第1部 陸上交通の安全についての施策 第2章 鉄道交通の安全についての施策
第5節 踏切道における交通の安全についての対策
踏切事故は,減少傾向にあるが約2日に1件,約4日に1人死亡するペースで発生していることや,ピーク時の遮断時間が40分以上となる「開かずの踏切」が全国に500か所以上あるなど,対策の必要な踏切が多数存在しており,引き続き強力に踏切道の改良を促進する必要がある。踏切対策については,立体交差化,構造の改良,歩行者等立体横断施設の整備,踏切保安設備の整備,交通規制,統廃合等の対策を実施すべき踏切道がなお残されている現状にあること,これらの対策が,同時に渋滞の軽減による交通の円滑化や環境保全にも寄与することを考慮し,開かずの踏切への対策や高齢者等の歩行者対策等,それぞれの踏切の状況等を勘案しつつ,より効果的な対策を総合的かつ積極的に推進することとする。また,立体交差化等の従前の踏切対策に加え,改正踏切道改良促進法(昭36法195,令3法9)に新たに位置付けられた踏切周辺道路の整備,踏切前後の滞留スペースの確保,駅の出入口の新設,バリアフリー化のための平滑化等,総合的な対策を推進する。さらに,新たに創設された災害時の管理方法の指定制度に基づき,災害時の管理の方法を定めるべき踏切道として,法指定を進めるとともに,指定された踏切道における管理方法の策定を目指し,災害時の適確な管理の促進を図る。一方,道路管理者,鉄道事業者が連携し,踏切の諸元や対策状況,事故発生状況等の客観的データに基づき作成・公表した「踏切安全通行カルテ」により,踏切道の効果検証を含めたプロセスを「見える化」しつつ,今後の対策方針等を取りまとめ,踏切対策を推進する。
- 踏切道の立体交差化,構造の改良及び歩行者等立体横断施設の整備の促進
- 踏切保安設備の整備及び交通規制の実施(高齢者等の歩行者対策の推進)
- 踏切道の統廃合の促進
- その他踏切道の交通の安全及び円滑化等を図るための措置