交通安全白書の刊行に当たって

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三原じゅん子内閣府特命担当大臣写真

内閣府特命担当大臣
中央交通安全対策会議交通対策本部長

三原じゅん子内閣府特命担当大臣サイン

令和3年6月に千葉県八街市で下校中の小学生が死傷する痛ましい交通事故が発生して以来、事故を受けて新たに決定した「通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策」に基づき、政府を挙げて、交通事故の防止に係る各種対策に取り組んでまいりました。また、交通事故の発生状況等を踏まえつつ、第11次交通安全基本計画等に基づき、国と地方公共団体、関係機関・団体等が連携して、交通安全対策の充実に取り組んできたところです。

未来あるこどものかけがえのない命を守ることは、政府の重要な課題であり、本年の白書では、「通学路における交通安全の確保について」と題した特集を設けました。小学生が歩行中に被害に遭った交通死亡・重傷事故について、飛び出しや横断違反などの事故の状況、事故が多く発生した時間帯や月など、その特徴や要因等について分析し、記述しています。また、市街地等での通学路を含め、歩行者等が生活道路を安全に通行できるようにするため、平成23年から整備を推進してきた「ゾーン30」の整備の状況とその効果や、小学生の交通事故を防止するための対策について紹介しています。

令和6年中に道路交通事故で亡くなられた方は、2,663人と、令和5年より15人少なくなり、2年ぶりの減少となりましたが、いまだに多くの方々の尊い命が交通事故によって失われており、交通事故情勢は依然として厳しいものであると認識しているところです。

交通事故の防止は、国を挙げて取り組むべき重要な課題であり、「人優先」の交通安全思想に基づき、究極的には交通事故のない社会を目指していかなければなりません。国民の皆様には、交通安全についての御理解と御関心を深めていただくことが何よりも大切です。

本白書が多くの方々に利用され、悲惨な交通事故の根絶に向けた取組の一助となることを願っております。

令和7年7月

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