第3部 航空交通の安全についての施策
第2節 航空機の安全な運航の確保

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新技術の開発や重大事故の発生を受けて改正が進む国際基準に準拠するため,適切に国際標準を我が国の基準に反映させるとともに,我が国独自の環境の変化に応じた基準整備を適切に進める。

航空会社に対し,専門的・体系的な安全監査を引き続き実施するほか,年末年始の輸送等安全総点検なども活用し安全対策を推進する。また,事業者が社内一丸となった安全管理体制を構築・改善し,国がその実施状況を確認する運輸安全マネジメント制度については,平成28年度で制度導入から10年を経過したことを受け,制度の効果と課題を総括し,今後の展開のあり方について検討を行う。併せて,そのコンセプトを全ての事業者へ普及することを目指すなど,充実強化を図る。

安全を確保しつつ航空ネットワークの充実等を図るためには,操縦士の安定的な供給を確保することが必要であり,このため,(独)航空大学校の養成規模の拡大(平成30年度から)をはじめ,操縦士の養成・確保に向けた各種取組の促進や航空会社の健康管理体制の強化等を行う。

外国航空機の安全性を確保するため,ランプ・インスペクションの充実・強化を図るとともに,外国当局との一層の連携に努める。

小型航空機の安全対策として,平成26年4月より義務付けた操縦士に対する定期的な審査を進めるとともに,各種の安全講習会等の実施により,事故防止のための取組を行う。また,年1回の耐空証明検査時等において,機体の整備状況を確認するとともに,確実な整備の実施を指導する。加えて,平成27年来,小型航空機等による事故が目立って発生していることから,小型航空機等の安全性向上のための総合的な取組として,安全講習会における基本手順を遵守することの重要性の徹底,技能審査の際の運航の安全確保についての指導,整備に関する講習会の新たな開催など,幅広い対策を推進する。さらには,平成28年12月から開催している「小型航空機等に係る安全推進委員会」における議論を踏まえ,小型航空機等のさらなる安全対策についての検討を継続的に進めていく。

国際的な危険物輸送に関する安全基準の整備に対応し,所要の国内基準の整備を図るとともに,危険物の安全輸送に関する講習会等を通じて危険物の適切な取扱いの徹底を推進する。

悪天による航空交通への影響を軽減し,航空機の運航・航空交通流管理を支援する航空気象情報について,更なる精度向上と適時・適切な発表及び関係機関への迅速な提供を実施するための整備を行う。特に,航空機の運航に必要な空港の気象状況を観測する装置の高度化を進める。また,東京国際空港において,航空機の離着陸に多大な影響を及ぼす低層ウィンドシアー(大気下層の風の急激な変化)を検知する空港気象ドップラーライダーの更新整備を行う。加えて,航空機の火山灰被害を防止・軽減するために,静止気象衛星「ひまわり8号・9号」を用いた新たな火山灰検出手法を導入し,火山灰監視の精度向上を目指す。

  1. 安全な運航の確保等に係る運航基準等の整備
  2. 運輸安全マネジメント評価の実施
  3. 乗員政策の推進
  4. 外国航空機の安全性の確保
  5. 小型航空機等に係る安全対策の推進
  6. 危険物輸送安全対策の推進
  7. 航空交通に関する気象情報等の充実
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