交通安全白書の刊行に当たって
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内閣府特命担当大臣
中央交通安全対策会議交通対策本部長
交通安全白書は,昭和45年に施行された「交通安全対策基本法」に基づき,毎年国会に提出している年次報告です。今回は昭和46年から数え,49回目となります。
平成30年中に道路交通事故の発生から24時間以内に亡くなられた方は, 3,532人と,現行の交通事故統計となった昭和23年以降で最少であった前年を更に下回りました。また,交通事故発生件数及び負傷者数はともに14年連続で減少いたしました。しかしながら,いまだ多くの尊い命が交通事故で失われており,依然として厳しい状況が続いています。また,高齢運転者による交通事故防止対策は,政府を挙げて取り組むべき重要な課題となっています。
こうした中,政府は,第10次交通安全基本計画において令和2年までに24時間死者数を2,500人以下とし,世界一安全な道路交通を実現するという目標を掲げ,総合的な交通安全対策を推進しております。
本年の白書では,「交通安全対策の歩み」と題した特集を設けました。道路交通事故による死者数が三分の一になるなど,交通事故が大きく減少した平成の30年間の交通事故動向を,人,車両,道路の側面からデータに基づき紹介しています。
交通事故の防止は,国を挙げて取り組むべき重要な課題であり,世界一安全な道路交通を実現するために,平成の時代に培われた「人優先」の交通安全思想を次世代に伝えていくことが基本であり,究極的には交通事故のない社会を目指していかなければなりません。このためには,国民の皆様に交通安全についての御理解と御関心を深めていただくことが大切です。本書が多くの方々に利用され,悲惨な交通事故の根絶に向けた取組の一助となることを願っております。
令和元年7月
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