第1部 陸上交通の安全についての施策
第1章 道路交通の安全についての施策
第5節 道路交通秩序の維持
交通ルール無視による交通事故を防止するためには、交通指導取締り、交通事故事件捜査、暴走族等対策を通じ、道路交通秩序の維持を図る必要がある。
このため、交通事故実態の分析結果等に基づき、飲酒運転のほか、著しい速度超過等の死亡事故等重大事故に直結する悪質性・危険性の高い違反及び地域住民からの取締り要望の多い迷惑性の高い違反に重点を置き、これらの違反を行う運転者への注意喚起に結びつくような広報と一体となった交通指導取締りを推進する。
また、パトカー等による警戒活動や通学時間帯、薄暮時間帯における街頭活動を推進するほか、交通事故抑止対策について国民の理解を深めるため、取締りの方針や効果の情報発信に努めるなど、交通事故抑止に資する取組を推進する。
さらに、生活道路や通学路等の取締りスペースの確保が困難な場所や警察官の配置が困難な深夜等の時間帯において速度取締りが行えるよう、可搬式の速度違反自動取締装置について、全国的な整備拡充を図る。
また、妨害運転等の悪質・危険な運転に対しては、新設された罰則等を活用し、引き続き、厳正な取締りを推進する。
さらに、信号機のない横断歩道における歩行者の優先等を徹底するため、運転者に対し、横断中はもとより横断しようとする歩行者の保護に資する指導を重点的に行うとともに、こども・高齢者の横断が多い箇所においては適切に検挙措置を講じる。
加えて、事故原因の徹底究明を求める国民の意識の高まり等を踏まえ、適正かつ緻密な交通事故事件捜査を推進するため、捜査体制及び装備資機材等の充実強化を図る。また、交通事故事件等の捜査においては、初動捜査の段階から自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平25法86)第2条若しくは第3条(危険運転致死傷罪)又は第4条(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪)の立件も視野に入れた捜査の徹底を図る。
なお、危険・悪質な運転行為による死傷事犯に係る罰則の在り方については、法制審議会において調査審議が行われており、答申が得られたときは、それを踏まえて所要の措置を講じる。
このほか、暴走族等対策を強力に推進するため、関係機関・団体が連携し、地域が一体となって暴走族追放気運の高揚に努め、暴走行為をさせない環境づくりを推進するとともに、取締り体制及び装備資機材の充実強化を図る。
- 交通指導取締りの強化等
- 交通事故事件等に係る適正かつ緻密な捜査の一層の推進
- 暴走族等対策の推進