交通安全白書の刊行に当たって

目次
若宮健嗣内閣府特命担当大臣写真

内閣府特命担当大臣
中央交通安全対策会議交通対策本部長

若宮健嗣内閣府特命担当大臣サイン

交通安全白書は,昭和45年に施行された「交通安全対策基本法」に基づき,毎年国会に提出している年次報告です。今回は昭和46年から数え,52回目となります。

令和3年中に道路交通事故の発生から24時間以内に亡くなられた方は2,636人と,現行の交通事故統計となった昭和23年以降で最少であった前年を更に下回る結果となりました。これは,人命尊重の理念に基づき,国を挙げて取り組んだ成果だと考えております。一方で,昨年6月,千葉県八街市において子供が犠牲となる痛ましい事故が発生するなど,交通事故情勢は依然として厳しいものであると認識しています。

交通事故のない社会の実現を目指し,令和3年3月に策定された「第11次交通安全基本計画」や,同年8月に策定された「通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策」に基づき,「人優先」の交通安全思想を基本とし,関係機関・団体と連携して,通学路等における交通安全の確保や飲酒運転対策を始めとする交通安全対策の充実を図っていく必要があります。

本年の白書では,「通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策について」と題した特集を設けました。子供が関係する交通事故,飲酒運転による交通事故についてその現況や特徴を分析するとともに,これまでの通学路における交通安全対策及び飲酒運転対策として講じてきた施策の経緯を踏まえつつ,緊急対策の内容と主な進捗状況について記述しています。

交通事故の防止は政府を挙げて取り組むべき重要な課題であり,「人優先」の交通安全思想に基づき,究極的には交通事故のない社会を目指していかなければなりません。国民の皆様には,交通安全についての御理解と御関心を深めていただくことが大切です。本書が多くの方々に利用され,悲惨な交通事故の根絶に向けた取組の一助となることを願っております。

令和4年7月

目次