第72回 沖縄振興開発金融公庫運営協議会

平成15年10月27日(月)14:00~15:30
中央合同庁舎第4号館共用第2特別会議室

1 開会の辞
2 委員の出欠状況及び新委員紹介
3 内閣府沖縄振興局長あいさつ
4 沖縄振興開発金融公庫予算概算要求案の概要について
5 平成15年度の沖縄振興開発金融公庫の活動について
6 質疑応答等
7 沖縄県経済の現状と見通しについて
8 閉会の辞

1 開会の辞

○塚越委員長 ただいまから第72回沖縄振興開発金融公庫運営協議会を開催いたします。
 本日は、御多忙の中を御出席いただきまして誠にありがとうございます。本日のこれからの御議論を含め、その成果を今後の運営に十分反映させてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

2 委員の出欠状況及び新委員紹介

○塚越委員長 それでは、まず委員の交替につきまして御報告をいたします。
 沖縄県漁業協同組合連合会会長の交替に伴いまして、西銘仁正さんが御就任になりました。沖縄県社会福祉協議会会長の交替に伴いまして、呉屋秀信さんが御就任になりました。日本銀行那覇支店長の交替に伴いまして、大澤真さんが御就任になりました。
 また、野崎委員は再任されましたので御報告申し上げます。
 続いて、委員の出欠状況について御報告をいたします。伊良皆高吉委員、仲井真弘多委員及び稲冨洋明委員につきましては、御都合により御欠席でございます。
 稲嶺惠一委員につきましては、嘉数沖縄県出納長が御出席いただいております。
 それから、津田廣喜委員につきましては谷口財務省大臣官房参事官が代理として出席しておられます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず内閣府の東沖縄振興局長にごあいさつをお願いしたいと思います。東局長、よろしくお願いいたします。

3 内閣府沖縄振興局長あいさつ

○東沖縄振興局長 内閣府沖縄振興局長の東でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 本日は御多忙のところ、沖縄振興開発金融公庫運営協議会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。また、日ごろ内閣府及び沖縄振興開発金融公庫に対し、多大な御支援、御指導を賜っており、この場を借りまして厚く御礼申し上げたいと存じます。
 御案内のとおり、沖縄公庫は設立以来、沖縄振興計画などに基づく政府の沖縄振興施策と一体となりまして、これを資金供給面から支援するという役割を担ってきております。その業務運営は、民業補完という考えの下で、民間金融機関が供給を困難とする長期の設備資金等につきまして、低利で、かつ安定的な供給や出資業務を行っております。それを通じて、沖縄の産業経済の発展に寄与してまいりました。
 その貸付対象は産業開発資金、中小企業資金、住宅資金など、さまざまな分野にわたっており、貸付残高も1兆6,002億円に達し、まさに沖縄経済を金融面から支える極めて重要な機関となっております。
 また、出資におきましても、第3セクター等につきましては、今年8月に「ゆいレール」の運行を開始しました沖縄都市モノレール株式会社に対し10億円の出資を行っています。そのような多くの出資活動をしているということでございます。これまでに13社、計23億円の出資をしております。
 加えまして、ベンチャー企業等に対する出資につきましても、8社に対し1億5,500万円を実行しております。まさに沖縄における産業の創成と雇用の創出に貢献しているということができると思っております。
 いかに沖縄公庫が沖縄を支えているかということで、直近の例で申し上げたいと存じます。先月、沖縄を襲った台風14号で宮古地区は甚大な被害を受けました。沖縄公庫はこれに対し、金融面から積極的な復旧支援を行うということで、台風通過の翌日には直ちに宮古支店に災害特別相談窓口を開設し、休日も返上して相談員を配置し、利用者の皆様方の御相談に応じたところでございます。また、被害の状況を見定めつつ、個々の貸付金に対する弾力的な取扱い、また災害復旧貸付の積極的な発動など、迅速できめ細かな活動をやっておりました。私どもといたしましても、利用者の立場に立ったこうした一連の対応に改めて敬意を表したいと存じます。また、細田大臣からも大変すばらしいというおほめの言葉をいただいたところでございます。
 さて、平成16年度の沖縄公庫の概算要求の内容につきましては、後ほど担当参事官より御説明申し上げますが、事業計画の総額を1,905億円としております。これは15年度の事業計画に比べますと5.5%の減、約110億円の減少ですが、昨今の資金需要の動向等を踏まえた十分な額だと思っております。また、貸付制度面につきましては、特に若年の雇用問題が大変だということでございますので、沖縄県に居住する若者を一定の人数を雇用すれば、それに対する貸付金利を下げるというような若年者緊急雇用低利制度の創設を今回要求しております。また、既存の制度の拡充も同時に要求させていただいております。
 本日のこの運営協議会は、地元の皆様方の御意向を公庫の業務運営に反映させるという目的で設けられているものでございます。委員の皆様の貴重な御意見を今後の公庫の業務運営に十分生かしてまいりたいと考えておりますので、忌憚のない業務運営に関する御意見を承りますようよろしくお願い申し上げまして、簡単でございますが私のあいさつに代えさせていただきます。どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。

4 平成16年度沖縄振興開発金融公庫予算概算要求の概要について

○塚越委員長 それでは、これから議事に入ります。本日の議題は、お手元の資料にございますように「平成16年度沖縄振興開発金融公庫予算概算要求の概要について」、「平成15年度の沖縄振興開発金融公庫の活動について」及び「沖縄県経済の現状と見通しについて」ということになっております。議事進行はお手元の資料、「第72回沖縄振興開発金融公庫運営協議会議事次第」にあるとおりでございますが、まず「平成16年度沖縄振興開発金融公庫予算概算要求の概要について」及び「平成15年度の沖縄振興開発金融公庫の活動について」、この2つにつきまして御説明を伺い、これに続いて皆様からの御質問、御意見をいただくこととし、最後に「沖縄県経済の現状と見通し」について大澤日銀那覇支店長からお話を伺うことにいたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず「平成16年度沖縄振興開発金融公庫予算概算要求の概要」につきまして、沖縄振興局の馬渕参事官から説明をお願いしたいと思います。馬渕参事官よろしくお願いします。

○馬渕参事官 それでは、最初の資料を御覧ください。1ページでございます。沖縄公庫の平成16年度予算概算要求の概要について御説明いたします。
まず計数的な面でございますが、1ページにあるとおり3つの部分に分かれております。
 1番目は16年度の事業計画額でございます。表で言いますと、左側の要求額という欄でございます。貸付額は1,900億円、出資額は2件合わせまして5億円、計1,905億円というのが16年度の概算要求予定額でございます。前年度の15年度との比較ではトータルで110億円の減となっております。この要求額は各資金ごとに最近の貸付の実績、資金需要等を勘案して決定したものでございまして、特に住宅資金につきましては民間金融機関が貸出を伸ばしており、また、公庫が民業補完という役割を担っている、そういったことを踏まえまして80億円の減としております。
他方、沖縄公庫は一方で沖縄に対して十分な貸付資金を供給するという設立以来の役割も担っておりますので、事業計画額全体としては資金需要を見つつも少し余裕を持たせた額ということで計上しております。
 ちなみに、14年度の貸付けの実績は1,441億円、13年度の貸付実績は1,633億円でございましたので、16年度貸付額の1,900億円というのは十分余裕のある額というふうに考えております。
また、最近の沖縄の民間金融機関の預貸金の動向を見ますと、特に預金につきましては全国の地銀平均を上回る増加となっておりまして、結果的に貸出余力も高まっている、そういった事情も勘案して事業計画額を決定しております。
 2番目に、事業計画の裏付けとなる資金計画でございます。この資金計画につきましては、貸付の契約と貸付の実行との間に少し時間的なずれがございますので、事業計画額とは必ずしも一致しておりません。16年度の資金計画額、すなわち資金交付額は1,910億円余という額を計上しております。そのうち自己資金等は370億円でございまして、特に公庫が債券を発行して資金を調達する、いわゆる財投機関債は200億円ということで15年度と同じ額を計上しております。この自己資金等以外の残りの額1,540億円につきましては、財政融資資金等の借入れとする方向で要求を出しております。
 3番目は、補給金及び出資金でございます。御案内のとおり沖縄公庫は毎年度財務会計上の損益計算を行いまして、その不足額を補給金という格好でいただいて全体の損益を合わせるといったことを行っておりますので、補給金というものが必要になってくるわけでございます。16年度の補給金の要求額は65億8,000万円ということで、前年度より14億円ほど増えております。
 この理由は2つございます。第1点は、御案内のとおり長期金利が最近上昇傾向にあるということから、預貸金収支がマイナスあるいはマイナスの幅が拡大するといったことがございますので、その要素を勘案したということです。第2点は、貸付金の償却を積極的に行いたい、したがってその原資が必要となるということです。都合合わせまして65億8,300万円の補給金の要求ということになっております。  それから、出資金を2億9,200万円要求しております。この中身は中小企業に対するいわゆるセーフティネット貸付の財源などでございまして、リスク見合い分ということでございます。具体的に申しますと、中小企業に対する無担保部分のリスクに見合う額ということでございます。ここのところの要求につきましては、中小公庫等々の横並びがございますので、内容は他公庫横並びで決定されるということになるわけでございますが、沖縄公庫といたしましても、中小企業向け資金等について所要の要求をしておるということでございます。
 なお、15年度の予算額のところはゼロとなっておりますが、これは15年度予算と14年度の補正予算が一体編成されたという経緯がございまして、所要額は14年度の補正予算の方で手当てしていただいております。そういった関係上、15年度予算額はゼロということになっているわけでございます。
 2ページは融資制度、貸付制度の改善ということでございますが、まず既存制度の拡充といたしまして3点ほど載せております。
1点目は若年者緊急雇用低利制度の創設ということでございまして、産業開発資金等々、そこの括弧書きの中の資金につきまして、沖縄県内に居住する若年者等を一定の人数雇用するものについて、当初の1年間に限り従来の貸付利率から0.2%控除した金利でもって資金の提供を行うというものでございます。
 2点目は中小企業資金の無担保貸付制度ということで、中小企業資金について行うものでございます。これは、業績が良好であり、かつ財務内容にも問題がない中小企業に対しまして無担保かつリスクに見合った金利を徴収するということで、試行的に行うものでございます。
 3点目は自由貿易地域等特定地域振興資金ということで、産業開発資金、中小企業資金等が対象となってまいります。これは、現在自由貿易地域等の賃貸工場に進出する企業に対して貸付の一部分を無担保で提供しておりますが、その特例措置を延長するといった要求でございます。これが既存制度の拡充の概要、3点でございます。
 そのほかに、沖縄公庫は本土公庫等の貸付業務を沖縄において一元的に行うということになっておりますので、他の政策金融機関において特段の制度的な改変がなされた場合は、それを沖縄公庫にも適用するということで、そこの2.にありますような規定を置いております。この部分につきましては、現在のところ特に内容があるというわけではございません。以上が16年度の事業計画、融資制度の充実・改善の内容でございます。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。

5 平成15年度の沖縄振興開発金融公庫の活動について

○塚越委員長 それでは、次に「平成15年度の沖縄振興開発金融公庫の活動」につきまして、沖縄公庫の原田総務部長から説明をお願いします。

○原田総務部長 お手元の資料の大きな2つ目でございますが、平成15年度の沖縄振興開発金融公庫の活動につきまして御説明いたします。私の方からは、1番目と2番目を説明させていただき、 3番目の新事業創出促進出資につきましては、実務を担当しております室長の諸見里から現物を交えて御説明させていただきたいと思います。
それでは、資料をおめくりいただきまして1ページは平成15年度の事業計画及び資金交付計画の上半期の実績の推移を記したものでございます。13年度、14年度、15年度とそれぞれ当初計画、実績と上期の実績を並べています。15年度は上期の実績までです。この進捗状況は当初計画に対する進捗状況ですので、あらかじめ御承知をいただきたいと思います。
 それでは、初めに事業計画の15年度の欄、右から4つ目の上期実績fの欄を御覧いただきますと、中ほどに合計の欄がございます。15年度上期の事業実績は貸付と出資の合計で619億9,400万円です。当初計画が2,015億円でしたので、進捗率は30.8%です。14年度、13年度がそれぞれ進捗率32.9%、32.6%でしたので、13年度、14年度と同様、低調に推移している状況でございます。
 15年度上半期の貸付実績を資金別に見てまいりますと、上から2つ目の欄が産業開発資金で141億4,400万円、進捗率が25.3%となっていまして、前年同期と比べますと86億円強の減少となっています。これは運輸業、製造業、サービス業等の業種におきましては前年同期に比べまして増加がありましたものの、一方で電気事業、不動産賃貸業等で102億円程度減少となったことによるものです。
 その下の欄は中小企業等資金でございますが、235億8,900万円、進捗率33.2%です。前年同期と比べますと13億3,000万円の増加となっております。これは、企業の景況観の改善に伴いまして資金需要が増えていること等によるものと考えています。
 その下が住宅資金です。220億4,500万円の実績で、進捗率は36.7%になっています。前年同期に比べまして17億6,100万円の減少となっています。これは、平成15年度の上半期実績に大きく影響します平成14年度の第6回目と、平成15年度の第1回目の受付を行っています個人向け住宅融資の受理戸数が前年同期の受理戸数に比べまして8%弱減となっていることを反映しているものと考えています。
 農林漁業資金につきましては6億5,600万円、進捗率10.9%となっており、前年同期に比べまして2億円弱の増加となっていますが、数字としては低調な実績になっています。
その下の医療資金ですが、4,900万円、進捗率1.2%となっています。前年同期に比べまして4億6,000万円の減少となっていますが、これは病院の建替え計画なり、診療所の新築計画の進捗が遅れていることによるものです。
 その下の生活衛生資金ですが、14億4,800万円、進捗率36.2%でして、前年同期に比べて6億円余の減少となっています。これはSARSの発生によりホテル、旅館業を中心に大型の設備投資が手控えられたことによるものと考えています。その下は出資でございます。新事業創出促進出資につきましては、出版業、医療用具製造販売業、ソフトウェア業、海面養殖業の4社に対しまして合計6,500万円を実行しています。企業に対する出資はございません。資金交付額につきましてはf欄の一番下ですが、合計で562億1,600万円、進捗率は28.7%となっています。
 1枚おめくりいただきまして2ページでございますが、そこには平成15年度第3四半期の事業計画と資金交付計画を掲げています。私ども沖縄公庫では各四半期ごとに資金事情に対応した事業計画を組み、事業を行っています。この表の上半分が、事業計画を四半期ごとに見たものです。先ほど御説明しました上半期までの実績を左の方に第1四半期、第2四半期別と合計という形で掲げています。一番右の欄が第3四半期の事業計画でございます。
 右から2つ目の欄を見ていただきますと、第3四半期は527億円の事業を予定しています。内訳は産業開発資金が150億円、中小企業等資金が170億円、住宅資金が170億円、農林漁業資金が13億円、医療資金が13億円、生活衛生資金が11億円であり、これまでの実績や個々の資金需要を勘案していますので、第3四半期の資金需要には十分対応できるのではないかと考えています。なお、出資額につきましては新事業創出促進出資の1億円を計画しています。
 次に、表の下半分が資金交付額でございます。第3四半期の資金交付計画額は右から2つ目の欄の一番上でございますが、貸付けで407億円が予定されています。これは第2四半期までの契約に基づき、第3四半期に資金交付する額と、第3四半期に交付し、その四半期中に資金交付する額の合計で、実際に利用者に対して交付される資金の額となります。
 次に、1ページおめくりいただきまして平成15年度の第3四半期の資金計画でございます。第3四半期に予定されています収入、支出を現金ベースで示したものでございます。左側の支出の欄を御覧いただきますと、貸付金としまして先ほどの第3四半期の貸付けの資金交付計画額の407億円が計上されています。借入金償還等につきましては418億6,500万円となっていまして、大部分が財投への約定償還です。また、事業損金につきましては105億4,400万円で、主に財投からの借入金に対する支払利息です。一番下が期末現金、預け金でございまして60億8,100万円でございますが、第4四半期の財投の借入れまでの間の資金交付等に当てるべき金額を12月末に現金預金として保有していくものです。
 右の収入の部ですが、前期末現金預金84億6,000万円は第3四半期の財投借入れまでの資金交付額に当てる金額として第2四半期末、9月末に保有していたものでございます。
 それと、借入金等377億円は財投からの借入れがほとんどでございますが、ほかに雇用能力開発機構等からの借入金も含まれております。貸付回収金は436億600万円でございまして、約定分の回収のほかに繰上償還も見込んでおるところでございます。それと、事業益金94億6,500万円は貸付金の受取利息でございます。合計992億9,700万円です。
 続きまして4ページです。ここからが台風第14号の災害復旧支援に係る取り組みについてでございます。先ほども局長の方からお話をいただきましたが、今回の台風第14号は宮古島を9月10日から襲いました。次ページには、沖縄県よりいただきました被害の状況を掲げてございますが、被害金額121億円余と聞いています。
 4ページに戻っていただきまして、このような台風被害に対処するため、私ども公庫といたしましては災害直後の9月12日に宮古支店に特別相談窓口を設置いたしました。13日から15日は実は3連休でございましたけれども、職員を配置しまして休日窓口業務を実施したところでございます。この間、電話相談等がありました。17日には融資担当の役員を宮古島に派遣いたしまして、経済団体からのヒアリング等を実施しました。18日からは相談状況等を勘案しまして要員の派遣を開始しまして、合わせて特別夜間相談窓口を設置いたしました。
 右の行政等の動きですが、この時期に復旧及び救済支援等を求める県議会の決議もなされています。
19日も引き続き特別夜間相談窓口を設置しまして、当日はあわせて沖縄県の行政評価事務所が実施しました行政相談所に職員を派遣いたしております。相談の多くが公庫関係だったように聞いております。20日におきましても、休日の窓口業務を実施いたしました。
 翌週の23日には電気が全面復旧いたしまして、相談業務に対応するために本店からも第2次の要員を派遣し、電話復旧と合わせまして9月30日には災害復旧貸付の適用を開始しております。また、県の方で主催されました農林関係の会議にも職員を派遣いたしております。
10月以降でございますが、特別相談窓口を継続するとともに、相談あるいは条件変更、貸付等の実務を処理するために本店からの要員派遣を継続し、行政相談所開設等への職員の派遣も予定しているところでございます。
 その下に、参考までに台風関連の相談状況ということで9月と10月24日現在までのものをまとめていますが、9月中の相談件数が133件、10月に入りまして51件ということで、相談に関しては少し落ち着いてきている状況です。相談内容の内訳を見ていただきますと中小・生業資金と農林漁業資金の比率が非常に高い状況にあります。特に中小・生業資金につきましては停電が長引いたこともありまして、小売店の場合商品に影響があったという相談などがございますし、農林漁業関係でもビニールハウス等の被害につきましての御相談が多く寄せられております。我々は今こういう状況を踏まえまして、政府系金融機関としてできる限りの対応をしていきたいと考えているところでございます。
 それでは、次の部分につきましては室長の諸見里から御説明させていただきます。

○諸見里新事業育成出資室長 それでは、私の方から昨年4月に創設されました新事業促進出資、いわゆるベンチャー出資の業務実績等につきまして、お手元の資料2の6ページから12ページに基づきまして御報告申し上げます。
 業務実績の御報告の前に、出資業務の実施体制につきまして簡単に御紹介させていただきたいと思いますので、初めに最後の12ページをお開きください。業務の実施体制につきまして簡単に図示してございます。本件出資制度は、沖縄振興特別措置法に基づきまして当公庫の新たな業務として創設されたものでございます。公庫におきましては出資業務を執行する専担部署としまして新事業育成出資室を創設し、地元銀行さんから派遣された職員とともに業務に当たっております。
 業務の実施体制で特徴的な点について述べさせていただきますと、当該出資を適切に、かつより効果的に実施するために出資業務の運営面や審査体制で工夫がなされております。
 運営面についてでございますけれども、業務全体の運営について地元経済界や学会等の有識者の意見を聴するための機関といたしまして、運営評議員会が設置されております。
 一方、審査体制についてでございますが、個別の出資採択に当たって出資申請者のビジネスプランを技術、ノウハウ面、市場性、財務面等から評価するいわゆる目利き機関といたしまして、各分野の専門家で構成される評価委員会が設置されております。このような体制の下で出資を行っておりまして、その実績につきましてお手元の資料の6ページで御説明いたします。
 初めに平成14年度の実績でございますが、14年度は事業枠1億円に対しまして件数で4件、金額で9,000万円の実績となっております。平成15年度は事業枠が2億円となっておりますが、これに対し上期の実績は件数で4件、金額で6,500万円で ございまして、昨年度からの累計で申し上げますと8件、1億5,500万円の実績となります。
 業種を見てみますと、バイオ21、トリム、オフセック、佐喜眞義肢、この4件が製造業でございまして、件数が最も多くなっております。また、1件当たりの出資額につきましても大きくなっているのが特徴でございます。そのほか、情報関連のサービス業が2件、その他2件となっております。
 ところで、お手元に数字はございませんが、この間の出資に関する相談状況につきまして簡単に申し上げますと、ある程度具体的な計画を提示して相談を受けた案件はこれまで30件余ございまして、そのうち8件が出資に至ったわけでございます。事業可能性や出資条件などで見通しが立たずに出資を見送った案件も10件ほどございましたが、残りの案件につきましては引き続き調整を進めておりまして、今後出資に結び付くものと期待いたしております。
 次に、出資先の業務内容につきまして代表的なものから4社ほど簡単に御紹介したいと思います。本日は製品もお持ちしておりますので、そちらを御覧いただきながら、資料としまして新聞記事等もお付けしてございますので合わせて御覧いただきながら簡単に御紹介したいと思います。
 資料の7ページをお開きください。初めに出資第1号案件となりましたバイオ21株式会社についてでございます。当社の業務内容につきましては既に一度御紹介しておりますけれども、本件は出資後の事業展開が比較的早くなっておりまして、その過程での当公庫との関わりが比較的わかりやすい事例として御紹介したいと思います。製品等を回していただければと思います。よろしくお願いします。
 当社の主力商品でございますクレンジングローションと、それから化粧水を用意してございます。当社は月桃や海洋深層水など、沖縄にある天然素材を用いた化粧品の製造販売を行っている会社でございまして、当公庫は2002年9月に新商品の投入や経営基盤の強化のための資金需要に対しまして3,500万円の出資を実行いたしました。
 当社の主力商品でありますクレンジングローション、これは「ちゅらら」と呼んでおりますけれども、優れた洗浄力と保湿効果に加え、一般的には防腐剤としてパラベンが多く使われておりますけれども、本件は、その防腐剤やオイル成分を含まないなどの特徴がございまして、全国紙やテレビ番組等で度々取り上げられております。
 出資後、テレビ放映等の効果が浸透したこともございまして需要が急増し、生産体制の見直しを迫られました。このため、県の特別自由貿易地域内にございます賃貸工場に工場を増設移転することにしております。工場増設に伴う資金需要に対しましては、当公庫と地元銀行さんの協調融資で対応しておりまして、公庫資金につきましては自由貿易地域等特定地域振興資金の担保要件を適用しております。現在、工事は順調に進んでおりまして、今年の12月から新工場での生産を開始する予定でございます。
 お手元の資料にもございますけれども、当初こういった化粧品の開発をしようという意図で開発したわけではございませんが、たまたま介護用のボディ洗浄水の開発が化粧品に応用されたということでございまして、製品の効果を女性の口紅で試したところ非常によく落ちるということで、それを化粧品へ転用したといういきさつがございます。
 続きまして、株式会社トリムについてでございます。こちらの方に製品を用意してございます。順次、回していただければと思います。よろしくお願いします。同社は廃ガラス瓶を原料に建築や園芸などで利用できる多孔質の軽量資材、この商品名は「スーパーソル」というふうな呼び方をしておりますけれども、それの製造販売と、この商品をつくるプラントの製造販売を行っている会社でございます。機械装置やリサイクル製品の製造につきまして特許を取得しているほか、「スーパーソル」の用途開発も進んでおりまして、今後大きく発展するものと期待しております。
 従来、そのプラントの製造につきましてはほとんど本土のメーカーさんの方に外注しておりましたけれども、今年からほぼ7割程度、県内での生産が可能になっております。今年度の初めに北海道の方で納入したプラントにつきましても、約7割程度県内生産の機械装置となっております。
 続きまして3点目でございますけれども、株式会社佐喜眞義肢について御紹介いたします。今、お手元に骨組みの部分をお回ししておりますけれども、その部分が特許を取得されている部分でございます。最終製品はこういう形で、こちらはスポーツ用、それからお年寄りの皆さんに最も多い変形性ひざ関節にはほとんどこちらが使われております。
 当社の概要を若干御説明いたします。当社は社長の佐喜眞氏がひざやひじ関節の機能回復訓練用装具として開発した関節装具「CBブレース」を事業化するために設立された会社でございます。「CB」、センターブリッジということで、センターにあるこのブリッジの方が特許の中心になります。当公庫は営業権の取得などの立上がり期の資金需要に対しまして3,000万円の出資を実行いたしております。
この「CBブレース」は独自構造の全く新しいタイプの関節装具でございまして、固定・支持矯正力に優れており、さまざまな関節障害に対応した装具として製品開発が可能でございます。今、お手元にお回ししている製品は変形性ひざ関節、それから反張膝に対する装具、それからスポーツ用障害にかかる装具、この3点を御覧いただいております。
 なお、その基本技術の方は国際特許を取得しております。現在「CBブレース」につきましては医療専門誌への掲載や、また日本義肢装具学会で発表をされたこともございまして、医療専門家の注目を集めております。また、NHKのテレビやラジオの全国放送でも取り上げられまして、関節障害で悩む方々からの相談や問合せが急増しておりまして、今後、事業が大きく展開するものと期待しております。
 最後になりますが、株式会社シーピーファームについて御紹介いたします。本件につきましては今年の3月までの補助事業でございまして、本来ですと生きた状態でお持ちしたかったんですが、ほとんど3月の時点で海の方に戻しております。事業化はこれから新しく育てるものでございまして、本日は写真と死んだ状態での製品をお持ちしております。写真は2枚ほど付けてございますけれども、1枚目は移植工程をお示ししてございます。2ページ目が、大体水槽内でこういう形で観賞用として使えるという写真でございます。
 当社は独自の技術とノウハウで確立したサンゴの養殖技術と、養殖ライブロックを事業化するために設立された会社でございます。同社のサンゴ養殖技術はアクリル製の支持棒を活用した固着方法でございまして、作業が容易でかつ生存率が極めて高い画期的な手法でございます。同技術は今後、観賞用サンゴの養殖のほか、移植放流事業や人工漁礁などの公共工事への活用も期待できます。
それから、養殖ライブロックにつきましては水槽内のレイアウトの基礎となる岩組を構成するものでございまして、独自で開発しました人工擬岩を海中に沈めまして、自然界のさまざまな生物を固着させ、商品化するものでございます。養殖サンゴとライブロックのセットによりまして、水槽内で自由にレイアウトができまして、海中の自然の景色を簡単に再現して楽しむことができるということで、最近、ストレス社会でこういった癒し系を求めたニーズがかなり高くなっております。本件は八重山の案件でございまして、離島地域における初の出資案件でございます。離島地域における産業創出と地域振興に寄与するものと期待しております。
 以上、御紹介させていただきましたけれども、この間の業務を通じまして私の方で若干感じている点を2点ほどお話ししますと、出資前の条件整備はもちろんのことですが、やはり出資後のフォロー業務がいかに重要かということでございます。出資前の条件整備という点で申し上げますと、出資ができる状態にするということはある意味では他の株主が乗れるという状態あるいは金融機関の融資が可能な状態、こういったところまで事業の熟度を高めるといいますか、可能性を高めるといったお手伝いをする必要がございます。こういった業務でかなりの工数を現在かけております。
 それから、出資後のサポートという点でございますけれども、事業の立上がり期におきましては特に組織体制が必ずしも十分ではないのがほとんどでございます。事業の伸展に対応した新たな事業計画の策定に関与するなど、事業継続のためのきめ細やかなフォローが不可欠と考えております。このような点を十分念頭に置きながら、引き続き業務に取り組んでまいりたいと思っております。
 以上、簡単ではございますが、私の説明を終わらせていただきます。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。

6 質疑応答等

○塚越委員長 ここで質疑に入ります前に、沖縄担当部局の事務方の責任者でもあります大坪内閣府審議官に御発言をお願いしたいと思います。


○大坪内閣府審議官 大坪でございます。委員の立場ではなくて、沖縄担当部局の立場で二三、沖縄施策の動きをお話させてもらいたいと思います。
 1つは、先月の内閣改造で大臣が交替いたしまして、御承知のとおり茂木大臣が就任されたわけでございます。茂木大臣は47歳という非常に若い大臣でございます。それで、いろいろお話を聞いておりますと、ともかく『私は現場主義だ』ということを言っておられまして、実際に現地へ行って自分の耳でいろいろ話を聞きたいというお考えをお持ちでございまして、もう既に沖縄に2回入っておられます。ただ、2回とも日程的にきつい部分がございまして、まだまだ見たいところがおありのようでございます。今はこういう選挙の最中という状況でございますのでそういうわけにはいきませんけれども、落ち着いた段階でまた沖縄に行かれるということになろうかと思います。
 茂木大臣はこの直前までは外務副大臣をされていたわけでございまして、御自身もそれ以外にもいろいろ海外関係の業務をされているということもおありのようで、その関係があるのかどうかわかりませんが、私はこの間ちょっとお話をしていまして、おやっと思ったことがあります。実は、沖縄の地理的状況に関しまして、私どもは沖縄というのは南西諸島ということで日本列島の南西部という意味合いを強くしているわけでございますが、大臣はどうもそれを超えて、東アジアの中心は沖縄あるいは那覇という感覚をかなり強く持っておられるような感じがいたします。那覇を中心にすると東京、ソウル、北京、上海、香港、マニラから大体1,000キロちょっとであるというというような地理関係から考えると、東アジアの中心が沖縄だと思っておられるのではないかということを言葉の端々に感じております。そういうような位置関係から、沖縄をどういうふうに思っておられるのか。これから現地を見ながらいろいろお考えになるのではないかというような感じを、茂木大臣については私ども持っております。
 2点目は少し別の話になりますけれども、沖縄の経済関係に絡む話にもなるんですが、細かい話は後ほど大澤支店長からあろうと思いますけれども、今の沖縄の経済状況、観光あるいは消費という点ではなかなかいい状況にあるということで、相対的に日本の中ではいい感じかなと思っている次第でございますし、沖縄振興法で方向性を出しましたような経済の自立という観点でいろいろな施策を展開し、またこの公庫の業務も民業補完という観点で機能発揮をしたいと思っている次第でございます。
 この関連で実は別のお話を御紹介させていただきますと、沖縄には沖縄振興審議会という審議会がございます。これを先月、現地で開催いたしました。委員の方々に今の沖縄の現状を見ていただくという思いを持って現地で開催したわけでございます。議題といたしましては、基地の返還跡地利用のための特定跡地の指定の審議ということであったわけでございますが、直接それに関係ない雑談的な委員さんのお話の中でちょっと面白い話があったので御紹介申し上げたいと思います。
 複数の委員の方々から、沖縄はいろいろな経済も含めていい状況、いい材料を持ちながら、どうも情報の発信が不十分ではないかというような指摘がございました。余り時間がなかったものですから深いお話は聞けなかったんですが、今の時代ですからインターネットを通してあちこちのホームページで沖縄のことを知ろうと思ったところが、いろいろ見てみると、例えば数字的なものについてもメンテが不十分で古い数字のままになっているというような御紹介の話もありましたし、さまざまなことを知ろうと思ってもそのためのホームページがどうもないというようなお話もありました。
 その辺で考えてみますと、確かにこれからの状況を考えますとインターネットを通しての情報の発信というのは非常に大事だと思うんですが、更に考えますと、先ほどの大臣のお話じゃないですけれども、東アジアの中心あるいは世界の中の沖縄という観点で見ますと、国際的な関連業務はこれから増えるだろう。大学院大学も世界の中の沖縄の大学院というようなイメージを持つわけでございますし、数年後にはIDBの総会もあるというようなことも含めて、これから国際関連業務は増えるだろう。そういうことで、インターネットを通して情報を取ろうとする世界各国の方が増えるのではないか。沖縄に行こうと思って、例えば飛行機便はどうなっているのかを知ろうという方もおられると思いますし、ホテルの予約はどうなっているのかを知りたいような外国人は増えるのではないか。そういう面で、英語のホームページがかなりこれから必要になってくるのではないか。
 今、実際にホテルなどがどうなっているかわかりません。恐らく英語で紹介をやっている一流ホテルがあるのではないかと思うんですが、なべてこれから外国も含めて沖縄の状況というものをどういうふうに発信するかというような工夫をこれからやっていく必要があるのではないかということをこの間の審議会ではちょっと感じさせられました。
 3点目は、大学院大学の状況でございます。御承知のとおり、この4月に恩納村を候補地とするという決定がされたわけでございまして、それをベースに概算要求をして今、主計局といろいろな議論をやり出している状況にあるわけでございますが、その過程におきまして8月の下旬に福田官房長官の強い御指示がございまして、関係大臣の会合が持たれました。官房長官、沖縄担当大臣、科学技術担当大臣、文部科学大臣、財務大臣でございます。そういう関係大臣の協議の中で大学院大学についてはいろいろな議論をし、政府としての方向性をその場で決めていこうというような考え方での会合でございます。
 今の状況でございますのでまだ2回目は開いておりませんけれども、今後予算編成に向けてこの場で政府の方針というものをいろいろ審議して方向性を出していくということになるのではないかと思っております。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。それでは、これまでの議事を通じまして御質問、御意見等をお伺いしたいと思います。どうぞ。

○嘉数沖縄県出納長 沖縄県出納長の嘉数でございます。せっかくの機会でございますので、知事に代わりましてひとつ御礼と、それから要望を申し上げたいと思います。
 まず、沖縄振興に対する公庫への御礼についてでありますが、一昨年の同時多発テロはまだ記憶に生々しいものがございますが、その余波で沖縄県の特に観光関連業界が非常に経営環境がピンチに陥りまして大変困った時代がございましたが、その際も迅速な金融支援などの対応をしていただいて難局を乗り切ることができたわけでございまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
 また、今年の9月には先ほど御報告がありましたように、宮古島を台風14号が直撃をいたしまして甚大な被害をもたらしましたが、その際にも被害を受けた住民に対しまして融資や返済に関する特別相談窓口を設置をしていただきまして、大変きめ細かい対応をいただいたことに心から感謝申し上げます。このように、さまざまな局面におきまして時宜を得た適切な対応をしていただいておりまして、県民生活における金融面でのきめの細かい配慮にこの場を借りて御礼を申し上げたいと思います。
 それから、昨年度から実施されております新事業創出のための出資業務につきましては既に8件の出資実績を見るなど、本県のベンチャー企業等への大きな力強い支援となっておりまして、改めて感謝申し上げたいと思います。
 それから、平成16年度の予算概算要求について要望を申し上げたいと思います。民間主導の自立型経済の構築を目指す沖縄振興計画の基本方向を踏まえた要求内容であることに非常に心強く思っている次第でございます。特に出融資制度の改善要求につきましては、ひとつ若年者緊急雇用低利制度の創設、中小企業資金の無担保貸付の創設、それから自由貿易地域等特定地域振興資金の担保特例制度の取扱期間の延長など、高い失業率や中小企業を取り巻く厳しい経済環境など、沖縄の特殊事情に配慮した独自の制度が盛り込まれております。これらにつきましては、民間の活力ある経済活動を促進するための極めて有用な制度と認識をしております。内閣府を始め関係機関の皆様には、事業規模の確保や制度実現に向けた強力な取り組みをお願い申し上げたいと思います。
 沖縄振興計画を推進していく上で、政策的金融機関として公庫の期待される役割は、なお大きいものがございます。引き続き沖縄県の振興のため、御支援をお願い申し上げたいと思います。以上でございます。ありがとうございました。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。ほかにいかがでございましょうか。

○大城(勇)委員 私の方からも、まずお礼を申し上げたいと思います。
 前回、6月11日の運営協議会の場でもお願いをいたしました、3月28日付の私ども沖縄県銀行協会からの要望書、沖縄振興開発金融公庫代理貸付業務に関するお願いに対しまして、去る8月29日付で公庫さんの方から文書による回答をちょうだいしております。私どもの要望を真摯に受け止め、前向きな回答をいただいたことに対して感謝を申し上げますとともに、今後とも代理店業務の円滑な運営に対し、建設的な話し合いを行いたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 本題ですけれども、私ども地域金融機関は中小企業の再生と地域経済の活性化を図るという大きな目的のために、リレーションシップバンキングの機能強化計画を発表いたしております。これまでも公庫さんとは特定企業の再生支援を目的に5件の金融支援協定の実績があり、それなりの改善を見たところも多いわけですが、その内容というのは金利減免、返済期限の延長あるいは残高維持等の条件変更、緩和策が中心でありました。
 今回の私どものリレーションシップバンキングの機能強化計画においては、いわゆる経済的社会的に有用であると思われる中小企業の事業再生に関しては、従来の条件変更を中心とした支援からもう一歩踏み込んだ事業再生支援、いわゆるDIPファイナンス等も積極的に検討していきたいと考えております。
 こうした点について、民間金融機関との協調連携についての公庫さんの基本的な考えをお伺いできればというふうに思っております。よろしくお願いします。

○塚越委員長 この点について、いかがでしょうか。

○八木橋理事長 今、銀行協会会長からお話がございましたように、中小企業の再生につきましては従来から民間金融機関との連携により、再建計画策定への積極的な参加や、また財務等の改善を目的とした返済諸条件の緩和等の実施により、その支援に取り組んでまいりました。
 現在お話のございましたのは、中小企業再生のための、ニューマネーの投入ということでございます。これに関しましては、経済金融環境や取引関係で経営上の影響を受けた企業を対象とするセーフティネットを目的とした融資制度、あるいは民間金融機関との協調を前提に、民事再生等の法的再生プロセス等にある企業を対象とするDIPファイナンスといったような融資制度があるわけでございます。
 公庫といたしましては、中小企業等を再生させていくことは沖縄経済の振興の観点からも極めて重要なことと認識しております。今後におきましても、リレーションシップバンキングの趣旨を踏まえまして、民間金融機関との連携を図りながら、この問題について積極的に取り組みたいと考えております。
 これにもう少し付言すれば、具体的な経営計画がどのように策定され、そのニューマネーを投入することによって本当に企業が生き残れ、または古い経営計画そのものを助けながら、新しい事業がうまく回るようにしていかなければならないという、非常に難しい条件になろうかと思います。そういうことで、具体的な案件が出てきた場合には、民間の知恵と我々の持っている知恵とをお互い合わせながら、積極的に取り組んでまいりたいと思いますので、民間金融機関からの御協力もよろしくお願い申し上げたいと思います。

○塚越委員長 それでは、ほかにどなたか御意見のある方いらっしゃいますか。

○野崎委員 まず、宮古島の復旧支援につきましては先ほど嘉数出納長もお話になったんですが、早急な取り組みがこういうふうにできまして、宮古島の皆さんも安心して島の復活というんでしょうか、そういうものに取り組めることになったと思っております。非常に素早い取り組みをありがとうございました。
 それから、今回はコメントというか、要望というか、2件ほどお話ししたいと思っております。お手元の資料に融資制度の充実・改善というものがございますが、既存制度の拡充ということで3点ほど出ております。今回のこの3点の制度の充実と申しますのは、私が考えますに、財政主導から民間主導へ、今多分に沖縄経済の方は踊り場にあるというふうに考えております。そのようなところにありまして、金融の角度から下支えするような役割を持っているということで、予算要求が是非満たされるように御努力をお願いしたいと思っております。
 3点あるわけですが、その中でも若年者緊急雇用低利制度の創設につきましては、働きたいと思う人が能力にふさわしい仕事を持つということは最も重要な政策目標の一つというふうに私は考えております。そういうことで、この1点というんでしょうか、それさえ実現すればそれ以外の問題につきましては多少目をつぶってもいいのではないかとさえ考えておりますが、自立を支援するような公共事業が雇用を支えるような公共事業になっている側面もあるというようなことで、なおかつ整合ベースで見た公共事業費の方も随分減少を重ねているというような状況で、非常に今後の成り行きにつきましては懸念しているところであります。
 もちろん、国や県におきましては緊急地域雇用開発事業、それから若年者雇用制度というような形で下を支えるような役割をやっておりますが、今回の若年者緊急雇用低利制度によりまして若年者の雇用効果はかなりのものが出てくるのではないかと考えております。それで期待しているわけなんですが、なおかつこの制度が進捗状況を見ながらさらなる拡充をしてほしいというふうに思っております。
 同様に中小企業資金の無担保貸付制度、自由貿易地域等特定地域振興資金につきましても、フリーゾーンにつきましては今年の5月にゼミの学生と一緒に現地に赴きましていろいろお話をお伺いしたんですが、この需要につきましては非常に大きなものがございますので、是非この2番、3番の制度につきましても予算の確保をひとつよろしくお願いいたします。
 それからもう一点ですが、先ほど申しましたように財政主導から民間主導へということになっております。そういうような取り組みが少しずつなされているわけなんですが、最初のページを見てみますと平成16年度に予算要求額が1,900億円ということになっております。これに関しましては十分余裕のある額というような御説明だったと思っております。この1,900億と申しますのは、先ほど申しました沖縄における民間主導の自立型経済を金融面から支えているような必要不可欠な金額だと私は考えております。そういうことで、この平成16年度の要求額に関しましても是非しっかり真摯に取り組んでいただければありがたいと思っております。以上です。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。それでは、呉屋委員お願いいたします。

○呉屋委員 先ほど嘉数出納長からも新しい事業に対する促進出資のお礼のお話がありましたが、非常によく頑張っておられるなと、8件ほど投資をしてもらいまして心から敬意を表します。
 なお、お話の中に30件くらいの中で10件くらいはだめだが、あとは今、調査を真剣にやっておりますという御説明がありました。豊富な御体験を持っておられます公庫さんですから、御体験も踏まえた御指導をしていただいて事業化の促進をお願いしたいというお礼とお願いを申し上げておきます。
 それから、2ページの2番目にあります中小企業資金の無担保貸付についてであります。その最後の方にリスクに見合った金利を徴収すると書いておられますが、数字的にはこのリスクに見合ったパーセントというのは下限、上限どれぐらいを予定しておられるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

○八木橋理事長 お答え申し上げます。まず第1点でございますが、30件あったうち10件ほどはどうも企業ベースの話に乗りませんでした。実は今、御指摘がございましたように、それらを企業ベースに乗せた話にまで持っていくために、非常に手間暇をかけながらやっております。ただお話だけを持ってこられると絵空事に終わってしまうわけですね。それをどういう具合に市場で売り出して、どういう具合に採算ベースに乗せるか、起業家の方は非常に気宇広大なところがある反面、現実ベースに疎いところもございまして、その辺の話し合いを繰り返しながら、実際の計算に乗るような格好に持っていくということで努力することが非常に重要だと考えております。
 それから、出資を実行したものにつきましては、それをいかに継続し、発展させるか、この2つに関して、担当者は非常に苦労しているところでございますが、是非とも皆様方の御要望に沿えるように、起業の芽を如何に育てていくかという姿勢で相談または協議に十分力を入れながら発掘し、実際に私どもは出資まで結び付けるという努力をしてまいりたいと思います。
 それから2番目の質問でございます。これは先ほど野崎先生から財政主導から民間主導というお話にありましたことと若干関係するのですが、私どもがこれから新たな制度を設けるに当たって、それをまた納税者への新たな負担となるような制度を仕組むことは、今のような世の中になってくると非常に困難になってきました。
 したがって、新たな制度を仕組むときに、その制度から恩恵を受ける人たちが相互に助け合いながら、自分たちで危険負担を分担するようなシステムにしたいということで制度の設計を考えています。これには実は私ども皆さんにお貸ししている企業への貸付金の資産評価ということを3年ほどやりまして、自己査定と言っているわけですが、そのデータを基にどのぐらいの危険発生率があるか、それをどう吸収するかということで、計算している最中でございます。それでいきますと、大体皆さん方に2.5%前後の金利上乗せの負担をお願いしなければならないのではないかと考えております。ただ、現在の金利水準が1.35%と非常に低いところにある。そうしますと、2.5%というのはかなり高目の印象を与えるわけですが、金利水準が4、5%にということになりますと、かなりまたニュアンスも変わってくるかと思います。そういった危険負担をお願いしなければならないかと考えております。
 ただ、この計算はなお今、作業中でございまして、主務官庁側と、鋭意議論をしている最中でございます。おおよその水準としてその程度のものを見込まざるを得ないのではなかろうかと考えておりますが、これはまだ確定ではございませんので、いましばらく勉強をして、予算が決定するまでには詰めてまいりたいと考えております。

○呉屋委員 ありがとうございました。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。では、どうぞ。

○吉山委員 本日の議題には直接関係ないかもしれませんけれども、産学連携について御報告申し上げておきたいと思います。
 尾身幸次先生が沖縄担当大臣のときに産業支援センターで産学連携についてのシンポジウムを開きまして、それ以後、センターの方で業者と大学の先生方との接点作りをずっとやってまいりました。それで、先月の29日にマッチング交流会というものを開催いたしまして、琉球大学と県立芸大から合計20名近くの先生方がおいでになりまして、業者60社余りと交流会をいたしました。交流会と言いましても、先生方が持っておられるいろいろな事業になりそうなネタを業者に説明していただいたわけでありますが、これを是非事業化していきたいという双方の意見が非常に強くありましたので、今後それをどんどん進めていきたいと思います。
 それで、60社の中から6社だけ選んで認定証を31日に渡して、それから補助金を産業支援センターから出すということにしております。幸いにして、お陰様で支援センターは今年から黒字になりましたので、来年からは3倍ぐらいの黒字が出そうで、それを活用して創業支援、ベンチャー支援というものにも当てていきたいなと思っております。今回はちょっと額が少なくて、1社当り100万とか、そんなものですけれども、それを進めていきたいと思っています。
 例えば芸術大学では今度出されたものの中で、三線の「工工四」(クンクンシイ)という楽譜がありますけれども、これは非常にわかりづらい、理解しにくいということで、特に若い者がなかなか理解できないということでしたので、その指の動きなどを全部CD化して誰にでもわかるような指導書みたいなものを作ろうということで、今マルチアングルという名前で芸大の方で進めているそうです。それから、工業デザインとか、そういうものも大分出ていますし、また琉大の方からもいろいろそういう事業の種になるようなものが大分出されて非常に関心を呼んでおります。そういうものをどんどん進めていって、一つの新規事業創出のめどを立てたいというふうに考えております。
 この審査について、公庫の方からもひとつ部長さんを出していただくようにお願いしてありますので、御協力のほどをよろしくお願いいたします。以上です。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。そのほか、何かございますか。
 それでは、ただいま委員の皆様方からいただきました貴重な御意見、御要望は内閣府及び沖縄公庫双方において今後の業務運営や予算要求の参考にしていただきたいと思います。 7 沖縄県経済の現状と見通しについて ○塚越委員長 それでは、恒例によりまして「沖縄県経済の現状と見通し」につきまして日本銀行那覇支店長の大澤委員に御説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○大澤委員 日本銀行の大澤でございます。それでは、お手元の資料に沿って沖縄経済の現状と若干の見通しについてお話をさせていただきたいと思います。
 まず一言で沖縄経済の現状を申し上げますと、緩やかな持ち直しの動きが続いているということであろうと思いますし、先ほど大坪委員の方からお話がありましたように、全国平均に比べますと景況観は良好であると言えるかと思います。また、夏場は個人消費については猛暑の効果がございましたし、それから観光につきましてはテロ、SARSに対する懸念を背景とする海外旅行客の国内シフトといったような、一時的ではあると思いますけれども、追い風が吹いたということもありまして、全国との格差がより顕著になっているというのが現状です。今後の沖縄経済を見ていく上では、こうした一時的な追い風というものが今後徐々に弱まっていく、ないしは剥落した後にどういうふうになっていくのかが注目点かと思われます。
 まず1ページ目をお開きください。これは短観から見ました沖縄経済と全国との比較ということですけれども、下の表のところのシャドーの部分を見ていただきますと、全産業の業況判断D.I.の沖縄県ですが、6月はマイナス15だったものが今回の9月がマイナス4ということで10ポイント以上の改善を見ています。更に12月予測につきましては2年9か月ぶりに見通しとしては全産業でプラスの領域に浮かび上がるという予想になっています。9月については先ほど申し上げましたように、猛暑とか、それから観光についても追い風が吹いていたわけですけれども、その辺を反映いたしまして製造業のうちの例えば食料品は、9月の6月比変化幅を見ていただきますとプラス30ということで大幅に改善しております。これは飲料等が猛暑で非常に売れたということを反映しています。
 それから、運輸・倉庫、サービスの2つが非製造業の中では顕著に改善していますが、運輸・倉庫については航空会社ですし、サービスの方はホテルとかレンタカー会社といった観光関連のところの業況が相当改善しているということであります。
 これをやや細かく、特に沖縄県にとっては主力の産業であります観光、それから個人消費について全国との比較を踏まえながら見たものが2ページ以降でございます。まず観光の方は御承知のとおり入域観光客数は非常に堅調な推移をたどっておりまして、8月は前年比5.1%でしたが、9月はプラス11%とさらに加速しています。一方、この全国の出国者数(海外旅行客数)ではこのところ大幅に落ちています。国内にそれがシフトしているわけですけれども、中でも国内旅行取扱人数と比べていただくと一目瞭然ですが、沖縄県は国内旅行の中でもよいパフォーマンスを示しているということかと思います。
 こうしたことを反映して、下の方の主要ホテルの客室稼働率でございますけれども、非常に好調といいますか、8月につきましてはグラフ左上に数字がありますように、リゾートホテル、市内ホテル、合わせますと90%を超えるという過去最高の稼働率になっておりまして、実際にいろいろ話を聞いてみますと、かなりオーバーブッキング、予約の過剰受付というようなものが発生しているようでございます。
 それから個人消費ですけれども、こちらも全国との比較を3ページでお示ししてあります。百貨店、スーパー、コンビニの売上げ、自動車販売、家電の販売ということで、いずれも足下も右上がりになっておりますし、全国と比べてパフォーマンスがいいということがわかると思います。
 (1)の3業態計のところと(3)の家電販売額、ここについてはかなり猛暑の効果でかさ上げされている部分もあります。具体的には、スーパー、コンビニについては夏物の商品が相当売れました、家電についてもエアコン等を中心に爆発的な売上げを示したということで、夏場暑かったということで冷夏であった全国と比べると対照的に個人消費にはプラスに働いています。
 2番目の自動車販売台数も、全国と比べるとかなり好調という姿が見ていただけるかと思います。9月は多少下がりましたが、プラス10.2%と、引き続き堅調を持続しています。こちらは循環的な要因もありますが、もう一つは所得水準の向上とともに、これまでは主として中古車の購入が沖縄の場合には売買の対象になっていたようですが、最近は中古車から軽自動車を中心とした新車にシフトしてきているという構造的な要因も自動車販売台数の押し上げにつながっているようであります。
 4ページ以降は、建設関連でございます。公共工事の方は上期はここにお示ししたように保証請負額の推移が若干前倒しになったということもありまして前年よりは上回っておりますけれども、今後下期にはその反動がくるということで、公共工事の方は弱い動きが続いているということかと思います。
 一方、住宅着工の方ですが、こちらの方は引き続き底堅い動きを示しております。全国と比べて見ていただくと、沖縄県の場合には数字的にはかなり上回っているという格好になっておりますが、これは2つのファクターが考えられると思います。1つは、古くなった住宅の買替え需要というものがかなり出てきているということがございます。それからもう一つは、地主さんの側で投資目的に賃貸マンションをつくるというような動きもかなり広がってきているということであります。
 一方、5ページの方は、若干気になる企業収益の動向でございます。こちらは短観における売上高と経常利益をそれぞれ示したもので、14年度実績と15年度の予測なんですが、15年度の予測のところを見ていただきますと、売上げの方は製造業、非製造業ともプラスでありまして、全産業でも売上高は前年比プラスという予想になっていますが、下の方の経常利益を見ていただきますと、特に非製造業のところが15年度については減益に転じるという形になっています。ここは全国の企業ベースで見ると収益は10%程度プラスになるということでありますので、全国とは若干違う姿が出ているということであります。
 特に上期を見ていただきますと、大型小売のところで前回の見通しからの修正率でマイナス9.9%の下方修正となっておりますし、ホテルもマイナス6.7%ということであります。それから、大型小売については下期も前年比マイナスというふうな予想になっております。そういう意味では、収益環境が非製造業を中心にかなり厳しいというのが一つの懸念材料として挙げられるかと思います。
 一方、先ほどからもいろいろお話が出ております雇用関連の動向ですけれども、6ページでお示ししたとおり、完全失業率の方は引き続き全国比で見ますと2%強高い水準にあります。
 それから、下の方の給与の推移でございます。これを見ていただきますと折れ線のところが給付の総額ですが、少し底打ちの気配を見せているという姿が出ております。7月についてはかなりよくなったように見えますけれども、これはボーナスの支給時期とか、あるいは7月はモノレールの通勤手当てが出まして、それが数字をブレさせている可能性はあると思います。その意味で着実な回復とはまだ言えないですが、底打ちの気配を見せ始めている状況にありますので、沖縄県の場合は個人消費がかなりウェートが大きいことから、賃金動向がどうなっていくかが今後の注目ポイントかと思います。ただ企業収益が減益になるということはボーナスの支給率を下げたりとか、そういう形でマイナスの影響も出る可能性はありまして、そうしたリスク要因も念頭においておいたほうがよいかとも思います。
 7ページは雇用の動向です。こちらの方はいい兆候が出ておりまして、新規求人数の前年比というのはかなり高いプラスになっております。それから、私どもの短観の方で取っております雇用判断D.I.ですが、これを見ていただくと、実は12月の予測では非製造業のところはバブル崩壊以降、久方振りに雇用者数が足りなくなるというような集計結果になっておりまして、特に消費関連ではまだまだ大型店も含めて新規出店がらみの雇用がでてくることが予想されますし、観光方面でも多少人手不足というものがあってこういう姿になっているのかなと思います。
 最後に、8ページは金融の動向でございます。県内の貸出金の残高でありますが、沖縄県の場合には貸出金の残高は公庫を含めてみますとマイナスではございますけれども、全国と比べるとかなり強い形になっております。特に民間の金融機関の方は前年比でプラス2%程度の伸びとなっておりまして、全国民間銀行がマイナス5%ぐらいですので7%程度の開きがあるということで、資金需要も沖縄県の場合にはそれなりに強いということであります。今後も都市の再開発でありますとかリゾート関係、先ほど申し上げたマンション建設等を背景に、資金ニーズはそこそこ強いという感じでございます。
 一方、貸出金利の方でございますけれども、こちらを見ていただくと全国比はまだかなり高いという状況になっております。これは1つには当然信用リスクの高さというものを反映している面もあるかと思いますけれども、一方で昨今、金融機関で特に優良先、すなわち、信用リスクのそれほど高くない先についてはかなり貸出姿勢を積極化させております。これは全国的な現象でございますが、そういうようなことを考えますと、その分野においては多少金利面でもこれから少し競争が強まってくるのかなというような感じをしております。事実、沖縄県でも優良な中小企業については沖縄県に支店を持っていない本土の金融機関が貸出攻勢をかけているというような傍証的な事例も幾つか散見されております。
 金融機関を取り巻く状況がこういった中で、最後に1つ、これは私どもの方からの若干のお願いですが、沖縄県を考えた場合にやはり貸出に対する需要は引き続き全国比強いということかと思いますし、金利水準も高いです。こうした状況下で、公庫におかれましては、例えば住宅ローンについて、住宅金融公庫が既に10月から開始しているMBSの支援業務について対応できるような体制をなるべく早く取っていただけるとありがたいというのが1点目です。
 それから、住宅ローンに限らず、最近では国レベルでもいろいろ議論がなされているところですけれども、企業の資金調達における証券化支援といったような動きがございます。これを中小公庫やその他の政府系金融機関の方で、どうしたら中小企業によりお金が流れやすくなるかということを考えるという一環で、証券化をうまく使えないか考えられております。この辺についても議論がこれから進展し導入の方向が決まりましたら、是非公庫さんにもタイムリーな対応をしていただき、その恩典を沖縄の企業の皆さん、あるいは個人の皆さんが受けられるような体制づくりを是非ともお願いしたいと思います。私からは以上です。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。

8 閉会の辞

○塚越委員長 それでは、以上で本日の議題も滞りなく終了いたしました。お時間もまいりましたので、本日の会議はこれで終わりたいと思います。委員の皆様方には今後とも引き続き御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。
 次回は2月末から3月頃に東京で開催をいたしたいと考えておりますが、いずれ事前に御通知を申し上げますので、よろしくお願いいたします。
 本日は御多忙中のところ、どうもありがとうございました。