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無人航空機に関する航空法の許可・承認状況と今後の環境整備について

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許可・承認状況

無人航空機の飛行する空域や飛行方法などの基本的なルールを定めた改正航空法が平成27年12月に施行され,30年度には2万8,855件の許可・承認を行った。28年度は月平均1,100件,29年度は月平均1,650件,30年度においては月平均3,075件の申請を受け付けており,ドローンの申請件数が拡大している。許可・承認項目別では,人口集中地区(DID)上空での飛行や人又は物件との間の一定距離(30メートル)を確保できない飛行に係るものが多数を占めており,飛行の目的別では,空撮,測量,インフラ点検,事故・災害対応等の順に多くなっている。

目的別許可承認状況(平成30年度)。空撮(36%)、測量(12%)、インフラ点検・保守(12%)、事故・災害対応等(11%)報道取材(6%)農林水産(5%)、その他(18%)
項目別許可・承認件数(平成30年度)。空港等周辺(696件)、150m以上(1,964件)、DID(23,011件)、夜間(13,796件)、目視外(15,386件)、30m以内(23,822件)、催し(1,230件)、危険物輸送(901件)、物件投下(1,230件)
申請件数の推移。12月前後は件数が少なくなるが、年々増加している

今後の環境整備

関係府省庁,メーカー,利用者等の団体から構成される「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」において2020年代前半の有人地帯での目視外飛行等を見据えた「空の産業革命に向けたロードマップ2018 ~小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備~」が,平成30年6月15日に改訂された。また,無人航空機の普及が著しいことや,目視外(補助者無し)飛行の本格化を迎えている段階にあることから,事故の防止・抑制をあらかじめ強化しておくことが必要であるため,30年10月以降,「小型無人機の更なる安全確保のための制度設計に関する分科会」を開催した。当該分科会において,まずは技術開発の進展を待たずに取り組むことができる項目で早急な具体化が可能と考えられる制度・ルールについて,整理を行った。今後も,これらのロードマップ等に沿って,引き続き環境整備を進める。

空の産業革命に向けたロードマップ2018 小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備。2018年から、レベル1~2 目視内飛行、レベル3 無人地帯での目視外飛行。2020年代前半から、レベル4 有人地帯での目視外飛行。そのための環境整備、技術開発も示している
早急の具体化が可能と考えられる制度・ルール
項目 内容
衝突予防の義務化 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するため、無人航空機を飛行させる者に対して、飛行状況に応じ、適時適切な方法で飛行させることを義務付けることとする。
飛行前点検の義務化 無人航空機を飛行させる者に対して、機体の点検や気象状況の確認など飛行に必要な準備が整っていることを飛行前に確認することを義務付けることとする。
他人に迷惑を及ぼすような飛行の禁止 無人航空機を飛行させる者に対して、不必要に騒音を発する飛行や急降下させる飛行など他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させることを禁止する。
飲酒時の飛行の禁止 無人航空機を飛行させる者に対して、飲酒時など正常な飛行ができないおそれがある間の飛行を禁止する。
報告徴収・立入検査 事故が発生した場合などに、国土交通大臣無人航空機を飛行させる者に対してその飛行について報告等を求めることができることとする。
空港周辺の飛行禁止空域の拡大 航空機の航行の安全を確保するため、空港周辺の飛行禁止空域を拡大することとする。
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