第1編 陸上交通 第2部 鉄道交通 第1章 鉄道交通事故の動向
第1編 陸上交通
第2部 鉄道交通 第1章 鉄道交通事故の動向
第1章鉄道交通事故の動向
1 近年の運転事故の状況
鉄道交通における運転事故※は,長期的には減少傾向にあり,平成10年に949件であったものが,20年には852件,30年には676件で,30年は前年比1.5%減であった(第1-43図)。
事故種類別にみると, 踏切障害が247件(36.5%),人身障害389件(57.5%),道路障害23件(3.4%)であった(第1-29表)。
運転事故による死者数は273人で前年比4.9%減であり,乗客の死者数はゼロであった(第1-43図及び第1-29表)。
区分 | 列車事故 | その他の事故 | 合計 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
列車衝突 | 列車脱線 | 列車火災 | 小計 | 踏切障害 | 道路障害 | 人身障害 | 物損 | 小計 | ||
件数(件) | 5 | 6 | 0 | 11 | 247 | 23 | 389 | 6 | 665 | 676 |
死傷者(人) | 2 | 0 | 0 | 2 | 161 | 8 | 392 | 561 | 563 | |
2 平成30年中の列車事故の状況
列車事故(運転事故のうち列車衝突事故,列車脱線事故及び列車火災事故をいう。)は,11件(運転事故件数の1.6%)であり,前年比5件減であった。
3 平成30年中の踏切事故の状況
踏切事故※は,踏切保安設備の整備等により,長期的には減少傾向にある。平成30年は247件で前年比4.2%増であったが,踏切事故による死者数は97人で前年比4.0%減であった(第1-44図)。
衝撃物別にみると,自動車と衝突した事故が38.5%,歩行者と衝突した事故が38.5%であった(第1-45図)。
また,第1種踏切道での事故件数が83.8%を占めているが,踏切道100か所当たりでは第1種踏切道が第3,4種踏切道の合計件数より少なくなっている(第1-30表)。
踏切道 | 踏切道数 | 件数 | 構成率 (踏切道) |
100か所当たり の事故件数 |
---|---|---|---|---|
か所 | 件 | % | 件 | |
計 | 33,250 | 247 | 100.0 | 0.74 |
(参考) 第3,4種 計 |
3,449 | 40 | 10.4 | 1.16 |
4 人身障害事故の発生状況
平成30年の人身障害事故は389件で前年比2.1%増,死者数は176人で前年比5.4%減,このうちホームから転落して又はホーム上で,列車と接触して死傷する事故(ホーム事故)は,30年は191件で前年比13件(7.3%)増であり,ホーム事故による死者数は36人で前年比6人(20.0%)増であった(第1-46図)。
なお,ホーム事故は,酔客による事故件数が53.4%を占めている。
5 平成30年中の鉄道交通における重大事故の発生状況
平成30年に死傷者が10名以上又は脱線車両が10両以上生じた事故は無かった。