第2部 海上交通の安全についての施策
第3節 船舶の安全な運航の確保

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船舶の安全な運航を確保するため,以下の取組を推進する。

船舶運航上のヒューマンエラーを防止するため,AISの搭載促進,船舶への訪船指導やインターネットを活用した情報提供に取り組む。

運航労務監理官による監査等の積極的な実施を通じて,安全管理体制や船員の過労の防止に係る措置状況の確認を徹底し,事業者に対する監視を強化するとともに,事故発生時の再発防止策の徹底及び年末年始の輸送の安全総点検での指導等に取り組む。

事業者が社内一丸となって安全管理体制を構築・改善し,国がその実施状況を確認する運輸安全マネジメント評価については,運輸防災マネジメント指針を活用し,自然災害への対応を運輸安全マネジメント評価において重点的に確認するなど,事業者の取組の深化を促進する。

船員,水先人への免許付与・更新,船員教育機関における教育を適切に実施する。

令和5年度より同年度から令和9年度までを計画期間とする第12次船員災害防止基本計画が開始するところ,同計画を実施するための令和5年度船員災害防止実施計画も踏まえ,高年齢船員や漁船の死傷災害対策など,船員災害の減少に向けた取組を推進する。

我が国に寄港する外国船舶の乗組員の資格要件等に関する監督を推進する。

船舶運航事業者における津波避難マニュアルの活用等により,大規模津波発生時における船舶の津波防災対策の推進を図る。

内航を始めとする船舶への新技術の導入促進による労働環境改善・生産性向上,ひいてはそれによる安全性向上を図る。

知床遊覧船事故対策検討委員会で取りまとめられた「旅客船の総合的な安全・安心対策」に基づいて,地方運輸局の監査体制の強化,リモート等の手法を活用した監査件数の増加,地域の関係者による協議会の設置等に取り組む。また,安全統括管理者・運航管理者に対する試験制度の創設や定期的な講習受講の義務付け等を通じた事業者の安全管理体制の強化や,事業用操縦免許の取得課程の拡充と修了試験制度の創設,初任教育訓練の義務化等を通じた船員の資質の向上,船舶の使用停止処分の創設,事業許可の取消処分後の欠格期間の延長等に関する法律改正事項を盛り込んだ「海上運送法等の一部を改正する法律」が令和5年4月に成立したことを受け,同法の施行に向けて政省令等の整備を進めていく。

  1. ヒューマンエラーの防止
  2. 船舶の運航管理等の充実
  3. 船員の資質の確保
  4. 船員災害防止対策の推進
  5. 水先制度による安全の確保
  6. 外国船舶の監督の推進
  7. 旅客及び船舶の津波避難態勢の改善
  8. 新技術の導入促進
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