別添参考
参考-2 海外の交通事故発生状況
1 概況(第1図,第2図)
国際道路交通事故データベース(IRTAD)がデータを有する35か国について,人口10万人当たりの交通事故死者数(第1図)を比較すると,我が国は2.6人であり,第4位に位置している。
交通事故死者数上位国及び主な欧米諸国(スウェーデン,フランス,イギリス,ドイツ及びアメリカをいう。以下同じ。)の人口10万人当たりの交通事故死者数(第2図)の推移を比較する。長期的な推移を比較すると,2013年から2022年にかけて,アメリカは増加傾向にあるが,アメリカを除いた各国は減少傾向にある。短期的な推移を比較すると,2020年頃から2022年にかけて,我が国を除いた各国は減少傾向から転じて増加傾向にあるが,我が国は引き続き減少傾向にある。
2 状態別交通事故死者数の状況(第3図)
我が国と主な欧米諸国の状態別交通事故死者数の構成率(第3図)をみると,歩行中の死者数の構成率については,我が国は他国より10ポイント以上高い。自転車乗用中の死者数の構成率については,ドイツが最も高く,次に我が国となっている。また,乗用車乗車中の死者数の構成率については,我が国は他国より9ポイント以上低い。
3 年齢層別交通事故死者数の状況(第4図)
我が国と主な欧米諸国の年齢層別交通事故死者数の構成率と年齢層別人口構成率(第4図)をみると,0~14歳の年齢層については,いずれの国でも,交通事故死者数の構成率(1.1%~2.8%)は人口構成率(11.6%~18.3%)と比較して10ポイント以上低い。65歳以上の年齢層については,アメリカ以外のいずれの国でも,交通事故死者数の構成率(27.0%~59.5%)は人口構成率(18.7%~29.0%)と比較して8ポイント以上高い。特に我が国では,65歳以上の年齢層別交通事故死者数の構成率(59.5%)は人口構成率(29.0%)と比較して約30ポイント高く,他国と比べて差が大きい。
4 年齢層別・状態別交通事故死者数の状況(第5図)
我が国と主な欧米諸国の年齢層別・状態別交通事故死者数の構成率(第5図)をみると,0~14歳の年齢層については,我が国は歩行中の死者数の構成率が約4割であり,スウェーデン,ドイツも同様である。15~24歳の年齢層については,スウェーデンを除いた各国は他の年齢層と比較して歩行中の死者数の構成率が最も低い。25~64歳の年齢層については,我が国の乗用車乗車中の死者数の構成率は他国と比較すると低い。65歳以上の年齢層については,我が国の歩行中と自転車乗用中を合わせた死者数の構成率は6割を超えており,他国と比較して高い。
5 自動車走行10億キロメートル当たり交通事故死者数の状況(第6図)
我が国と主な欧米諸国の自動車走行10億キロメートル当たり交通事故死者数の推移(第6図)のうち,2021年の死者数をみると,小さい順にスウェーデン,イギリス,ドイツ,日本,フランス,アメリカの順となっている。また,推移をみると,2013年と2021年を比較して,我が国の減少幅が最も大きい。