第1編 陸上交通 第1部 道路交通 第1章 道路交通事故の動向
第2節 平成28年中の道路交通事故の状況

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第1編 陸上交通

第1部 道路交通

第1章 道路交通事故の動向

第2節 平成28年中の道路交通事故の状況
1 概況

平成28年中の交通事故発生件数は49万9,201件で,これによる死者数は3,904人,負傷者数は61万8,853人であり(死傷者数は62万2,757人),負傷者数のうち,重傷者数は3万7,356人(6.0%),軽傷者数は58万1,497人(94.0%)であった。

前年と比べると,発生件数は3万7,698件(7.0%),死者数は213人(5.2%),負傷者数は4万7,170人(7.1%)減少し(死傷者数は4万7,383人(7.1%)減少),負傷者数のうち,重傷者数については1,603人(4.1%),軽傷者数については4万5,567人(7.3%)減少した。

交通事故発生件数及び負傷者数は12年連続で減少し,死者数も減少傾向にあり,昭和24年以来67年ぶりに4千人を下回った。

高齢者の人口10万人当たりの交通事故死者数は引き続き減少しているものの,交通事故死者のうち高齢者は2,138人であり,その占める割合は,過去最高の54.8%となった(第1-4図及び第1-5図)。

第1-4図 高齢者及び高齢者以外の交通事故死者数の推移
第1-5図 人口10万人当たりの高齢者及び高齢者以外の交通事故死者数の推移

また,致死率については,4年連続で上昇しているが,この背景には,他の年齢層に比べて致死率が約6倍高い高齢者の人口が増加している一方,その他の年齢層の人口は減少傾向にあることが挙げられる(第1-6図)。

第1-6図 致死率及び死者数の推移
2 交通死亡事故等の特徴

(1)事故類型別交通死亡事故件数及び交通事故件数

平成28年中の交通死亡事故件数を事故類型別にみると,正面衝突等(1,191件,構成率31.4%)が最も多く,次いで横断中(940件,構成率24.8%),出会い頭衝突(490件,構成率12.9%)の順で多くなっており,この3類型を合わせると全体の69.2%を占めている(第1-7図)。過去10年間の交通死亡事故件数(人口10万人当たり)を事故類型別にみると,いずれも減少傾向にあるが,人対車両その他に係る交通死亡事故は他に比べ余り減っていない(第1-8図)。

※事故原因が類似する正面衝突,路外逸脱,工作物衝突をまとめたもの。

第1-7図 事故類型別交通死亡事故件数(平成28年)
第1-8図 事故類型別人口10万人当たり交通死亡事故件数の推移
(件/人口10万人) 18年 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 28年 構成率 増減率(H18年比)
正面衝突等 1.45 1.27 1.08 1.07 1.05 0.97 0.89 1.00 0.95 0.92 0.94 31.4% -35.4%
横断中 1.16 1.10 0.97 0.94 0.97 0.92 0.90 0.85 0.81 0.82 0.74 24.8% -36.3%
出会い頭衝突 0.80 0.75 0.70 0.60 0.59 0.53 0.49 0.43 0.43 0.45 0.39 12.9% -52.0%
人対車両
その他
0.41 0.39 0.36 0.36 0.35 0.37 0.34 0.32 0.33 0.34 0.29 9.6% -30.5%
右・左折時 0.31 0.28 0.28 0.27 0.25 0.23 0.25 0.22 0.20 0.20 0.19 6.4% -38.7%
追突 0.27 0.23 0.21 0.19 0.21 0.24 0.20 0.18 0.18 0.16 0.16 5.4% -41.0%

注 1  警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 「 人対車両その他」とは,対面通行,背面通行,路上横臥等をいう。
3 「 正面衝突等」とは正面衝突,路外逸脱,工作物衝突をまとめたものをいう。
4  算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」(補間補正前人口)又は「国勢調査」による。

また,28年中の交通事故件数を事故類型別にみると,追突(184,567件,構成率37.0%)が最も多く,次いで出会い頭衝突(120,679件,構成率24.2%)が多くなっており,両者を合わせると全体の61.1%を占めている(第1-9図)。過去10年間の交通事故件数(人口10万人当たり)を類型別にみると,いずれも減少傾向にあるが,横断中,人対車両その他及び追突に係る交通事故は他に比べ余り減っていない(第1-10図)。

第1-9図 事故類型別交通事故件数(平成28年)
第1-10図 事故類型別人口10万人当たり交通事故件数の推移
(件/人口10万人) 17年 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 28年 構成率 増減率(17年比)
横断中 36.0 34.8 32.7 32.6 32.2 32.2 29.8 28.7 27.0 25.3 24.9 23.5 6.0% -32.6%
人対車両その他 26.7 25.8 24.6 22.7 21.6 21.7 21.1 21.0 20.4 19.1 18.4 17.1 4.3% -33.8%
追突 230.6 221.9 204.3 187.3 182.7 184.3 179.9 181.3 176.8 163.0 154.9 145.2 37.0% -34.5%
出会い頭衝突 193.4 182.5 175.7 163.0 156.1 152.0 141.2 131.6 122.4 110.6 102.9 95 24.2% -48.0%
右・左折時衝突 100.1 94.5 91.7 83.1 79.6 77.0 71.7 67.4 62.2 56.8 52.5 48.5 12.4% -48.7%
正面衝突等 42.7 38.7 33.7 30.3 28.6 26.9 25.0 23.0 20.8 17.9 15.7 14 3.6% -63.7%

注 1  警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 「 人対車両その他」とは,対面通行,背面通行,路上横臥等をいう。
3 「 正面衝突等」とは正面衝突,路外逸脱,工作物衝突をまとめたものをいう。
4  算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」(補間補正前人口)又は「国勢調査」による。

(2)状態別交通事故死者数及び負傷者数

平成28年中の交通事故死者数を状態別にみると,歩行中(1,361人,構成率34.9%)が最も多く,次いで自動車乗車中(1,338人,構成率34.3%)が多くなっており,両者を合わせると全体の69.1%を占めている(第1-11図)。過去10年間の交通事故死者(人口10万人当たり)を状態別にみると,いずれも減少傾向にあるが,自動二輪車乗車中の交通事故死者は他に比べ余り減っていない(第1-12図)。

第1-11図 状態別交通事故死者数(平成28年)
第1-12図 状態別人口10万人当たり交通事故死者数の推移
(人/人口10万人) 平成17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 28年 増減率
(H17年比)
自動車乗車中 2.15 1.87 1.59 1.35 1.28 1.28 1.15 1.12 1.11 1.08 1.04 1.05 -43.6%
自動二輪車乗車中 0.47 0.47 0.44 0.44 0.41 0.41 0.40 0.36 0.37 0.35 0.35 0.36 -22.4%
原付乗車中 0.46 0.41 0.37 0.33 0.29 0.28 0.27 0.26 0.23 0.20 0.18 0.18 -57.3%
自転車乗用中 0.67 0.64 0.59 0.57 0.56 0.52 0.50 0.44 0.47 0.42 0.45 0.4 -37.8%
歩行中 1.67 1.62 1.54 1.37 1.35 1.37 1.33 1.28 1.25 1.18 1.21 1.07 -34.0%

注  1  警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」又は「国勢調査」による。

また,28年中の交通事故負傷者数を状態別にみると,自動車乗車中(412,750人,構成率66.7%)が最も多い(第1-13図)。過去10年間の交通事故負傷者数(人口10万人当たり)を状態別にみると,いずれも減少傾向にあるが,歩行中の負傷者は他に比べ余り減っていない(第1-14図)。

第1-13図 状態別交通事故負傷者数(平成28年)
第1-14図 状態別人口10万人当たり交通事故負傷者数の推移
(人/人口10万人) 平成18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 28年 増減率
(18年比)
自動車乗車中 541.9 502.4 454.0 440.6 438.6 420.1 415.7 400.1 366.7 348.1 324.8 -40.1%
自動二輪車乗車中 46.5 46.1 41.7 40.2 37.9 35.5 33.5 31.5 28.3 26.0 24.5 -47.3%
原付乗車中 72.9 68.9 61.0 56.1 53.2 48.0 43.1 38.7 33.6 29.3 25.7 -64.7%
自転車乗用中 136.8 134.1 127.1 121.9 118.4 111.8 102.7 94.1 84.8 76.5 70.5 -48.5%
歩行中 61.0 57.6 55.8 54.1 54.2 51.3 50.2 47.8 44.9 43.6 40.9 -32.9%

注  1  警察庁資料による。ただし,「その他」は省略してある。
2 算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」(補間補正前人口)又は「国勢調査」による。

(3)年齢層別交通事故死者数及び負傷者数

平成28年中の交通事故死者数を年齢層別にみると,各層人口10万人当たりでは,80歳以上(9.6人)が最も多く,次いで70~79歳(5.7人),60~69歳(3.2人)の順で多くなっており(第1-15図),この3つの年齢層の死者数を合わせると全体の60.5%を占めている(第1-16図)。65歳以上の高齢者の人口10万人当たりの死者数は引き続き減少しているものの(第1-5図),交通事故死者数に占める高齢者の割合が過去最も高く(54.8%)なった(第1-16図)。過去10年間の交通事故死者数(人口10万人当たり)を年齢層別にみると,最も減少が緩やかな40~49歳の年齢層についても,平成18年と比較して4割程度の減少となっている(第1-15図)。

第1-15図 年齢層別人口10万人当たり交通事故死者数の推移
(人/人口10万人) 平成18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 28年 増減率
(18年比)
9歳以下 0.9 0.8 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 -46.7%
10~19歳 3.3 2.9 2.5 2.2 2.0 1.9 1.7 1.7 1.6 1.5 1.4 -56.3%
20~29歳 4.6 4.2 3.4 3.3 3.3 3.1 2.7 2.7 2.4 2.3 2.4 -48.2%
30~39歳 3.0 2.6 2.3 2.0 2.1 1.9 1.9 1.7 1.6 1.7 1.7 -41.5%
40~49歳 3.0 2.9 2.6 2.4 2.5 2.4 2.3 2.3 2.1 2.0 1.9 -35.4%
50~59歳 4.3 3.5 3.1 3.0 3.0 3.0 2.8 2.7 2.7 2.8 2.5 -42.4%
60~69歳 6.2 5.3 5.0 4.7 4.4 4.0 3.7 3.9 3.8 3.4 3.2 -47.8%
70~79歳 11.2 10.4 9.0 8.8 8.9 8.0 7.5 7.6 6.5 6.6 5.7 -48.7%
80歳以上 15.5 14.6 13.3 12.6 12.0 11.2 11.0 10.0 9.7 10.0 9.6 -38.0%
65歳以上(再掲) 11.1 10.3 9.2 8.8 8.6 7.8 7.7 7.5 6.9 6.8 6.3 -42.7%
全年齢層 5.0 4.5 4.1 3.9 3.9 3.7 3.5 3.4 3.2 3.2 3.1 -38.8%

注 1  警察庁資料による。
2  算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」(補間補正前人口)又は「国勢調査」による。

また,28年中の交通事故負傷者数を年齢層別にみると,各層人口10万人当たりでは,20~29歳(842.2人)が最も多く,次いで30~39歳(698.1人),40~49歳(631.7人)が多くなっており(第1-17図),この3つの年齢層の負傷者数を合わせると全体の54.0%を占めている(第1-18図)。過去10年間の交通事故負傷者数を年齢層別(人口10万人当たり)でみると,40~49歳及び50~59歳の年齢層では他に比べ余り減っていない(第1-17図)。

第1-16図 年齢層別交通事故死者数の推移)
28年
死者数 構成率
9歳以下 51 1.3%
10~19歳 169 4.3%
20~29歳 301 7.7%
30~39歳 274 7.0%
40~49歳 360 9.2%
50~59歳 388 9.9%
60~69歳 594 15.2%
70~79歳 811 20.8%
80歳以上 956 24.5%
65歳以上 (再掲) 2,138 54.8%

注 警察庁資料による

第1-17図 年齢層別人口10万人当たり交通事故負傷者数の推移
(人/人口10万人) 平成18 19 20 21 22 23 24 25 26 27年 28年 増減率(18年比)
9歳以下 386.6 371.4 340.0 319.6 305.4 293.0 279.0 266.0 236.2 224.1 211.8 -45.0%
10~19歳 901.1 873.9 798.1 761.7 750.0 701.5 660.1 613.1 542.1 491.7 450.5 -49.8%
20~29歳 1,526.2 1,407.3 1,260.0 1,211.3 1,199.6 1,170.1 1,134.0 1,075.9 975.7 909.4 842.2 -44.6%
30~39歳 1,151.5 1,051.6 966.3 934.9 931.8 880.5 869.1 834.4 777.7 749.4 698.1 -39.1%
40~49歳 928.7 902.9 844.9 834.1 841.9 818.0 804.6 772.1 714.1 668.9 631.7 -31.7%
50~59歳 806.3 729.4 667.6 645.5 648.3 626.1 624.0 608.0 569.1 548.9 513.6 -36.1%
60~69歳 675.9 668.7 625.0 608.0 581.4 533.4 510.6 483.1 436.7 411.5 382 -43.3%
70~79歳 521.8 510.0 475.7 464.0 457.1 431.5 414.5 388.6 353.8 327.8 299.3 -42.4%
80歳以上 295.1 285.1 264.2 258.8 249.0 233.7 222.0 213.2 197.9 184.0 176.3 -40.1%
65歳以上(再掲) 504.8 487.3 450.1 439.8 420.6 388.0 379.4 361.5 329.7 307.6 284.9 -43.4%
全年齢層 859.8 809.8 740.2 713.6 702.9 667.4 645.9 612.9 558.8 524.1 486.9 -43.4%

注 1  警察庁資料による。
2 算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」(補間補正前人口)又は「国勢調査」による。

第1-18図 年齢層別交通事故負傷者数の推移
28年
負傷者数 構成率
9歳以下 21,872 3.5%
10~19歳 52,592 8.5%
20~29歳 106,325 17.2%
30~39歳 110,396 17.8%
40~49歳 117,575 19.0%
50~59歳 80,248 13.0%
60~69歳 69,949 11.3%
70~79歳 42,324 6.8%
80歳以上 17,572 2.8%
65歳以上 (再掲) 96,487 15.6%

注 警察庁資料による。

(4)年齢層・状態別人口10万人当たり交通事故死者数(平成28年)

状態別でみた過去10年間の交通事故死者数(人口10万人当たり)の推移については,いずれも減少傾向にあるが(第1-12図),平成28年の歩行中死者(人口10万人当たり)については,高齢者で多く,特に80歳以上(5.27人)では全年齢層(1.07人)の約5倍の水準となっている(第1-12図及び第1-19図)。

第1-19図 年齢層・状態別人口10万人当たり交通事故死者数(平成28年)
9歳以下 10~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70~79歳 80歳以上
歩行中 0.28 0.12 0.3 0.31 0.33 0.61 1.07 2.49 5.27
自転車乗用中 0.08 0.19 0.08 0.11 0.16 0.31 0.49 0.99 1.46
原付乗車中 0 0.18 0.13 0.11 0.12 0.19 0.25 0.27 0.34
自動二輪車乗車中 0 0.42 0.73 0.52 0.6 0.46 0.18 0.08 0.09
自動車乗車中 0.14 0.54 1.15 0.69 0.72 0.9 1.26 1.88 2.38

(5)年齢層・状態・男女別交通事故死者数(平成28年)

交通事故死者を年齢層・状態・男女別にみると,16~24歳の女性では自動車乗車中,65歳以上の女性では歩行中の占める割合が高い(第1-20図)。

第1-20図 年齢層・状態・男女別交通事故死者数(平成28年)

(6)昼夜別・状態別交通事故死者数及び負傷者数(平成28年)

交通事故死者数を昼夜別・状態別にみると,原付乗車中(昼間66.1%), 自転車乗用中(昼間63.5%), 自動車乗車中(昼間62.3%),自動二輪車乗車中(昼間60.9%)については昼間の割合が6割以上と高いのに対して,歩行中(夜間68.3%)については,夜間の割合が高くなっている(第1-21図)。

第1-21図 昼夜別・状態別交通事故死者数及び負傷者数(平成28年)

負傷者数を昼夜別・状態別にみると,自転車乗用中(昼間77.6%),自動車乗車中(昼間73.4%),原付乗車中(昼間73.1%),自動二輪車乗車中(昼間68.2%)歩行中(昼間60.2%)といずれも昼間の割合が6割以上と高い。(第1-21図)

(7)道路形状別交通死亡事故発生件数(平成28年)

平成28年中の交通死亡事故発生件数を道路形状別にみると,交差点内(33.7%)が最も多く,次いで一般単路(交差点,カーブ,トンネル,踏切等を除いた道路形状をいう。)(32.6%)が多くなっている(第1-22図)。

第1-22図 道路形状別死亡事故発生件数(平成28年)

(8)第1当事者別の交通死亡事故発生件数(平成28年)

自動車又は原動機付自転車(以下「自動車等」という。)の運転者が第1当事者となる交通死亡事故件数(免許保有者10万人当たり)を年齢層別にみると,16~19歳,80歳以上が他に比べ多くなっており,平成28年中については,16~19歳(13.5件)が最も多く,次いで80歳以上(12.2件)が多くなっている(第1-23図)。

第1-23図 自動車又は原動機付自転車運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり死亡事故件数の推移
17年 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28年
16~19歳 23.7 21.1 20.8 20.4 19.7 15.5 16.9 15.0 16.9 13.8 14.4 13.5
20~29歳 10.4 9.4 8.5 7.6 7.1 6.4 6.7 6.1 5.9 5.4 5.4 4.8
30~39歳 6.5 6.1 5.6 4.8 4.4 4.7 4.2 4.0 3.5 3.4 3.3 3.2
40~49歳 5.7 5.1 4.9 4.4 4.3 4.5 4.2 3.9 3.9 3.7 3.3 3.5
50~59歳 6.4 5.9 5.6 4.6 4.6 4.5 4.1 3.9 3.6 3.8 3.9 3.5
60~69歳 6.3 6.5 5.1 4.8 4.5 4.8 4.5 4.1 4.3 3.8 3.8 3.7
70~79歳 12.2 11.0 9.4 9.1 8.3 7.7 6.6 6.4 6.5 5.6 5.6 5.4
80歳以上 27.0 20.3 20.9 16.8 15.2 18.2 15.6 15.1 14.7 14.7 13.3 12.2
65歳以上(再掲) 10.7 9.9 8.5 8.2 7.3 7.4 6.8 6.4 6.4 5.8 5.8 5.5

注 警察庁資料による。

平成28年中の交通死亡事故発生件数を法令違反別(第1当事者)にみると,安全運転義務違反が55.0%を占め,中でも漫然運転(15.9%),運転操作不適(13.2%),脇見運転(11.1%), 安全不確認(9.6%)が多い(第1-24図)。

第1-24図 法令違反別(第1当事者)死亡事故発生件数(平成28年)

当事者別(第1当事者)にみると,自家用乗用車(51.7%)及び自家用貨物車(16.9%)で全体の約7割を占めている(第1-25図)。

第1-25図 当事者別(第1当事者)死亡事故発生件数(平成28年)

(9)飲酒運転による交通事故発生状況(平成28年)

平成28年中の自動車等の運転者(第1当事者)の飲酒運転による交通事故件数は3,757件で,前年に比べると107件減少した。飲酒運転による死亡事故は,平成14年以降,累次の飲酒運転の厳罰化,飲酒運転根絶の社会的気運の高まりにより,大幅に減少してきたが,20年以後はその減少幅が縮小していた。平成28年の交通死亡事故発生件数は213件と前年と比べて12件増加した(第1-26図)。

第1-26図 自動車又は原動機付自転車運転者(第1当事者)の飲酒運転による交通事故件数及び交通死亡事故件数の推

(10)シートベルト着用の有無別死者数(平成28年)

平成28年中の自動車乗車中の交通事故死者数をシートベルト着用の有無別にみると,非着用は558人で,前年と同数であった。これまでシートベルト着用者率の向上が自動車乗車中の死者数の減少に大きく寄与していたが,近年はシートベルト着用者率が伸び悩んでいる。平成28年中のシートベルト着用者率は94.4%と高い水準にあり,自動車乗車中の交通事故死者数をシートベルト着用有無別にみると,シートベルト着用者数はシートベルト非着用者数の1.3倍になっているが,平成28年中のシートベルト着用有無別の致死率をみると,非着用の致死率は着用の14.5倍と高くなっている(第1-27図,第1-28図及び第1-29図)。

第1-27図 自動車乗車中におけるシートベルト着用有無別死者数の推移
第1-28図 自動車乗車中におけるシートベルト着用者率及び致死率の推移
第1-29図 自動車乗車中におけるシートベルト着用有無別致死率(平成28年)

(11)チャイルドシート使用の有無別死傷者数

平成28年中の6歳未満幼児の自動車同乗中の死者数は,9人(うちチャイルドシート使用は2人)であり,重傷者数は74人であった(第1-30図)。

第1-30図 自動車同乗中におけるチャイルドシート使用有無別6歳未満死者数及び6歳未満重傷者数の推移

チャイルドシートの使用者率(6歳未満幼児の自動車同乗中死傷者に占めるチャイルドシート使用の死傷者の割合)は75.2%であり,前年と同数であった。また,6歳未満幼児の自動車同乗中の死亡重傷率は, 10年前の1.48%から1.14%に低下している(第1-31図)。

第1-31図 自動車同乗中における6歳未満チャイルドシート使用者率,致死率及び死亡重傷率の推移

平成28年中のチャイルドシート使用有無別の死亡重傷率をみると,不使用は使用の3.4倍,致死率をみると,不使用は使用の11.5倍となる(第1-32図)。

第1-32図 自動車同乗中におけるチャイルドシート使用有無別6歳未満致死率及び死亡重傷率(平成28年)

(12)横断中の交通死亡事故における法令違反の有無

類型別交通死亡事故のうち,横断中死亡事故については減少傾向にあるものの(第1-8図),横断者の側に何らかの法令違反があった割合が61.8%(平成28年中)と多くを占めている(第1-33図)。また,何らかの法令違反のあった横断中死者(歩行者)数を年齢層別にみると(平成28年中),高齢者は,全年齢層に比べて多くなっている(第1-34図)。平成28年中の横断中死者(歩行者)の法令違反の状況をみると,65歳以上においては,他の年齢層と比較して,車両等の直前直後横断が特に多い(第1-35図)。

第1-33図 横断中死者(歩行者)の法令違反有無別割合(第1・2当事者)(平成28年)
第1-34図 年齢層別人口10万人当たり法令違反有無別横断中死者(歩行者)数(第1・2当事者)(平成28年)
第1-35図 年齢層別横断中死者(歩行者)(第1・2当事者)の法令違反の状況(平成28年)
3 高速道路における交通事故発生状況

(1)概況

平成28年中の高速道路(高速自動車国道法(昭32法79)第4条第1項に規定する高速自動車国道及び道路交通法(昭35法105)第110条第1項の規定により国家公安委員会が指定する自動車専用道路をいう。以下同じ。)における交通事故発生件数は9,198件(うち交通死亡事故176件)で,これによる死者数は196人,負傷者数は1万6,092人であった(第1-36図)。

第1-36図 高速道路における交通事故発生状況の推移

前年と比べると,交通事故発生件数及び負傷者数は減少し,死者数も19人(8.8%)減少した。

(2)死亡事故率

高速道路は,歩行者や自転車の通行がなく,原則として平面交差がないものの,高速走行となるため,わずかな運転ミスが交通事故に結びつきやすく,また,事故が発生した場合の被害も大きくなり,関係車両や死者が多数に及ぶ重大事故に発展することが多い。そのため,高速道路における死亡事故率(1.9%)は,一般道路における死亡事故率(0.7%)に比べ2倍以上となっている。

(3)事故類型別及び法令違反別発生状況

平成28年中の高速道路における事故類型別交通事故発生状況をみると,車両相互の事故の割合(91.4%)が最も高く,中でも追突(74.8%)が多い。車両単独事故の割合(7.5%)は,一般道路(2.7%)と比較して高くなっており, 防護柵等への衝突が最も多く,次いで中央分離帯への衝突が多くなっている。また,法令違反別発生状況をみると,安全運転義務違反が93.0%を占めており,その内容は前方不注意(43.4%),動静不注視(24.9%),安全不確認(12.5%)の順となっている。

(4)昼夜別交通事故発生状況

平成28年中の高速道路における昼夜別交通事故発生状況をみると,交通事故全体では昼間の発生(71.8%)が夜間の発生(28.2%)の約2.5倍となっており,交通死亡事故でも,昼間の発生(52.3%)が夜間の発生(47.7%)より多いが,死亡事故率では夜間(3.2%)が昼間(1.4%)を上回っている。(第1-37図及び第1-38図)。

第1-37図 高速道路における交通事故の昼夜別発生状況割合
第1-38図 高速道路における交通死亡事故の昼夜別発生状況割合
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