第73回 沖縄振興開発金融公庫運営協議会

平成16年3月12日 午後1時30分~
中央合同庁舎第4号館共用第2特別会議室

1 開会の辞
2 委員の出席状況及び新委員紹介
3 内閣府沖縄振興局長挨拶
4 平成16年度沖縄振興開発金融公庫予算案の概要について
5 平成15年度の沖縄振興開発金融公庫の活動について
  (平成15年度事業計画等)
  (沖縄公庫における環境保護への取り組み)
  (沖縄公庫における「特別相談窓口」の開設状況)
6 質疑応答等
7 沖縄の中小企業金融情勢について
8 沖縄県経済の現状と見通しについて
9 閉会の辞

1 開会の辞

○塚越委員長 それでは定刻となりましたので、ただいまから第73回沖縄振興開発金融公庫運営協議会を開催いたします。
 本日は御多忙の中を御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 本日のこれからの御議論を含めて、その成果を今後の運営に十分反映させてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2 委員の出欠状況及び新委員紹介

○塚越委員長 それではまず、委員の交代につきまして御報告いたします。
 内閣府審議官の交代に伴い、佐藤正紀さんが新たに就任されました。
 また、仲井真弘多委員は再任されましたので、御報告申し上げます。
 続いて、委員の出欠状況について御報告いたします。
 仲井真委員及び嘉陽田委員につきましては、御都合により欠席でございます。稲嶺委員につきましては、牧野沖縄県副知事に御出席いただいております。津田委員につきましては、谷口財務省大臣官房参事官が代理として出席されておられます。
 佐藤内閣府審議官につきましては、委員になられまして初めての協議会でありますので、この際、ごあいさつをお願いいたしたいと思います。
 佐藤内閣府審議官、よろしくお願いいたします。

○佐藤委員 1月6日付の人事異動で沖縄政策担当の内閣府審議官を拝命いたしました佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 沖縄をめぐります課題は国政の重要事項でございますので、現地の状況等をよく見ようということで、就任以来2回、沖縄現地を訪問いたしまして、いろいろな方々とお会いし、またいろいろな場所を見てまいりました。沖縄は前にも行ったことはございますが、行くたびにかなり変わったとは思っておりましたが、今回お伺いいたしまして、まず、インフラの整備などはかなり進んだなという印象を受けました。しかし、いろいろな方々のお話を聞いておりますと、所得格差でございますとか失業率の高さということで、まだ克服すべき課題がいろいろあると感じたところでございます。
 沖縄をめぐります課題といいますか、現在どういう状況かということをちょっと見てみますと、沖縄振興計画に基づきまして、まず自立型の経済を構築することが重要なことだと思っておりますが、経団連に働きかけまして、経団連ミッションを派遣していただくとか、経団連の理事会に知事にお出でいただいてお話をしていただくとか、産業の振興といいますか、企業の誘致とかそういうものもいろいろやっておるわけでありますが、そういうものを支えます人材の育成ということもありまして、国立高専を今年オープンということになりますが、そのようなことをやったり、それからまた科学技術の振興ということも含めまして、沖縄に科学技術大学院大学の設置の構想がありますが、これを推進していくということがございます。また、大きな課題といたしましては、普天間基地・飛行場の移設、返還ということがございます。
 こういう大きな政策課題を解決していくためには、財政を用いましたインフラの整備でございますとか、いろいろな支援策もございますが、自立型経済ということからいきますと、企業の血液ともいうべき金融の問題が非常に重要かと思います。潤沢な資金が円滑に回転することが非常に大きなことだと思いますが、沖縄公庫は政府の政策金融を、沖縄におきまして一元的・総合的に行う政策金融機関として設置されているわけでありますが、長期かつ低利の資金を円滑に循環させる仕事と、資金の量的な確保ということもあわせてやっていただいておるわけでございます。
 内閣府といたしましても、沖縄公庫の適切な業務運営に十分御支援申し上げたいと思っておりますので、皆様方の御理解と御支援をお願いいたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。
 議事に入ります前に、内閣府の東沖縄振興局長にごあいさつをお願いしたいと思います。
 東局長、よろしくお願いいたします。

3 内閣府沖縄振興局長あいさつ

○東沖縄振興局長 内閣府沖縄振興局長の東でございます。本日は、御多忙かつ年度末でございますけれども、この沖縄振興開発金融公庫運営協議会に御出席いただきまして、まことにありがたいと思っております。また、日ごろから内閣府、またこの公庫に対しまして多大な御支援、御鞭撻を賜っていますことに対しまして、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げたいと存じます。
 佐藤委員から話がありましたとおり、皆様も御案内のとおり、沖縄振興開発金融公庫は政策金融業務を沖縄において一元的に行う機関ということで、私たち内閣府が行っております・・・・・・内閣府ばかりではなく沖縄県も一緒にやっているわけでございますが、沖縄振興計画等に基づくいろいろな施策について一緒にやっていこうというものでございます。そういう意味で、一緒にやるといっても資金面ということで、裏方で大変力勝負の業務であると考えておりまして、皆様方におかれましても、その感は御案内のことであると思っています。
 また、現在、先ほどお話がありましたとおり、経済振興ということで一生懸命にやっているわけでございますが、どうしても血液というお金がうまく回らないとなかなかうまくいかないのが事実でございます。そういう意味で金融の果たすべき役割、とりわけ公庫の役割については県民も大きな期待を持っているのではないかと思っております。その中で公庫といたしましては、皆様方の御意見を初めといたしまして、地元の声をよく聞いて、民業の補完という立場を踏まえつつ、出たり入ったり、出たり下がったりしながら、沖縄の金融全般について目配りしながら努力させていただいていると思っているところでございます。
 例を二、三挙げたいと思っておりますが、1つは、平成10年度から開始したベンチャー企業。これは半田社長が言っておられましたが、沖縄には本当の意味での上場企業は少ない、自分のところだ、俺だというような感じを言っておられました。そういうところに負けない形で、ベンチャーの出資に対する業務を公庫が、本土の政策金融機関に先駆けた形で一生懸命にやっていたというようなことでございまして、徐々にそういう実績は上がってきているのではないか。沖縄県自身もここ二、三年で申し上げれば、開業率が全国ナンバーワンという地域でございますので、ベンチャーについては大きく目を向けてやっていかなければいけないのではないかと思っております。
 それとともに、やはり経済活動を行うということについては安心が大切でございます。そういう意味でセーフティネットの提供は大変大切なことだろうと思っております。昨年9月の宮古台風のとき、いち早く現地に相談窓口をつくられ、また公庫の理事も現地に行っていろいろなことをされました。そういう意味で、本土でも驚嘆の声が上がっていたという形もあったことを御報告させていただきたいと思います。また、昨年末のいわゆるBSE問題についても、いい、足の速い対応をしているということでございます。ただ、このBSE問題につきましては、業界に対するPRが足りなくて、業界の方々が大丈夫かねと、ほかのルートから我々のほうに来ていたということがございまして、少々の反省点はあると思いますが、沖縄のその時々の動向に応じた迅速かつ的確で心の温まる業務運営を心がけていると私の方も見ているものでございます。
 ところが、公庫につきましてもそう一筋縄にいかない大きな問題を抱えているわけでございます。御案内のとおり、各政策金融機関に共通する改革問題でございます。これが平成17年度から3年間の経過期間をつけて新しいものにかえていかなければいけないということでございます。そのためには、過去のもので例えば利用回数がないものなどについても厳しいものが結構出ております。そういうものを踏まえて今後検討していかなければいけないのだろうと思っております。
 そういう意味で、ぜひ皆様方の御意見を十分伺わせていただきたいと思っております。私どもといたしましても、沖縄公庫の業務見直しに当たりましては、我々が行っております沖縄政策と一体となって行うという姿勢だけは落としたくなく、そこからきちんとした形でやっていかなければいけないということで、各方面の理解を得ながら対応してまいりたいと思っているところでございます。
 本日は平成16年度の沖縄振興開発金融公庫の予算案等々について御説明させていただくことになっております。沖縄の資金需要の動向を踏まえて、十分な対応をしたいと考えておりますので、ぜひ御意見をいただければありがたいと思っております。
 最後に、この協議会、先ほど私も申し上げましたが、皆様の御意向を沖縄公庫の業務運営に反映させるということでなされているわけでございます。皆様方の貴重な御意見は今後の公庫の運営に十分生かすとともに、私たち内閣府の方も肝に銘じて生かしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。

4 平成16年度沖縄振興開発金融公庫予算案の概要について

○塚越委員長 それでは、これから議事に入ります。
 本日の議題は、お手元の資料にございますように、「平成16年度沖縄振興開発金融公庫予算案の概要について」「平成15年度沖縄振興開発金融公庫の活動について」「沖縄の中小企業金融情勢について」及び「沖縄県経済の現状と見通しについて」となっております。
 議事進行はお手元の資料、「第73回沖縄振興開発金融公庫運営協議会議事次第」にあるとおりでございます。
 まず、「平成16年度沖縄振興開発金融公庫予算案の概要について」及び「平成15年度沖縄振興開発金融公庫の活動について」、この2つにつきまして説明を伺い、これに続いて皆様からの御質問、御意見をいただくことといたしたいと思います。
 その後、「沖縄の中小企業金融情勢について」、吉山沖縄県中小企業団体中央会会長から、また最後に、「沖縄県経済の現状と見通しについて」、大澤日本銀行那覇支店長からそれぞれお話を伺うことといたしますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それではまず、「平成16年度沖縄振興開発金融公庫予算案の概要」につきまして、沖縄振興局の馬渕参事官から御説明を伺いたいと思います。
 馬渕参事官、よろしくお願いします。

○馬渕参事官 どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、お手元の資料の2ページを御覧ください。今回は一連の通し番号を振っております。
 平成16年度沖縄振興開発金融公庫予算案の計数面の概要でございますが、昨年10月の運営協議会で御報告した内容と計数的には変わっておりません。要望どおり予算案が作成されております。
 事業計画について申し上げますと、事業計画全体としては1,905億円でございます。内訳は貸付が1,900億円、第三者セクター等に対する出資が3億円、ベンチャー事業等に対する出資が2億円でございます。
 貸付につきましては、表にありますとおり、前年度より減額ということにしております。
 貸付に対応する資金交付計画でございますが、こちらの方は貸付の決定と実行に時間的なずれがございますので、事業計画枠とは一致しておりません。資金交付計画額は全体で1,777億円になっております。最近、繰上償還等によりまして自己資金が増えておりますので、その分、財政投融資の資金を減らしております。
 3番目に補給金でございますが、沖縄公庫の補給金と申しますのは、沖縄公庫の見込決算を企業会計に即して行いまして、不足分を受け入れる格好になっております。前年とほぼ同額の52億円ほどを平成16年度において受け入れる計画にしております。
 以上が計数的な面でございます。
 3ページを御覧ください。
 融資制度の充実・改善等の関係でございますが、予算案作成の段階で4項目を要望いたしまして、3項目が採択されております。
 (1)が「中小企業向け無担保貸付」の創設ということで、中小企業資金について行うものでございます。これは優良な中小企業に対して無担保で貸付を行うということで、金額は個社につき1億円、計画全体では50億円を予定しております。当然、無担保ですからリスク見合い分は金利でいただくことになりまして、現在のところ、リスク見合いの金利は2.5%程度になるのではないかという試算がございます。貸付の期間は3年以内でございます。仮にこの制度が認められますと、これは政府関係金融機関では初めてのこととなります。
 (2)は「自由貿易地域等特定地域振興資金貸付」の拡充で、産業開発資金・中小企業資金について行うものでございます。これは、企業が特別貿易地域内で賃貸工場に入るに際して、担保不足を救済するために特例的に2億円を限度として貸付できるという規定でございます。これは現にある制度でございますが、その取扱期間を延長するものでございます。1社につき2億円ぐらいを上限としております。
 (3)は横並び規定でございまして、沖縄公庫以外の本土の政策金融機関において貸付制度等の拡充が行われた場合は、それを横並びで沖縄公庫が取り入れることができるという規定でございます。
 資料に(注)とございまして、残念ながら制度要求が認められなかったものに、「若年者等緊急雇用低利制度」の創設がございます。これは若年者を一定人数雇用する先に対して、最初の1年間に限り金利を適用金利から0.2%ほど引くというものでしたが、残念ながら平成16年度の予算案においては認められませんでした。
 以上が予算の概要でございます。
 4ページを御覧ください。
 「中小企業向け貸出債権等に係る証券化支援業務の受託」が載っております。これは、中小公庫が平成16年7月から実施することを目指しておりまして、現在、法案を提出しているものでございます。この内容は、昨年ありました住宅金融公庫の住宅資金の証券化と大体似通った業務でございます。それを中小公庫がおやりになるということで、沖縄公庫につきましても、住宅公庫の証券化の場合と同様に受託委託でやらせていただくという整理をしております。
 その理由は2つございまして、1つは、沖縄公庫のみではロットの関係で、商品設計で十分なものができない。事務コスト面でもかなり割高になるということがございます。2つ目の理由としては、そうはいっても、地元の金融機関に対しては証券化利用の便益を確保しておく必要があるということで、受託委託ということで整理したものでございます。
 この業務の窓口に沖縄公庫がなるということでございます。具体的には、買取型といわれるもの、保証型といわれるものでございます。これにつきましては、冒頭申し上げましたように、法案がこれから審査されますので、政令・省令等の細かいところは引き続き検討中ということでございます。
 御参考までに御報告いたしますと、昨年10月から住宅公庫が同じようなスキームで証券化を始めたのですが、今年2月までの実績としましては、78件、19億円ぐらいということで、そんなには出ておりません。住宅資金については思ったほど出なかったということでございます。したがいまして、中小資金についてもやってみなければ、本当のところはよくわからないのが実態ではないかと思います。
 5ページにその簡単な図表、6ページには、参考までに住宅公庫の証券化のスキーム図を載せております。
 以上でございます。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。

5 平成15年度の沖縄振興開発金融公庫の活動について

○塚越委員長 次に、平成15年度沖縄振興開発金融公庫の活動につきまして、沖縄金融公庫の原田総務部長から説明をお願いしたいと思います。
 原田さん、よろしくお願いします。

○原田総務部長 公庫の原田でございます。よろしくお願いします。
 それでは、お手元の資料の7ページからが「平成15年度の沖縄振興開発金融公庫の活動」でございます。
 まず、平成15年度の事業計画と環境保護への取り組み、特別相談窓口の開設状況等について御説明したいと思います。
 8ページをお願いいたします。
 ここには今年度の第4・四半期までの事業計画と資金交付計画について掲げております。右から2つ目の欄が第4・四半期でございますが、私どもは四半期ごとにこういう事業計画、資金計画を策定しまして、主務大臣の認可を受け事業を行っているところでございます。
 第4・四半期の欄を見ていただきますと、事業計画について貸付が480億円、出資が1億1,000万円を予定しておりまして、合計では、中ほどの欄でございますが、481億5,200万円となっております。この規模につきましては、第3・四半期までの実績と個々の資金需要等を勘案して決めておりますので、年度末までの資金需要には十分対応できるものと考えております。
 下の欄が資金交付計画でございます。同じく第4・四半期の欄でございますが、貸付が546億1,600万円、出資が1億1,000万円の合計547億2,600万円となっているところでございます。
 実績見込につきましては、後ほどの資料で説明したいと思います。
 9ページをお開きください。
 ここには平成15年度の第4・四半期の資金計画を掲げておりますが、1月から3月までの第4・四半期に予定しております収入支出を現金ベースで示したものでございます。詳細については省略させていただきます。
 10ページをお開きいただきたいと思います。
 平成15年度の事業実績の見込みについてでございますが、この資料では事業計画、資金交付計画につきまして平成13年度、14年度と15年度につきまして、当初計画と実績または実績見込を示してございます。
 まず、上段の事業計画の欄の平成15年度の合計欄を御覧ください。まず貸付についてでございますが、当初計画は2,010億円でございましたが、実績見込は当初計画より578億円減の1,432億円となっておりまして、計画達成率は71.2%となっております。その下の括弧書きでございますが、住宅資金を除いた貸付の額で見ますと、当初計画1,410億円に対しまして、実績見込は1,035億6,400万円でございまして、計画達成率は73.4%となっております。
 県内景気は持ち直しの動きが続いておりますが、依然として民間企業の設備投資に盛り上がりが見られないこと等から低調に推移しておりまして、現時点では前年度実績並みの出融資合計1,434億円を見込んでいるところでございます。私ども公庫としましては、県民の皆様、企業の皆様の様々な資金ニーズに十分対応できるような資金を確保しておりますことを改めて申し添えさせていただきます。
 それでは、資金ごとに少し見ていただきますと、上から3つ目の欄でございますが、産業開発資金でございます。計画560億円に対しまして439億円弱となっておりまして、121億円の減となっております。これは、都市モノレールの整備事業が終了し、関連した資金需要はない状況でございますが、電気事業とショッピングセンター整備事業やホテル事業向けの資金需要が見込まれているものでございます。
 その下の欄、中小企業等資金でございますが、計画710億円に対しまして520億円の実績となっておりまして、計画よりも190億円の減となっております。観光を中心に県内の景気が持ち直しに向かってはおりますが、それで企業の景況感の改善に伴う資金需要についても強含みに推移しておりますので、前年度比2.8%の増加を見込んでいるところでございます。
 住宅資金は396億円でございまして、当初計画に比べますと204億円の減となっております。これは所得の伸び悩み、雇用面などの先行き不安感などに加えまして、低金利を背景に民間金融機関が住宅ローンに対し積極的に取り組まれていることも原因であろうかと思っております。
 その下の農林漁業資金でございますが、31億円でございまして、当初計画60億円に対しまして29億円の減となっております。農林漁業を取り巻く状況は依然として厳しく、資金需要は低調になるものと見込まれております。
 その下の医療資金でございますが、14億円で当初計画額と比べますと26億円の減となっております。今年度は病院建て替え等の大型案件はありますものの、資金需要は引き続き低調であるところでございます。
 その下の生活衛生資金でございますが、32億円で当初計画額と比べますと8億円の減となっております。これは、入域観光客数が前年度比5.1%増と生活衛生関係の営業者にとりましては、先行きに期待が持てる状況にあるものの、一方で依然として大型の設備投資需要は低迷していることによるものでございます。
 次の企業に対する出資でございますが、平成15年度は出資の予定はございません。
 また、その下の新事業創出促進出資につきましては、現時点での見込みは当初計画と同額の2億円を見込んでおります。
 以上が平成15年度の事業実績見込でございますが、これに対する資金交付計画は合計で1,390億2,800万円を予定しておりまして、当初計画に比べますと571億7,200万円の減となっております。
 続きまして、11ページをお開きいただきたいと思います。
 ここに、「沖縄公庫における環境保護への取組みについて」ということで、実は平成15年度から「ちゅら海低利」といっておりますが、赤土等流出防止低利の制度を創設させていただきました。この場でも何回となく御説明させていただいておりますが、1年間を過ぎようとしている中で実績の見込みが出ておりますので、今回お示しするものでございます。
 なお、この赤土等流出防止低利の適用条件は二重括弧の中に書いてございますように、県の条例が適用され、かつ排出する濁水の浮遊物質量を、条例の制限よりもさらに厳しい100mg/l以下に抑えるものについて、当初5年に限り、本来適用される利率から0.2%を控除するというものでございます。
 平成15年度の実績は10件、事業現場面積では延べ13万3,474m2、貸付金額は72億2,800万円というのが現在の見込みでございます。
 その下に、10件のうちの1つの事例をお示ししておりますが、このA社につきましては、一番下の欄を見ていただきますと平均34mg/lということで、我々の低利の適用条件をさらに大きく下回るような実績をあげているところもございます。
 12ページにつきましては、県の赤土等流出防止条例について参考までにつけさせていただいております。
 続きまして13ページをお願いしたいと思います。
 ここには、沖縄公庫における「特別相談窓口」の開設状況ということで資料を作っておりますが、これまでにも台風被害等を中心に特別相談窓口を開設してきておりまして、こういう窓口を通じて県民生活や事業の安定化を支援してきているところでございますが、特に平成14年度、15年度は幾つか開設いたしましたので、簡単にまとめてございます。
 13ページの一番上には、いわゆる「狂牛病関連特別相談窓口」ということで、これは平成13年度から14年度にかけて開設したものでございます。その下が、テロ対策の関係で、「観光関連業界緊急経営支援特別相談窓口」を、アメリカの同時多発テロの風評被害に対応するために開設いたしました。これにつきましては、(4)の貸付実績を見ていただきますと、358件、99億3,600万円という実績があがっております。
 またそれ以外にも、(3)のダイエー関連の特別相談窓口と、次の14ページを見ていただきますと、「台風16号災害特別相談窓口」、「貸し渋り・貸し剥がし特別相談窓口」、「イラク問題関連特別相談窓口」を平成14年度には開設いたしました。(5)の「貸し渋り・貸し剥がし特別相談窓口」は現在も引き続き開設中でございます。
 15ページを御覧いただきますと、平成15年度の実績を掲げております。まず、先ほど東局長からも御紹介いただきました台風14号の台風災害における特別相談窓口を9月に開設いたしました。現時点までで62件、3億円強の実績がございます。また、(2)でございますが、アメリカでのBSEの確認に伴う相談にこたえるために、「BSE関連特別相談窓口」を昨年末から開設いたしております。また、(3)の「高病原性鳥インフルエンザ関連特別相談窓口」も、昨今の状況を踏まえまして、今年の1月28日から開設いたしております。このような特別相談窓口を通じて、迅速かつきめ細かな対応に努めているところでございます。
 なお、16ページを御覧いただきますと、私ども今、BSEといわゆる鳥インフルエンザということで特別相談窓口を設けているところでございますが、ここに私どもの金融支援の概要を掲げております。上の方が鳥インフルエンザになり、畜産農家に対する措置でございますが、全国的には、沖縄県も含めて農畜産業振興機構というところがこういう金融支援の制度をお持ちでございます。真ん中の独立行政法人の農畜産業振興機構というところがこういう「経営再開資金」、「経営継続資金」、「経営維持資金」をお持ちでございます。この機構の支援とは別に、沖縄におきましては私どもの公庫資金の中で「農業経営維持安定資金」という制度がございまして、そこで御覧いただけますように貸付限度額につきましては小さいものの、利率、償還期限というところで有利になっているところもございます。これは恒常的な制度でありまして、既存の制度で現在対応いたしているところでございます。
 下の食肉処理販売業、飲食店等につきましても、農畜産業振興機構の方でBSE関連の資金とか、外食産業のいわゆる大企業向けのものをお持ちでございます。私どもにつきましても、この「生活衛生関係営業緊急経営安定対応貸付」がございますので、それについて限度額、利率、期限ともに非常に有利なものになっております。このようなものも、私どももまたPRをしながらまた十分な対応をしてまいりたいと思います。
 そういうことで今回御紹介させていただきまして、また、皆様方にも御承知いただき、機会があれば御周知をお願いできれば非常に幸いでございます。
 私からの説明は以上でございます。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。

6 質疑応答等

○塚越委員長 それでは、これまでの議事を通じまして、御質問、御意見等をお伺いしたいと思います。
 いかがでございましょうか。
 大城(勇)委員、お願いします。

○大城(勇)委員 大城(勇)でございます。新年度の沖縄公庫予算案の御説明をいただいたわけですけれども、これまで政策金融のあり方については何度か御意見を申し上げておりますが、改めて要望させていただきたいと思います。
 具体的には、去る2月10日ですか、沖縄県銀行協会におきまして、私どもと公庫さんとの五者懇談会、その席上でも質疑がございましたが、今回の「中小企業向け無担保貸付」の創設の問題であります。融資内容は御説明にもありましたが、対象先が業績良好、いわゆる正常先のイメージである中小企業であります。貸出条件が無担保、第三者保証人不要、融資金額1億円以内ということで、これまでの一律金利ではなく、ある程度のリスクに見合った金利設定という点については一定の評価はできるわけですけれども、この商品の性格そのものが、私ども民間金融機関の戦略商品とある意味完全にバッティングするものではないかと考えております。
 平成14年10月7日開催の経済財政諮問会議における「政策金融の抜本的改革に関する基本方針」とも方向性を異にするのではないかという感じもしておりますし、何よりも沖縄振興開発金融公庫法第1条で謳う公庫の目的とも大きく異なることになるのではないかと懸念いたしております。
 いずれにしましても、沖縄公庫さんが今後とも政策金融として、融資を受けることを困難としている中小企業に対してセーフティネットの役割を果たしていただくことを期待し、要望しておきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○塚越委員長 この点につきまして、公庫の理事長さん、いかがでございますか。

○八木橋理事長 2月10日の地方銀行協会における五者懇談会には私も出席いたしまして、地方銀行側からの御要望もお聞きいたしましたので、そういった面につきましては、十分配慮してまいるつもりでございます。
 具体的には、民間金融からの借り換えは当然、資金使途には含まれませんし、また、本制度によりまして民間金融機関は、私どもが担保を要求しないことによって、それだけ民間銀行側が活用できる場も広がるという逆の効果もあるわけでございます。もう一つ、正常先以外のところをどうするかということでございますが、仮にそういうところを含めますと、1つは、正常先でないところまでを対象にいたしますと、これは経営指導と相まって業務を行わなければならない。そうしますと、当然無担保で迅速に対応するという目的そのものと一致しないような業務運営をしなければならなくなるということは制度としてどうかということが考えられるわけでございます。
 それともう一つは、そういうところを相手にしますと、金利が高過ぎて、果たして沖縄の中小企業に対する政策道具として適当なものかどうかということに対する問題点も同時に出てきてしまうということが考えられるわけでございます。
 それから、これは私が言うべきことではないのかもしれませんが、経済財政諮問会議云々という話もございましたが、そういうことを踏まえた上で査定当局におかれてもこの制度の発足は認められているという経緯があるのでございまして、その辺に関する御意見については、これは私の申すべきことではありませんけれども、そういう審査を受けた上で、この制度については認められていることになっているという経緯があろうかと思います。
 いずれにしましても、沖縄の中小企業に対する政策道具として適切に使われる、しかも民間金融機関との間でバッティングを起こさないような適切な運用については、私ども十分配慮してまいるつもりでございますので、その点よろしくお願い申し上げたい、こう思います。

○塚越委員長 よろしゅうございますか。

○大城(勇)委員 はい。

○塚越委員長 この点について何か御意見はございますでしょうか。

○大城(惟)委員 農協中央会の大城(惟)でございます。お礼と要望1つを申し上げたいと思いますのは、沖縄の農業金融関係につきましては長期低利ということで、特に脆弱な沖縄農業につきまして大変貢献していただいていることに対しまして感謝申し上げます。
 要望でございますが、もう御承知のとおり、平成14年4月1日に沖縄県下27の農協があったわけでございますが、これは県下一農協に統合いたしまして、今月終わりますと満2カ年になります。全国的にも奈良、香川に次いで3例目ということになるわけでございますが、これまでは公庫からの委託業務ということで、県信連を窓口といたしまして各農協に委託して運用しているという状況が続いております。これは現在もそのまま継続しているわけでございますが、また平成17年4月1日に向けまして、県信連さらに経済連を含めまして統合する計画で今進めております。包括承継するということで事務手続を進めてございます。そうしますと、ただいまの県内では信連が公庫の委託窓口になっているわけでございますので、来年の4月統合後には沖縄県信連という名前はございませんで、包括承継されまして発展的解消といいましょうか、県域以上の機能を持ったJA沖縄が再誕生いたします。
 そういう意味でぜひとも、これまで続いております公庫の窓口をJA沖縄にそのままスムーズに移行いたしまして、農林関連資金がスムーズに運用できますように、諸御配慮方をお願い申し上げ、要望といたします。よろしくお願いいたします。

○塚越委員長 この点は御要望として伺っておくということでよろしゅうございますね。

○大城(惟)委員 結構です。

○塚越委員長 それでは、ほかに御意見ございますか。

○牧野沖縄県副知事 沖縄県副知事の牧野でございます。今日は稲嶺知事の日程がつかずに代理出席させていただいております。よろしくお願いいたします。
 二、三まずお礼を申し上げたいと思います。1つは、昨年9月の宮古島台風の災害でございますが、台風直後に知事以下、現地視察しまして、農林業の打撃、住宅の打撃、あるいは学校などの公共施設の打撃、あるいは商業施設にびっくりするような被害がありまして非常に心配しましたけれども、公庫におきましては早速特別相談窓口を開設していただきまして、融資あるいは返済のあり方など特別の相談に応じていただいて、災害復旧に大きな貢献をしていただいたことに対しまして改めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
 昨年から実施されております新たな事業創出のための出資業務も、県の方としましても10件の実績をあげていまして、本件のベンチャー企業への支援に大きな役割を果たしておりますので、改めてお礼を申し上げたいと思います。
 先ほど御説明いただきました平成16年度の予算概況につきましては、これはもう満額回答ということで、県としましても、民間主導型のまさに企業育成ということで柱を立てておりますので、その辺に対する金融面からの大きな支持が得られたということで、改めて関係者にお礼申し上げたいと思います。
 具体的には、その中で中小企業資金の無担保貸出の創出、自由貿易地域等特定地域振興資金の担保特例制度の取扱期間の延長など、特に自由貿易地域につきましては、レンタル工場をまだ建設しますし、我々も力強く企業誘致に努めておりますので、これの持っている意味は大きなものがあると思いますので、沖縄の特殊事情に配慮していただきましたことに対しましてお礼を申し上げたいと思います。
 振興開発計画もあくまでも民間企業中心ということですので、公庫さんの持っています金融業務は極めて大きなものがあると思いますので、今後とも御支援のほどをよろしくお願いいたします。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ほかに。
 野崎先生、どうぞ。

○野崎委員 沖縄国際大学の野崎です。先ほどお話がありましたが、公庫予算は要求額満額1,900億円が認められたことと、2つの制度の創設が認められたということで、公庫の円滑かつ適切なスピーディな事業実施をお願いしたいと思います。
 それと、3ページにございますが、昨年度に予算要求をした「若年者緊急雇用低利」制度の創設が今回見送られております。雇用開発関係の各種制度の積極的な活用というのがございまして、平成15年度の就職件数は2万7,000件ということで、前年度よりも16%ぐらい伸びております。非常にいい状況でございました。そういうこともありまして完全失業率の方も3%程度、0.5ポイント程度改善しております。
 しかしながら、依然として県内の雇用機会は絶対的に不足している状況にございますので、今後ともこういう新たな制度、雇用関係の制度の創設に向けて御努力をお願いしたいと思います。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。
 これで、今の点につきまして理事長、お答えになりますか。

○八木橋理事長 ただいま力強い応援のお言葉をいただきましてありがとうございました。私ども、今でも「沖縄創業者支援貸付」とか「沖縄離島地域経済活性化貸付」ということで、雇用を予定している事業者に対する貸付制度は持っているのですが、やはり沖縄経済における最大の問題は失業率が高い。
 余談になりますけれども、先日、決算委員会に呼ばれるときに官房長官とエレベーターの中で立ち話をする機会がありまして、向こうから第一声は「沖縄は失業率が高いんだよな」ということで、沖縄経済を言うときに失業率が高いことがまずどなたの頭にも入っている。私どもは何とかそういう事態の解消に向けて何らかの政策手段を工夫していかなければならないということは常々考えているわけでございます。
 今年は残念ながら認められませんでしたけれども、若年者雇用の吸収と金利の引き下げについての政策効果がどう結びつくかという議論が、実は関係各省との間で大議論になりまして、確かに金利を下げることと若い人を採用することを結びつけて、こうしたからこういう効果があったということを立証することはかなり困難ということで、今年度はそういうことで沙汰やみになってしまったという経緯がございます。
 ただ、最初に申し上げましたように、失業問題は沖縄県における政策課題として最大限の重要な課題でございますので、私ども沖縄公庫がどのような支援ができるのかということにつきましては、引き続き検討を行いまして、できればいい制度をつくれるように、努力を続けてまいりたいと考えております。

○塚越委員長 よろしゅうございますか。
 大澤委員、どうぞ。

○大澤委員 日本銀行那覇支店の大澤でございます。1つ、証券化支援業務についてお聞きしたいのですが、先般、私、10月のこの協議会の場で証券化支援の重要性と、沖縄公庫さんにおいてもその問題を御検討いただければというお話をさせていただいて、今回、中小企業金融公庫さん同様の証券化支援業務の導入について検討を始められるということですので、それは非常にエンカレッジングなことではないかなと思っておりますが、お聞きしたいのは、具体的にイメージとしてどの程度の準備期間といいますか、これから議論されるのだと思いますけれども、いつごろのタイミングで実際に証券化支援業務を開始することができるのか、そういうイメージをお持ちかどうかということと、もう一つは、先ほどもちょっとお話がありましたが、住宅金融公庫の証券化支援業務は既に始まっているわけですけれども、これと同様の証券化支援業務についても内部では検討されているのではないかと思いますが、その検討状況について教えていただければと思います。

○塚越委員長 理事長、お願いします。

○八木橋理事長 日銀の支店長さんから前回の運営協議会で、確かにそういう御意見をお聞かせしまして、うちの方でも問題意識は持っております。ただ、先ほど地銀協における五者懇談会との話が出てきましたが、そのときに話題になりましたのも、一たん貸付資産が移ってしまう、銀行の貸付資産として残らないわけですね。そういうことから、地方銀行側にどのメリットがあるかは、現段階の金融情勢では必ずしもはっきりしないところが一つございます。ということは、先ほど参事官から御説明がございましたように、全国ベースでもまだ19億円程度の実績しかないという状況になっているわけでございます。
 もう一つは、中小企業金融公庫の問題も、確かにこれは金融が詰まってきたときにはそういう話は出るでしょうけれども、現段階においてそういう話がすぐ出てくるかということは、私どもとしてはそれほどきつい状況にあるという具合には、必ずしも思っておりません。ただ、私どもとしては、こういう制度が本土において金融機関側がその受益者になり得るようなときに、沖縄においてだけそのような受益が受けられない、要するに政策の穴あきになってしまっては困るというような視点は十分持っております。したがって、これが制度化され、なおかつその需要がある場合には、いつでも対応できるように準備を進めている、また研究を進めているという段階が正直なところでございます。
 なお、中小企業金融公庫の詳しい制度的な仕組みについては、今の段階では、まだ国会に法律が出されたばかりでありまして、まだ明確なものにはなっておりません。ただ、私どもも中小企業金融公庫とは、これから予算審議の過程、またそれ以降におきましてどういう制度設計をなさっていくか、それを私どもが受託する場合にすぐ受託できるような格好への準備はおさおさ怠りないようにやっていきたい。したがって、例えば中小企業金融公庫の施行日が10月からを予定するならば、うちの方でもそういう準備はできるようにはしてまいりたいとは考えております。

○塚越委員長 よろしゅうございますか。
 1点伺いたいのですが、住宅公庫の場合の制度はもう動いているんですね。その法律改正はもうできているんですね。

○八木橋理事長 住宅公庫についても、私どもは受託業務でできるような格好にはなっております。したがいまして、そういう要請がございますれば、直ちに私どもは受託して、住宅公庫に取り次ぐ格好は現在でもできます。ただ、民間金融機関側からそのような御要望があるという場合には、私どもは現段階では承っておりません。

○塚越委員長 それでは、ほかに何かございますか。
 ただいま委員の皆様方からいただきました御意見、御要望につきましては、内閣府及び沖縄公庫双方において今後の業務運営や予算要求の参考にしていただきたいと思います。

7 沖縄県の中小企業金融情勢について

○塚越委員長 それでは次の議題に移らせていただきます。沖縄の中小企業金融情勢につきまして、沖縄県中小企業団体中央会会長の吉山委員にお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○吉山委員 中小企業団体中央会の吉山でございます。中小企業団体中央会で去年と今年、金融実態調査をいたしましたので、その結果分析報告をさせていただきたいと思います。
 まず概要ですけれども、本会では中小企業にとって最も大事な課題であります金融にまつわる情勢を分析いたしまして、今後の本会の会員支援に資して生かすことを目的として、2回にわたって調査を実施いたしました。第1回は昨年8月25日、35組合等を対象に実施し、27組合等から回答がありました。組合のみの回答率では77%であります。第2回がほぼ半年後になりますが、今年2月19日に第1回と全く同じように35組合を対象に実施いたしまして、34組合から回答がありました。組合のみの回答率としては97%でありますので、回答率としては満足いたしております。
 業種別回答数では、全業種において前回同様か微増となっております。今回、回答した組合の組合員数を合計しますと1,312企業となり、データとしても満足のいくものであったと思っております。
 また、各種金融支援策の周知度が高まったほか、活用件数は増加傾向にあると見ております。
 調査項目ですが、資料の「報告要旨」にありますとおり8項目であります。Iが「地域の景況感について」、IIが「金融庁のリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに関する取り組みについて」、IIIが「中小企業金融対策について」、IVが「売掛債権担保融資制度や商工中金による売掛債権証券化の支援など政府の証券化に向けた取り組みについて」であります。Vが「第三者保証人制度について」、VIが「中小企業再生支援協議会について」、VIIが「専門知識を有する人材の確保について」、VIIIが「その他」であります。
 まず、調査期間でありますが、平成16年2月19日から2月24日。調査方法がファクシミリによるものです。調査を実施したのが中小企業団体中央会。調査対象は本会の役員を主体として35組合。以下、資料に述べてあるとおりでありますので、時間の都合上割愛させていただきます。
 それでは第1項目から、「地域の景況感について」。1ページであります。
 最近の景況感につきましては、1ページのグラフNo.1、最近の景況状況については「良い」と感じている組合等は2%、「悪い」が全体の56%、「変わらない」が2%となっており、依然として厳しい状況にあると認識しております。しかし、第1回の調査では「悪い」とするのが65%あったので、9%改善されたことになっております。業種別では「良い」と回答した組合は製造業、泡盛製造業が中心であります。最近の売上げが非常に好調であることを反映していると思います。
 なお、業種別の動向につきましては、それぞれグラフの横に示してあります。また、同じ業種であっても、細分類しますと動向に違いが見られます。例えば、地域の景況感においては「悪い」と回答した運輸業が一般貨物自動車運送業、「変わらない」とした運送業が一般旅客自動車運送業でありました。
 (2)でありますが、最近の資金繰りの状況について1ページのグラフNo.2を御覧いただきたいと思います。
 最近の資金繰りにつきましては、「良くなった」とする組合が2%あり、昨年の回答はゼロ%でありましたので微増であります。一方、「悪くなった」との回答が40%ありました。第1回の「悪くなった」が29%だったので、資金繰りはむしろ少し悪化しているように思われます。
 (3)であります。資金繰りが悪くなった組合等に対し、その内容について質問をいたしましたところ、2ページのグラフNo.3でありますが、「貸し渋りがあった」組合等が9%、前回より3%貸し渋りが増えております。また、「貸し剥がしがあった」組合等では前回のゼロ%が2%と、それぞれ増加しております。「その他」と回答したのが19%あったのが、受取手形のサイトの長期化、あるいは売掛金回収の鈍化、売上げ減等を原因としております。
 業種別に見ますと、「貸し渋りがあった」のは卸売業1件、建設業1件、サービス業2件で、「貸し剥がしがあった」のは製造業、建設業、建築業、金属製品の製造業1件であります。
 IIの金融庁の「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに関する取り組みについて」を調査いたしましたら、(1)がアクションプログラムについて、2ページのグラフNo.4であります。「知っている」が28%となり、前回の23%よりも増加いたしております。まだまだ周知が行き届いていないように思われます。
 (2)に本プログラムを受けた金融機関の貸出姿勢について、3ページのグラフNo.5であります。その姿勢については、5%が「変化が感じられる」と、前回の3%を上回っているものの、「変化を感じない」が26%と、前回より10%増加しており、金融機関の貸出姿勢に変化はほとんど感じられないように思われます。
 IIIであります。「中小企業金融対策について」ですが、セーフティネット保証は4ページのグラフNo.6、5ページのグラフNo.8まででありますが、セーフティネット保証制度については65%が「知っている」と回答しており、前回が45%だったことと比較すると20%周知が進んだことになります。また、「知らない」と答えたのが33%で、前回の40%より大幅に減少しております。セーフティネットを「活用したことがある」と回答したのは7%で、前回の3%と大差はありません。セーフティネット保証を今後活用したいかとの問いに対しましては、「活用したい」とするのが42%、前回より7%増加しております。また、「活用しない」と回答したのは9%で、前回より7%減少いたしております。できれば活用したいと考える企業がかなり増えているようであります。
 セーフティネット貸付は5ページのグラフNo.9と6ページのNo.11まででありますが、セーフティネット貸付制度の存在については、「知っている」組合は27件の63%でした。前回が12件の39%だったので、半年間で大幅に増えております。ただし、「活用したことがある」と回答したのは15%しかありませんでした。前回がゼロ%だったので、微増とは思います。必要であれば今後活用したいかとの問いには、35%が「活用したい」という回答をし、前回と余り変わっておりません。
 3の「資金繰り円滑化借換保証制度について」、7ページのグラフNo.12、8ページのグラフNo.14まででありますが、「資金繰り円滑化借換保証制度」については47%が「知っている」と回答し、前回の42%を少々上回っております。この制度「活用したことがある」と回答したのは5%で、前回の10%を下回っております。必要であれば活用したいかとの問いに対しましては、42%が「活用したい」と回答しております。前回の29%をかなり上回っております。制度の有利性の認識が深まってきたなと感じております。
 4の「売掛債権担保融資制度について」は、8ページのグラフNo.15から9ページのグラフNo.17までであります。売掛債権担保融資制度について「知っている」と回答したのは、前回22件から28件に増えております。全体としては65%になり、前回の68%よりわずかな減少となっております。この制度を活用したことがあるのは製造業、建設業、建築業、金属製造業者が1件で、前回の3%とほぼ同じであります。また、今後の活用については32%が「活用したい」と答えておりますので、前回とほぼ同じであります。
 IVでございます。「売掛債権担保融資制度や商工中金による売掛債権証券化の支援など政府の証券化に向けた取り組みについて」ですが、これは10ページのグラフNo.18であります。売掛債権担保融資制度や商工中金による売掛債権証券化の支援など政府の証券化に向けた取り組みについて、「メリットがある」と回答したのが30%、前回より4%増加しております。一方、この取り組みについては「わからない」と回答したのが、今回が58%、前回の61%と割と多いように思います。周知がまだ行き届いていないように認識しております。
 Vでありますが、「第三者保証人制度について」、10ページのグラフNo.19から11ページのグラフNo.20でございます。
 第三者を保証人とする融資を今後「活用したい」と回答したのは12%で、前回より9%増加しております。この制度を「わからない」としたのが32%で、前回より10%減少しており、周知が進んでいるように思います。
 第三者保証人などを不要とする融資が公庫などで行われているが、今後、中小企業金融にどんな影響を与えるかとの問いには、「良い影響を与える」と回答したのが35%おりまして、前回の32%から微増しております。
 VIでありますが、「中小企業再生支援協議会について」であります。11ページのグラフNo.21から12ページのグラフNo.23であります。
 中小企業再生支援協議会については「知っている」が44%、前回は35%でしたので、かなり周知が進んでいるように思われます。
 協議会を活用した組合等は1件もありませんでした。必要であれば今後「活用したい」と回答した組合等が26%ありました。この問いに関する回答は前回と今回でほとんど変化はないと認識しております。
 次にVIIでございますが、「専門知識を有する人材の確保」であります。13ページのグラフNo.24でございます。
 専門知識を有する人材の確保について確保「できている」という組合等は、全体の割合で見ますと44%となり、前回の59%を大きく下回る結果となっております。これは、リストラ等による人材の減少等様々なことが原因として考えられます。今後、詳細に我々も調査をしてみたいと思っております。
 VIII「その他」の意見・要望では、金融関連の各種支援策が打ち出されておりますが、周知不足であるという意見が相当にございました。貸出条件が厳しいためとか、あるいは中小零細企業では活用できないとの指摘も大分ありました。また、不動産業の担保につきましては、事業の実績や将来性を融資の目安にしてほしいという要望も大分あったということであります。
 以上でございます。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまの吉山委員の御説明につきまして、御発言がありますでしょうか。
 八木橋理事長、ございますか。

○八木橋理事長 非常に関心を持って見させていただきました。それで1つ御質問したいのは、これは沖縄県独自でやったのか、それとも全国中央会絡みでやったのかどうか。

○吉山委員 違います。沖縄県だけです。

○八木橋理事長 そうすると、全国の動向と沖縄とどう違うかということは。

○吉山委員 これからです。それは比較検討したいと思います。

○八木橋理事長 わかりました。

○塚越委員長 東局長、どうぞ。

○東沖縄振興局長 私がしゃべることかどうかわかりませんが、ちょっと感想だけ言わせてください。
 今おっしゃったセーフティネット保証だとか貸付、それから売掛債権担保融資、借換保証、証券化。私は中小企業庁に出向しておりまして、ちょうど審議官でこれを一生懸命にやったのが平成13年から昨年7月まででございまして、全国を走り回りました。それで周知度がこんなものだったのかなあということで、ちょっと残念だったという気持ちと、まあ60%ぐらいあるものがございますよね、そういうものがあって、特に売掛債権は結構高かったと思いまして、ああそうだったかというふうに思いました。
 ただ、1点だけ申し上げますと、セーフティネットというのは知っているだけで十分で、活用したいなどと思わないほうがいいわけでございますので、数字で「行わない」というのがいいわけでございますけれども、そのとおりだということでございます。
 それから、第三者保証はやりたいと思う人は誰もいないわけですよね。やらざるを得ないというのが多いということを言っておりまして、それをどうしたらやめさせられるかということで、証券化だとかそういう話をさせていただいた。理事長からもお話がありましたけれども、やはり銀行の採算の話と、一般のいわゆる事業者の方の意向と、そういうものは相反することは結構多ございます。そこで証券化にしても売掛債権担保にしても、どうしたら一番いいのかはよくわからなかったことが実際のところございましたね。しかし、ただ言えることは、万能のものはなくていろいろなものがあるので、ぜひということですね。その際に、中央会とかそういう業界の団体がその管内の経済情勢を見ながら適切に情報を提示してあげないと、なかなかうまく動かない。セーフティネットが必要なときにはそれを流すし、一般のいいときには、例えば売掛債権担保のような形で走らせるとか、そういう柔軟な動きをぜひ中央会でもやってほしいと我々はお願いをしていたんですね。
 そういう意味で、最後は要望になりますけれども、そういういろいろな手法があります。全部を中小企業者に知れと言っても無理でございますので、中央会の方で、これが今は必要だなとか、これは大切だなということを適切に、同じものでもいいですから、情勢に応じて情報を提供していただくと非常にいい経済効果が出てくるのではないかと思っていますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

○吉山委員 まさしくおっしゃるとおりです。

○東沖縄振興局長 私は中小企業庁の代弁をしているわけではありませんけれども、ぜひそういうことでお願いしたいと思います。

○吉山委員 中小企業庁長官にも、私ども全国中央会の正副会長会議でいろいろお願いしたこともありますが、周知徹底がどうも進んでいないんですよね。なかなか浸透していないというところがありますので、今後、パンフレットをつくるなりして、全組合とかそういうものを中心に周知徹底させようということで、全国中央会でも、私も全国中央会の副会長をやっているものですから、そこからも一応強く言われております。ありがとうございます。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。

8 沖縄県経済の現状と見通しについて

○塚越委員長 それでは、恒例によりまして、ここで沖縄県経済の現状と見通しについて、日本銀行那覇支店長の大澤委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○大澤委員 それでは、時間も余りないかもしれませんけれども、簡単に私の方から経済状況と若干の見通しについてもお話ししたいと思います。
 まず、お手元の資料の1ページを御覧ください。
 沖縄経済、これは短観から見た数字でございますけれども、企業の方々の業況感は、やはり全国に比べて良いという格好が続いているということであります。なお今回、私ども、短観の全面的な見直しを全国ベースでもやりまして、沖縄でもやったわけですけれども、それによりますと、ここに書いてある数字よりも少しいい形になっております。例えば、沖縄県の平成15年12月はプラス4%ポイントが前回までの調査ですけれども、これがプラス7とリバイスされております。ただ、3月予測はプラス3ということで、今回私ども、調査先の洗い替えをやりまして、非製造業を30社加えて製造業を8社減らし、全体で22社を新しく加えたわけですけれども、その中でも健康食品でありますとか、あるいはIT関係、リゾートホテル、こういったところを新しく加えたことが業況判断DIの改善につながっていくのかなと思います。
 先ほど吉山会長からお示しになられた中小企業の業況判断とは、これは多少コントラストをなしておりますが、私どもの方は、124社中4割強が大企業、中堅企業ということなので、その辺の違いも反映しているのかなと、先ほどお話を伺っていて思いました。
 個別の需要項目別ですけれども、まず観光が重要なわけで、2ページを御覧ください。
 御承知のとおり、真ん中の表にございますように、入域観光客数の方は昨年508万人ということで初めて500万人を突破しました。四角のところに書いてございますように、400万人から500万人というのは実は5年間で突破しておりまして、その前の100万人は7年間かかっていることからすると、今回の入域観光客数500万人突破は皆さんの努力によって短期間で達成されたということではないかと思います。
 今年は目標を525万人と県の方で設定されているわけですけれども、去年の場合、テロとかSARSの関係で海外旅行から国内旅行へのシフトがかなり追い風として働いていたので、今年はどうなるかというのがポイントかと思いますけれども、ごくごく足元の状況を見ますと、12月、1月は実は2カ月連続で前年割れとなりました。ただ、これが2月はまだ入域観光客数の数字は出ていないのですが、航空6社の乗客数を見ますと、プラス8.6%という数字になっております。これには例のキャンプの新庄効果とか、修学旅行客の好調ということもありますし、うるう年でございましたので、その分がかなり寄与しているということで、そういう意味ではまだ手放しで、2月の好調をもって大丈夫だとはちょっと言いにくいのかなという気もしております。事実、航空会社の提供座席数は11.5%増えているのですけれども、利用率がマイナス2%ということで、航空会社が予想していたほどはお客様は増えなかったということもございますし、また4月から航空会社は運賃の値上げをどうも考えているようでございますので、この辺の影響は慎重に見なければいけないと思います。
 続いて個人消費ですけれども、3ページを御覧ください。
 こちらの方で百貨店・スーパー・コンビニも、全国に比べて好調を持続しているということであります。百貨店は余り調子がよくないのですが、スーパーが堅調で、コンビニは非常に好調というのが昨今の変わらない点でございます。コンビニについてはいろいろな新商品を提供しております。例えば酒類を売り出しているコンビニが非常に増えている、あるいはチケット販売ですね。沖縄の場合、最近、K-1とかミュージカルとか、そういうもののチケットをコンビニで売っておりまして、そういうものが増えています。それと、これは観光客ですが、お弁当を食べて安くあげようという観光客も増えているようで、そういう新商品を投入しているとか、あるいはスクラップ・アンド・ビルドを盛んにやっていて、売れる店をつくっていくということで、デリバリー・チャネルのところでもいろいろな工夫がなされており、全体としては流通のほうは底堅い動きを続けているということでよいのかと思います。
 一方、建設の方がやはり苦しい状況になっておりまして、4ページを御覧ください。
 沖縄県の場合には、言わずもがななのですが、建設投資に占める公共投資のウエートが非常に高うございまして、全体で6割ぐらいを占めております。全国ですと4割5分ぐらいですので、公共工事の削減の打撃をより受けやすい体質になっております。
 下の方は沖縄県財政の中期見通し、ここにも書いておりますように、これは三位一体の改革の影響を勘案前の中期見通しでございますけれども、非常に厳しい基金の残高などもいずれマイナスに突入していく中で投資的経費が減っていかざるを得ない状況でございまして、平成16年度の県の予算でも投資的経費はマイナス8%となるということですので、この辺は建設業界にはかなり影響が大きいのではないかと思います。
 5ページで民間の住宅投資ですけれども、こちらも、ここにきて少しマイナスの領域に突っ込んできております。これは貸家が今まで非常に好調だったのですが、さすがにちょっと息切れしてきたかなということで、頭打ち傾向が強まっているということでございます。
 業種別に見た倒産件数も、倒産に占めるウエートが建設業界の場合5割ぐらいということで、非常に高いウエートを占めております。ただ、現在でもまだ5,000社以上を抱えている建設業界ですので、今後さらに再編が本格化することが予想されるわけでございます。
 次は雇用情勢ですけれども、雇用の方は相変わらず失業率が高いということではありますけれども、一方で求人数の方も、経済の方が割と好調ですので増えている中で、なかなか失業が減らないという状況でありまして、求人と求職の方にミスマッチが存在している状況は変わっておりません。求職者の方は県外での勤務ですとか、あるいは最近ではコールセンターを中心に24時間勤務のような厳しい労働条件のもとであれば職はかなりあるわけですが、そういうものを好まない方が多いということで、ミスマッチが生じているということではないかと思います。給与額の方も、引き続きマイナスになっておりまして、春闘の賃上げもこれからいよいよ経営者との本格的な交渉が始まるかと思いますけれども、現段階での春闘賃上げ要求も昨年よりも低水準でございますので、そういう意味では雇用所得環境は相変わらず厳しい状況が続いているということで、これは個人消費にとっては、こういうことを考えると、個人消費が今の底堅さを維持するのは可能かもしれないけれども、これがさらに強くなっていって景気を引っ張るというのが、今の段階ではなかなか見通しがたいということではないかと思います。
 最後に金融の動向でございますが、7ページを御覧ください。
 貸出の方は、全国に比べますと、公庫さんの分も含めましても伸びが高い状況が引き続き続いているということでございます。貸出金利の方は、県内の地銀3行の平均をみますと、全国よりもかなり高く1%程度高い状況があったわけですけれども、ここにきまして、少し金利が低下してきております。これは、地公体向けの低利一時貸出、先ほど申し上げたように地公体の方が資金繰りがかなり窮屈になっているということもあるのかもしれませんが、そういうところに低利の一時貸出が増えているということで、金利が低下する方向にございます。
 8ページのところで、少し長い面での話ですけれども、地銀3行の収益力、不良債権の処理について少し申し上げますと、一番上の表で御覧いただきますように、県内地銀3行の場合には、期間中のコアの業務純益の中で不良債権を処理できるということが14年度以降続いておりまして、そういう意味では健全な収益力を背景に不良債権の処理も着々と進みつつあるということが言えるのではないかと思います。
 コアの業務純益率の推移は沖縄県と全国と比較しておりますが、沖縄県の場合にはコア業務純益率がかなり高いということがございます。この背景には、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、住宅ローンのところでかなり成果を出されてきていることですとか、あるいはコスト面でも人員とか店舗の削減をこのところ急速に進めてらっしゃるということで、収益力の方はかなり改善してきているということであります。
 一方で、リスク管理債権の比率ですけれども、こちらは全国に比べると残念ながらまだ高い状況にあります。着実に減ってきてはおりますけれども、水準的にはまだ2桁の水準にあるということで、これをいかに減らしていくかということが今後の課題になってくるかと思います。引当償却をさらに進めるということですとか、あるいは景気循環要因で企業のランクアップも想定されるわけですけれども、そういった中でさらに事業再生を積極的に進めていく。事業再生を加速していくことが急務ではないかと考えております。
 その意味では、県内の場合には民間金融機関だけではなく、公庫さんのプレゼンスは非常に大きいので、事業再生の分野でも公庫さんと民間金融機関との間の協調が必要なのかなと思っておりまして、先般、沖縄の百貨店の再生というところでそれぞれがデット・エクイティスワップ等の金融措置について合意されたということがありましたが、そういう形でこれからも事業再生において協調が進んでいくことが望まれるのではないかと考えております。
 最後に付け足しで、先般、沖縄金融専門家会議を沖縄県の方で開催されまして、私どもの福井総裁も東京からライブ中継でスピーチをいたしました。これは、沖縄県における金融サービス業を活性化するためにはどういうアイデアがあり得るのかということを広く議論しましょう、金融特区の活用の仕方も含めていろいろ考えましょうというとで、資料に主要な提案ということで、これは私の独断と偏見でまとめたものでございますが、非常に興味深い提案も幾つかなされております。その中で、例えば(3)の証券化やファンドを活用した中小企業向け与信サービス、SPCの創設まで含めて、すべて沖縄県の中でやってしまおうというアイデアが出ましたり、あるいは(6)で、先ほどもちょっとお話がありましたような、金融機関として環境問題に対していろいろなイニシアティブをとっていく必要があるのではないか。特に沖縄の場合には、自然環境がさまざまな産業を支えているものですので、そういうところで金融機関の側がいろいろイニシアティブをとっていくことが重要ではないか。世界的には国連が環境計画の中でそういう問題を進めておりまして、金融機関もイニシアティブをとっているわけですけれども、日本全体の動きがまだ後れている中で、沖縄でそういうイニシアティブをとっていってはどうかという意見も出されました。このあたりは、公庫さんも含めて沖縄の金融機関の皆さんとこれからまたお話をして、先に進めていければいいなと考えている次第でございます。
 ちょっと駆け足になりましたけれども、私からの説明は以上でございます。

○塚越委員長 どうもありがとうございました。

9 閉会の辞

○塚越委員長 以上で本日の議題、滞りなく終了いたしました。お時間も参りましたので、本日の会議はこれで終わりたいと思います。
 委員の皆様方には今後とも引き続き御支援、御協力をよろしくお願いいたします。
 次回は5月末から6月ごろに沖縄で開催いたしたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 本日は御多忙中のところどうもありがとうございました。