II 計画の概要
第3部 航空交通の安全についての施策

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第3部 航空交通の安全についての施策

1 航空安全プログラムの更なる推進

我が国民間航空の安全性を向上するため,国が安全指標及び安全目標を設定してリスクを管理するとともに,義務報告制度・自発報告制度等による安全情報の収集・分析・共有等を行うことで,航空安全対策を更に推進する。

  1. 業務提供者におけるSMS(安全管理システム)の強化
  2. 安全基準の策定・見直し等
  3. 業務提供者に対する監査等の強化
  4. 安全情報の収集・分析等
  5. 安全文化の醸成及び安全監督の強化

2 航空機の安全な運航の確保

航空会社に対し,専門的・体系的な安全監査を引き続き実施するほか,年末年始の輸送等安全総点検なども活用し安全対策を推進する。また,事業者が社内一丸となった安全管理体制を構築・改善し,国がその実施状況を確認する運輸安全マネジメント制度については,従来全ての事業者を評価対象として制度の浸透を図ってきており,今後とも更なる実効性向上を目指し,充実強化を図る。

安全を確保しつつ航空ネットワークの充実等を図るためには,操縦士の安定的な供給を確保することが必要であり,このため,(独)航空大学校の養成規模の拡大(平成30年度から)や私立大学等民間養成機関の操縦士養成課程の学生に対する無利子貸与奨学金事業(30年度から)をはじめ,操縦士の養成・確保に向けた各種取組の促進や航空会社の健康管理体制の強化等を行う。

平成29年9月に発生した航空機からの落下物事案を踏まえ,30年度に航空会社が遵守すべき落下物防止策基準を策定するなど落下物防止対策を強化する。

外国航空機の安全性を確保するため,ランプ・インスペクションの充実・強化を図るとともに,外国当局との一層の連携に努める。

小型航空機の安全対策として,平成26年4月より義務付けた操縦士に対する定期的な審査を進めるとともに,各種の安全講習会等の実施により,事故防止のための取組を行う。また,年1回の耐空証明検査時等において,機体の整備状況を確認するとともに,確実な整備の実施を指導する。加えて,27年来,小型航空機等による事故が目立って発生していることから,小型航空機等の安全性向上のための総合的な取組として,安全講習会における基本手順を遵守することの重要性の徹底,技能審査の際の運航の安全確保についての指導,整備に関する講習会の新たな開催など,幅広い対策を推進する。さらには,28年12月から開催している「小型航空機等に係る安全推進委員会」における議論を踏まえ,新技術の活用等,小型航空機等のさらなる安全対策についての検討を継続的に進めていく。

悪天による航空交通への影響を軽減し,航空機の運航・航空交通流管理を支援する航空気象情報について,更なる精度向上と適時・適切な発表及び関係機関への迅速な提供を実施するための整備を行う。特に,航空機の運航に必要な空港の気象状況を観測する装置の高度化を進める。また,新しいスーパーコンピュータの運用を開始し,精密な数値予報モデルの更なる高度化を図ることにより,飛行場予報をはじめ,きめ細かな航空気象情報の作成を支援する。加えて,航空機の離着陸に多大な影響を及ぼす低層ウィンドシアー(大気下層の風の急激な変化)を検知する空港気象ドップラーライダーを関西国際空港において,空港気象ドップラーレーダーを那覇空港において,それぞれ更新整備を行う。

  1. 安全な運航の確保等に係る運航基準等の整備
  2. 運輸安全マネジメント評価の実施
  3. 乗員政策の推進
  4. 落下物防止対策の強化
  5. 外国航空機の安全性の確保
  6. 小型航空機等に係る安全対策の推進
  7. 危険物輸送安全対策の推進
  8. 航空交通に関する気象情報等の充実

3 航空機の安全性の確保

航空機及び装備品の安全性に関する技術基準等を整備するとともに,航空機の検査及び整備審査を的確に実施することにより,航空機の安全性を確保する。

さらには,国産ジェット旅客機について,その安全性を確保するため,設計・製造国政府として,型式証明の審査等を着実に実施するとともに,運航開始後も安全性が維持・継続されるよう,的確に対応する。

  1. 航空機,装備品等の安全性を確保するための技術基準等の整備
  2. 航空機の検査の的確な実施
  3. 航空機の運航・整備体制に係る的確な審査の実施
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