第1部 陸上交通の安全についての施策
第1章 道路交通の安全についての施策
第7節 被害者支援の充実と推進

目次]   [前へ]   [次へ

交通事故被害者等は、交通事故により多大な肉体的、精神的及び経済的打撃を受けたり、又はかけがえのない生命を絶たれたりするなど、深い悲しみやつらい体験をされており、このような交通事故被害者等を支援することは極めて重要であることから、犯罪被害者等基本法(平16法161)等の下、交通事故被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進する。

自動車損害賠償保障法(昭30法97)は、被害者の保護を図る目的で、自動車の保有者側に常に賠償能力を確保させるために、原則として全ての自動車について自動車損害賠償責任保険(共済)の契約の締結を義務付けるとともに、保険会社(組合)の支払う保険(共済)金の適正化を図り、また、政府において、ひき逃げや無保険(無共済)車両による事故の被害者を救済するための自動車損害賠償保障事業及び重度後遺障害者への介護料の支給や療護施設の設置等の被害者救済対策事業等を行うことにより、自動車事故による被害者の保護、救済を図っており、今後も更なる被害者の保護の充実を図るよう措置する。

今後も「被害者保護増進等事業に関する検討会」を通じた施策の効果検証等を踏まえ、被害者支援等の更なる充実に取り組むとともに、自動車事故被害者への情報提供の充実、自賠制度に係る自動車ユーザーの理解促進にも取り組み、安全・安心なクルマ社会を実現していく。

また、交通事故被害者等は、精神的にも大きな打撃を受けている上、各種被害者支援制度に係る知識、情報が乏しいことが少なくないことから、交通事故に関する相談を受けられる機会を充実させるとともに、交通事故の概要、捜査経過等の情報を提供し、被害者支援を積極的に推進する。この点、国土交通省保障制度参事官室では、自動車事故被害者御本人やその御家族等が、事故の概要等の記録を残すこと、警察、独立行政法人自動車事故対策機構(ナスバ)や自治体、民間被害者支援団体等で行われている支援制度を知ること等を目的とした「交通事故被害者ノート」を作成しており、このノートが必要とする事故被害者の方々のお手元に届き、不安の解消やサポートにつながるよう、引き続き周知に取り組む。

国土交通省公共交通事故被害者支援室においては、関係者からの助言を得ながら、外部の関係機関とのネットワークの構築、公共交通事業者による被害者等支援計画作成の促進等、公共交通事故の被害者等への支援の取組を着実に進めていく。

  1. 自動車損害賠償保障制度の充実等
  2. 損害賠償の請求についての援助等
  3. 交通事故被害者等支援の充実強化
目次]   [前へ]   [次へ