものの,高齢者人口そのものの増加により,結果的に高齢者の交通事故死者数が増加していることが交通事故死者数全体の増加の要因の一つであると考えられる(第1-4図及び第1-5図)。

また,致死率については,3年連続で上昇しているが,この背景には,他の年齢層に比べて致死率が約6倍高い高齢者の人口が増加している一方,その他の年齢層の人口は減少していることが挙げられる(第1-6図)。


第1-4図 高齢者及び高齢者以外の死者数の推移

第1-5図 人口10万人当たりの高齢者及び高齢者以外の交通事故死者数の推移

第1-6図 致死率及び死者数の推移

2 交通死亡事故等の特徴

(1)事故類型別交通死亡事故件数及び交通事故件数

平成27年中の交通死亡事故件数を事故類型別にみると,正面衝突等(1,173件,構成率29.1%)が最も多く,次いで横断中(1,044件,構成率25.9%),出会い頭衝突(568件,構成率14.1%)の順で多くなっており,この3類型を合わせると全体の69.1%を占めている(第1 -7図)。過去10年間の交通死亡事故件数(人口10万人当たり)を事故類型別にみると,横断中の死亡事故は他に比べ余り減っていない(第1-8図)。

また,27年中の交通事故件数を事故類型別にみると,追突(196,868件,構成率36.7%)が最も多く,次いで出会い頭衝突(130,723件,構成率24.3%)が多くなっており,両者を合わせると全体の61.0%を占めている(第1-9図)。過去10年間の交通事故件数(人口10万人当たり)を類型別にみると、横断中は他に比べ余り減っていない(第1-10図)。


第1-7図 事故類型別交通死亡事故件数(平成27年)

第1-8図 事故類型別人口10万人当たり交通死亡事故件数の推移
(件/人口10万人) 17年 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 構成率 増減率(H17年比)
正面衝突等 1.66 1.45 1.27 1.08 1.07 1.05 0.97 0.89 1.00 0.95 0.92 29.1% -44.4%
横断中 1.15 1.16 1.10 0.97 0.94 0.97 0.92 0.90 0.85 0.81 0.82 25.9% -28.5%
出会い頭衝突 0.86 0.80 0.75 0.70 0.60 0.59 0.53 0.49 0.43 0.43 0.45 14.1% -47.8%
人対車両
その他
0.45 0.41 0.39 0.36 0.36 0.35 0.37 0.34 0.32 0.33 0.34 10.7% -24.3%
右・左折時 0.34 0.31 0.28 0.28 0.27 0.25 0.23 0.25 0.22 0.20 0.20 6.5% -39.8%
追突 0.30 0.27 0.23 0.21 0.19 0.21 0.24 0.20 0.18 0.18 0.16 4.9% -48.5%

注  1  警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 「人対車両その他」とは,対面通行,背面通行,路上横臥等をいう。
3 「正面衝突等」とは正面衝突,路外逸脱,工作物衝突をまとめたものをいう。
4 算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」又は「国勢調査」による。


第1-9図 事故類型別交通事故件数(平成27年)

第1-10図 事故類型別人口10万人当たり交通事故件数の推移
(件/人口10万人) 17年 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 構成率 増減率(17年比)
横断中 36.0 34.8 32.7 32.6 32.2 32.2 29.8 28.7 27.0 25.3 24.9 5.9% -30.7%
人対車両その他 26.7 25.8 24.6 22.7 21.6 21.7 21.1 21.0 20.4 19.1 18.4 4.3% -31.2%
追突 230.6 221.9 204.3 187.3 182.7 184.3 179.9 181.3 176.8 163.0 154.9 36.7% -32.8%
出会い頭衝突 193.4 182.5 175.7 163.0 156.1 152.0 141.2 131.6 122.4 110.6 102.9 24.3% -46.8%
右・左折時衝突 100.1 94.5 91.7 83.1 79.6 77.0 71.7 67.4 62.2 56.8 52.5 12.4% -47.6%
正面衝突等 42.7 38.7 33.7 30.3 28.6 26.9 25.0 23.0 20.8 17.9 15.7 3.7% -63.3%

注  1 警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 「 人対車両その他」とは,対面通行,背面通行,路上横臥等をいう。
3 「 正面衝突等」とは正面衝突,路外逸脱,工作物衝突をまとめたものをいう。
4  算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」又は「国勢調査」による。


(2)状態別交通事故死者数及び負傷者数

平成27年中の交通事故死者数を状態別にみると,歩行中(1,534人,構成率37.3%)が最も多く,次いで自動車乗車中(1,322人,構成率32.1%)が多くなっており,両者を合わせると全体の69.4%を占めている(第1-11図)。過去10年間の交通事故死者(人口10万人当たり)を状態別にみると,自動二輪車乗車中及び歩行中の交通事故死者は他に比べ余り減っていない(第1-12図)。

また,27年中の交通事故負傷者数を状態別にみると,自動車乗車中(442,319人,構成率66.4%)が最も多い(第1-13図)。過去10年間の交通事故負傷者数(人口10万人当たり)を状態別にみると,歩行中の負傷者は他に比べ余り減っていない(第1-14図)。


第1-11図 状態別交通事故死者数(平成27年)

第1-12図 状態別人口10万人当たり交通事故死者数の推移
(人/人口10万人) 平成17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 増減率
(H17年比)
歩行中 1.67 1.62 1.54 1.37 1.35 1.37 1.33 1.28 1.25 1.18 1.21 -27.8%
自動車乗車中 2.15 1.87 1.59 1.35 1.28 1.28 1.15 1.12 1.11 1.08 1.04 -51.6%
原付乗車中 0.46 0.41 0.37 0.33 0.29 0.28 0.27 0.26 0.23 0.20 0.18 -60.4%
自動二輪車乗車中 0.47 0.47 0.44 0.44 0.41 0.41 0.40 0.36 0.37 0.35 0.35 -25.6%
自転車乗用中 0.67 0.64 0.59 0.57 0.56 0.52 0.50 0.44 0.47 0.42 0.45 -32.6%

注  1  警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」又は「国勢調査」による。


第1-13図 状態別交通事故負傷者数(平成27年)

第1-14図 状態別人口10万人当たり交通事故負傷者数の推移
(人/人口10万人) 平成17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 増減率
(17年比)
自動車乗車中 566.2 541.9 502.4 454.0 440.6 438.6 420.1 415.7 400.1 366.7 348.1 -38.5%
自動二輪車乗車中 50.0 46.5 46.1 41.7 40.2 37.9 35.5 33.5 31.5 28.3 26.0 -48.0%
原付乗車中 81.1 72.9 68.9 61.0 56.1 53.2 48.0 43.1 38.7 33.6 29.3 -63.9%
自転車乗用中 144.9 136.8 134.1 127.1 121.9 118.4 111.8 102.7 94.1 84.8 76.5 -47.2%
歩行中 63.3 61.0 57.6 55.8 54.1 54.2 51.3 50.2 47.8 44.9 43.6 -31.1%

注  1  警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」又は「国勢調査」による。


(3)年齢層別交通事故死者数及び負傷者数

平成27年中の交通事故死者数を年齢層別にみると,各層人口10万人当たりでは,80歳以上(10.0人)が最も多く,次いで70~79歳(6.6人),60~69歳(3.4人)の順で多くなっており(第1-15図),この3つの年齢層の死者数を合わせると全体の61.1%を占めている(第1-16図)。65歳以上の高齢者の人口当たりの死者数は引き続き減少しているものの(第1-5図),高齢者人口そのものの増加により,結果的に高齢者の交通事故死者数は昨年比で増加し(第1-4図),交通事故死者数に占める高齢者の割合が過去最も高く(54.6%)なった。過去10年間の交通事故死者数(人口10万人当たり)を年齢層別にみると,最も減少が緩やかな80歳以上の年齢層についても,全年齢層の平均と同様,平成17年と比較して4割程度の減少となっている(第1-15図)。

また,27年中の交通事故負傷者数を年齢層別にみると,各層人口10万人当たりでは,20~29歳(909.4人)が最も多く,次いで30~39歳(749.4人),40~49歳(668.9人)が多くなっており(第1-17図),この3つの年齢層の負傷者数を合わせると全体の54.2%を占めている(第1-18図)。過去10年間の交通事故負傷者数を年齢層別(人口10万人当たり)でみると,40~49歳及び50~59歳の年齢層では他に比べ余り減っていない(第1-17図)。


第1-15図 年齢層別人口10万人当たり交通事故死者数の推移
(人/人口10万人) 平成17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 増減率
(17年比)
9歳以下 1.0 0.9 0.8 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.5 0.5 -43.0%
10~19歳 3.1 3.3 2.9 2.5 2.2 2.0 1.9 1.7 1.7 1.6 1.5 -52.7%
20~29歳 5.3 4.6 4.2 3.4 3.3 3.3 3.1 2.7 2.7 2.4 2.3 -56.9%
30~39歳 3.5 3.0 2.6 2.3 2.0 2.1 1.9 1.9 1.7 1.6 1.7 -50.7%
40~49歳 3.4 3.0 2.9 2.6 2.4 2.5 2.4 2.3 2.3 2.1 2.0 -42.7%
50~59歳 4.7 4.3 3.5 3.1 3.0 3.0 3.0 2.8 2.7 2.7 2.8 -40.9%
60~69歳 6.7 6.2 5.3 5.0 4.7 4.4 4.0 3.7 3.9 3.8 3.4 -49.4%
70~79歳 12.1 11.2 10.4 9.0 8.8 8.9 8.0 7.5 7.6 6.5 6.6 -45.4%
80歳以上 16.6 15.5 14.6 13.3 12.6 12.0 11.2 11.0 10.0 9.7 10.0 -39.9%
65歳以上(再掲) 11.9 11.1 10.3 9.2 8.8 8.6 7.8 7.7 7.5 6.9 6.8 -42.7%
全年齢層 5.4 5.0 4.5 4.1 3.9 3.9 3.7 3.5 3.4 3.2 3.2 -40.4%

注  1  警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」又は「国勢調査」による。


第1-16図 年齢層別交通事故死者数の推移
27年
死者数構成率
9歳以下571.4%
10~19歳1734.2%
20~29歳2957.2%
30~39歳2796.8%
40~49歳3638.8%
50~59歳43210.5%
60~69歳61715.0%
70~79歳93622.7%
80歳以上96523.4%
65歳以上(再掲)2,24754.6%

第1-17図 年齢層別人口10万人当たり交通事故負傷者数の推移
(人/人口10万人) 平成17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 増減率(17年比)
9歳以下 419.9 386.6 371.4 340.0 319.6 305.4 293.0 279.0 266.0 236.2 224.1 -46.6%
10~19歳 960.3 901.1 873.9 798.1 761.7 750.0 701.5 660.1 613.1 542.1 491.7 -48.8%
20~29歳 1,577.3 1,526.2 1,407.3 1,260.0 1,211.3 1,199.6 1,170.1 1,134.0 1,075.9 975.7 909.4 -42.3%
30~39歳 1,194.2 1,151.5 1,051.6 966.3 934.9 931.8 880.5 869.1 834.4 777.7 749.4 -37.2%
40~49歳 955.9 928.7 902.9 844.9 834.1 841.9 818.0 804.6 772.1 714.1 668.9 -30.0%
50~59歳 843.0 806.3 729.4 667.6 645.5 648.3 626.1 624.0 608.0 569.1 548.9 -34.9%
60~69歳 712.1 675.9 668.7 625.0 608.0 581.4 533.4 510.6 483.1 436.7 411.5 -42.2%
70~79歳 535.2 521.8 510.0 475.7 464.0 457.1 431.5 414.5 388.6 353.8 327.8 -38.8%
80歳以上 304.7 295.1 285.1 264.2 258.8 249.0 233.7 222.0 213.2 197.9 184.0 -39.6%
65歳以上(再掲) 520.1 504.8 487.3 450.1 439.8 420.6 388.0 379.4 361.5 329.7 307.6 -40.9%
全年齢層 906.2 859.8 809.8 740.2 713.6 702.9 667.4 645.9 612.9 558.8 524.1 -42.2%

注  1  警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」又は「国勢調査」による。


第1-18図 年齢層別交通事故負傷者数の推移
27年
負傷者数 構成率
9歳以下 23,578 3.5%
10~19歳 57,621 8.7%
20~29歳 117,134 17.6%
30~39歳 120,919 18.2%
40~49歳 123,080 18.5%
50~59歳 84,784 12.7%
60~69歳 74,619 11.2%
70~79歳 46,537 7.0%
80歳以上 17,751 2.7%
65歳以上 (再掲) 101,515 15.2%

(4)年齢層・状態別人口10万人当たり交通事故死者数(平成27年)

状態別でみた過去10年間の交通事故死者数(人口10万人当たり)の推移については,歩行中が他に比べ余り減っていない(第1-12図)ところ,平成27年の歩行中死者(人口10万人当たり)については,高齢者で多く,特に80歳以上(5.45人)では全年齢層の平均(1.21)の4倍以上の水準となっている(第1-19図)。


第1-19図 年齢層・状態別人口10万人当たり交通事故死者数(平成27年)
9歳以下 10~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70~79歳 80歳以上
歩行中 0.30 0.16 0.41 0.37 0.50 0.76 1.16 2.98 5.45
自転車乗用中 0.08 0.21 0.18 0.14 0.16 0.30 0.58 1.21 1.45
原付乗車中 0.00 0.16 0.15 0.08 0.11 0.16 0.24 0.42 0.34
自動二輪車乗車中 0.00 0.40 0.60 0.51 0.54 0.50 0.22 0.10 0.10
自動車乗車中 0.16 0.54 0.95 0.62 0.66 1.07 1.17 1.88 2.61

注  1  警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」又は「国勢調査」による。

(5)年齢層・状態・男女別交通事故死者数(平成27年)

交通事故死者を年齢層・状態・男女別にみると,16~24歳の女性では自動車乗車中,65歳以上の女性及び15歳以下の男性では歩行中の占める割合が高い(第1-20図)。


第1-20図 年齢層・状態・男女別交通事故死者数(平成27年)

(6)昼夜別・状態別交通事故死者数及び負傷者数(平成27年)

交通事故死者数を昼夜別・状態別にみると,自動車乗車中(昼間63.5%),原付乗車中(昼間63.0%),自転車乗用中(昼間60.3%),自動二輪車乗車中(昼間60.0%)については昼間の割合が6割以上と高いのに対して,歩行中(夜間69.2%)については,夜間の割合が高くなっている(第1-21図)。

負傷者数を昼夜別・状態別にみると,自転車乗用中(昼間77.5%),原付乗車中(昼間73.6%),自動車乗車中(昼間73.0%)については,昼間の割合が高いのに対して,歩行中(夜間39.7%)については比較的夜間の割合が高くなっている。


第1-21図 昼夜別・状態別交通事故死者数及び負傷者数(平成27年)

(7)道路形状別交通死亡事故発生件数

平成27年中の交通死亡事故発生件数を道路形状別にみると,交差点内(35.6%)が最も多く,次いで一般単路(交差点,カーブ,トンネル,踏切等を除いた道路形状をいう。)(30.6%)が多くなっており,両者を合わせると全体の66.2%を占めている(第1-22図)。


第1-22図 道路形状別死亡事故発生件数(平成27年)

(8)第1当事者別の交通死亡事故発生件数

自動車又は原動機付自転車(以下「自動車等」という。)の運転者が第1当事者となる交通死亡事故件数(免許保有者10万人当たり)を年齢層別にみると,16~19歳,80歳以上が他に比べ多くなっており,平成27年中については,16~19歳(14.4件)が最も多く,次いで80歳以上(13.3件)が多くなっている(第1-23図)。

平成27年中の交通死亡事故発生件数を法令違反別(第1当事者)にみると,安全運転義務違反が55.0%を占め,中でも漫然運転(14.9%),運転操作不適(12.5%),脇見運転(11.5%)が多い(第1-24図)。

当事者別にみると,自家用乗用車(50.9%)及び自家用貨物車(16.1%)で全体の約7割を占めている(第1-25図)。


第1-23図 自動車又は原動機付自転車運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり死亡事故件数の推移
17年 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年
16~19歳 23.7 21.1 20.8 20.4 19.7 15.5 16.9 15.0 16.9 13.8 14.4
20~29歳 10.4 9.4 8.5 7.6 7.1 6.4 6.7 6.1 5.9 5.4 5.4
30~39歳 6.5 6.1 5.6 4.8 4.4 4.7 4.2 4.0 3.5 3.4 3.3
40~49歳 5.7 5.1 4.9 4.4 4.3 4.5 4.2 3.9 3.9 3.7 3.3
50~59歳 6.4 5.9 5.6 4.6 4.6 4.5 4.1 3.9 3.6 3.8 3.9
60~69歳 6.3 6.5 5.1 4.8 4.5 4.8 4.5 4.1 4.3 3.8 3.8
70~79歳 12.2 11.0 9.4 9.1 8.3 7.7 6.6 6.4 6.5 5.6 5.6
80歳以上 27.0 20.3 20.9 16.8 15.2 18.2 15.6 15.1 14.7 14.7 13.3
65歳以上(再掲) 10.7 9.9 8.5 8.2 7.3 7.4 6.8 6.4 6.4 5.8 5.8

注 警察庁資料による。


第1-24図 法令違反別(第1当事者)死亡事故発生件数(平成27年)

第1-25図 当事者別(第1当事者)死亡事故発生件数(平成27年)

(9)飲酒運転による交通事故発生状況

平成27年中の自動車等の運転者(第1当事者)の飲酒運転による交通事故件数は3,864件で,前年に比べると291件減少した。交通死亡事故発生件数は201件で,前年と比べると26件減少した。

飲酒運転による死亡事故は,平成14年以降,累次の飲酒運転の厳罰化,飲酒運転根絶の社会的気運の高まりにより,大幅に減少してきたが,20年以後は減少幅が縮小している(第1-26図)。


第1-26図 自動車又は原動機付自転車運転者(第1当事者)の飲酒運転による交通事故件数,交通死亡事故件数の推移

(10)シートベルト着用の有無別死者数

平成27年中の自動車乗車中の交通事故死者数をシートベルト着用の有無別にみると,非着用は558人で,前年に比べて47人(7.8%)減少した(第1-27図)。

これまでシートベルト着用者率の向上が自動車乗車中の死者数の減少に大きく寄与していたが,近年はシートベルト着用率が伸び悩んでいる(第1-28図)。

平成27年中のシートベルト着用有無別の致死率をみると、非着用のち私立は着用の13.9倍と高くなっている(第1-29図)。


第1-27図 自動車乗車中におけるシートベルト着用有無別死者数の推移

第1-28図 自動車乗車中におけるシートベルト着用率等の推移

第1-29図 自動車乗車中におけるシートベルト着用有無別致死率(平成27年)

(11)チャイルドシート使用の有無別死傷者数

平成27年中の6歳未満幼児の自動車同乗中の死者数は,9人(うちチャイルドシート使用は1人)であり,重傷者数は78人であった(第1-30図)。

チャイルドシートの使用者率(6歳未満幼児の自動車同乗中死傷者に占めるチャイルドシート使用の死傷者の割合)は75.2%であり,前年と比較すると0.2%減少したが,近年は漸増傾向にある。また,6歳未満幼児の自動車同乗中の死亡重傷率は,10年前の1.50%から1.14%に低下している(第1-31図)。

平成27年中のチャイルドシート使用有無別の死亡重傷率をみると,不使用は使用の2.5倍,致死率をみると,不使用は使用の25.7倍となる(第1-32図)。


第1-30図 自動車同乗中におけるチャイルドシート使用有無別6歳未満死者・重傷者の推移

第1-31図 6歳未満自動車同乗中のチャイルドシート使用者率,致死率及び死亡重傷率の推移

第1-32図 自動車同乗中におけるチャイルドシート使用有無別6歳未満致死率及び死亡重傷率(平成27年)

(12)横断中の交通死亡事故における法令違反の有無

類型別交通死亡事故のうち,他に比べ余り減っていない横断中死亡事故(第1-8図)については,横断者の側に何らかの法令違反があった割合が63.8%(平成27年中)と多くを占めている(第1-33図)。また,何らかの法令違反のあった横断中死者(歩行者)数を年齢層別にみると(平成27年中),高齢者は,全年齢層の平均を超えている(第1-34図)。平成27年中の横断中死者(歩行者)の法令違反の状況をみると,65歳以上においては,他の年齢層と比較して,車両等の直前直後横断が特に多い(第1-35図)。


第1-33図 横断中死者(歩行者)の違反有無別割合(第1・2当事者)(平成27年)

第1-34図 年齢層別人口10万人当たり法令違反のあった横断中死者(歩行者)数(第1・2当事者)(平成27年)

第1-35図 年齢層別横断中死者(歩行者)(第1・2当事者)の法令違反の状況(平成27年)
3 高速自動車国道等における交通事故発生状況

(1)概況

平成27年中の高速自動車国道等(高速自動車国道及び指定自動車専用道路(道路交通法第110条第1項の規定により国家公安委員会が指定する自動車専用道路)をいう。以下同じ。)における交通事故発生件数は9,842件(うち交通死亡事故200件)で,これによる死者数は215人,負傷者数は1万7,129人であった(第1-36図)。

前年に比べると,交通事故発生件数及び負傷者数は減少したが,死者数は11人(5.4%)増加した。


第1-36図 高速自動車国道等における交通事故発生状況の推移

(2)死亡事故率

高速自動車国道等は自動車専用の道路であり,原則として平面交差がないことなどから事故率は低く,高速自動車国道についてみれば,平成27年で1億走行台キロ当たりの交通事故発生件数は6.2件である。

しかし,高速自動車国道等は高速走行となるため,わずかな運転ミスが交通事故に結びつきやすく,事故が発生した場合の被害も大きく,関係車両や死者も多数に及ぶ重大事故に発展することが多い。このため,死亡事故率は,その他の道路の約2.8倍である。

(3)事故類型別及び法令違反別発生状況

平成27年中の高速自動車国道等における事故類型別交通事故発生状況をみると,車両相互の事故の割合(91.4%)が最も高い。車両単独事故の割合(7.5%)は,全ての道路(3.0%)と比較して高くなっている。

車両相互の事故では,車線上の停止車への追突が最も多く,次いで走行車への追突が多くなっている。

車両単独の事故では,防護さく等への衝突が最も多く,次いで中央分離帯への衝突が多くなっている。また,法令違反別発生状況をみると,安全運転義務違反が93.5%を占めており,その内容は前方不注意(44.4%),動静不注視(24.7%),安全不確認(12.0%),ブレーキ操作不適(4.9%)が多い。

(4)昼夜別交通事故発生状況

平成27年中の高速自動車国道等における昼夜別交通事故発生状況をみると,交通事故全体では昼間の発生(71.0%)が夜間の発生(29.0%)の約2.4倍となっているが,交通死亡事故でみると,夜間の発生(57.5%)が昼間の発生(42.5%)の約1.4倍となっており,死亡事故率では夜間(4.0%)が昼間(1.2%)の約3.3倍となっている。

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