第2部 海上交通の安全についての施策
第9節 船舶事故等の原因究明と事故等防止
引き続き,船舶事故等の防止や被害の軽減に寄与するよう,運輸安全委員会において迅速かつ的確な原因究明調査を行うとともに,必要に応じて,国土交通大臣又は原因関係者に勧告し,また,国土交通大臣又は関係行政機関の長に意見を述べることにより,必要な施策又は措置の実施を求め,海上交通の安全に寄与する。
また,新たな調査手法の構築や調査・分析手法の高度化を図り,関係者のニーズを踏まえ,特定の事故類型の傾向・問題点・防止策の分析結果の公表や,個別の事故等調査結果を分かりやすい形で紹介する定期情報誌を発行するなどの事故等の防止につながる啓発活動を行う。
さらに,自然災害の激甚化や人手不足等の社会状況の変化に対応し,事故等調査で得られた知見,情報のストックを活用し,運航の安全性向上に貢献する。
加えて,国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所海上技術安全研究所に設置されている「海難事故解析センター」において,国土交通省海事局等における再発防止対策の立案等への支援を行うため,事故解析に関して高度な専門的分析を行うとともに,重大事故発生時の迅速な情報分析・情報発信を行う。