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軽井沢スキーバス事故を受けた対策について

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平成28年1月15日に発生した軽井沢スキーバス事故により,13人の将来ある若者の命が突然に奪われた。今回のような悲惨な事故を二度と起こさないという強い決意のもと同年6月に「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」をとりまとめた。

軽井沢スキーバス事故

安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策

国土交通省では,事故直後より国土交通大臣を本部長とする対策本部を設置し,特別監査の実施など,緊急に対応するとともに,二度とこのような悲惨な事故を起こさないよう,徹底的な再発防止策について検討するため,有識者からなる「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」を開催し,同年6月3日に総合的な対策をとりまとめた。

【対策の内容】

<1>貸切バス事業者,運行管理者等の遵守事項の強化

<2>法令違反の早期是正,不適格者の排除等

<3>監査等の実効性の向上

<4>旅行業者,利用者等との関係強化

<5>ハード面の安全対策による事故防止の促進

道路運送法改正の概要

総合的な対策のうち,法律上の措置が必要な,貸切バスの事業許可の更新制の導入等を内容とした道路運送法の改正を平成28年の臨時国会で行い,全会一致で可決,成立し,同年12月20日から順次施行している。

<1>事業許可の更新制の導入

» 貸切バス事業者が安全に事業を遂行する能力を有するかどうか5年ごとにチェック

軽井沢スキーバス事故

<2>不適格者の安易な再参入・処分逃れの阻止

» 事業の許可について,

  • 欠格期間の延長(現行:2年 ⇒ 改正後:5年)
  • 許可取消を受けた会社の子会社等,処分逃れを目的として監査後に廃業した者等の参入を制限

» 運行管理者(※)の資格者証の交付について,

  • 欠格期間の延長(現行:2年 ⇒ 改正後:5年)

(※)乗務員の労務管理や車両の日常点検等の運行管理の責任を担う者

» 休廃業を30日前の事前届出へ(現行:事後届出制)

<3>監査機能の補完・自主的改善の促進

» 貸切バス事業者に対して民間指定機関による巡回指導等を行うため,当該機関による貸切バス事業者からの負担金徴収の制度を創設

貸切バス事業者からの負担金徴収の制度

<4>罰則の強化

 » 輸送の安全確保命令に従わないバス事業者に対する法定刑の強化,法人重科の創設

  ( 現行:100万円以下の罰金(違反者・法人)⇒改正後:懲役1年・150万円以下の罰金(違反者),1億円以下の罰金(法人))

総合的な対策の実施状況

総合的な対策に掲げられた再発防止策については,実施可能なものから速やかに実施しているところであるが,平成29年3月31日までに,監査に当たっての処分基準の厳格化,下限割れ運賃を防止するための通報窓口の設置等,総合的な対策に掲げた85項目の対策のうち,80項目が着手済みである。

特に貸切バス事業者に対する監査については,実効性の向上を図るため,次の措置を実施している。

総合的な対策

 » 法令違反が確認された場合,直ちに是正を指示し,30日以内に是正状況確認のため再監査の実施

 » 指摘事項を複数回にわたり是正・改善しない事業者については事業許可取消を含む厳正な処分の実施

 » 適正化実施機関の巡回指導により悪質事業者を洗い出し,国の監査対象を重点化

総合的な対策2

国や貸切バス事業者をはじめとする関係者が「総合的な対策」に盛り込まれた事項を着実に実施していくことが,貸切バスの安全・安心な運行の確保を図るために極めて重要であり,着実にフォローアップを行い,再発防止の取組を徹底していく。

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