新石垣空港の整備
1. 背景と目的
旧石垣空港は昭和31年から民間航空による運航が開始され、昭和54年には航空機騒音に対する周辺住民の理解を得ながら、滑走路1,500mに小型ジェット(B-737型機)が就航しました。その後、地方管理空港の中で旅客数、取扱貨物量ともにトップクラスの利用実績になりました。しかしながら、短い滑走路にジェット機が就航していたことから機材の重量面で制約を受け、例えば、東京行きは旧石垣空港での燃料積載量を抑える必要があることから燃料補給のために那覇空港や宮古空港を経由しての運航が生じるなど、多くの路線で旅客数や貨物量の制約を受けていました。
また、旧石垣空港周辺は市街化が進み航空機の騒音問題が発生していたことや、計器着陸装置(ILS)が設置されていなかったことによりしばしば遅延や欠航が発生していたことなど様々な課題を抱えていました。
これらの課題を解消するとともに、八重山圏域の振興・発展を図るため、中型ジェット機(B-767型機等)が就航可能な2,000mの滑走路を有する新石垣空港を整備しました。
2. 新石垣空港の概要
- 種別:地方管理空港(設置管理者:沖縄県)
- 所在地:石垣市
- 滑走路長:2,500m(旧石垣空港の滑走路長1,500m)
- 空港用地:約142ヘクタール
3. 整備スケジュール
- 平成17年度:事業着手
- 平成18年度:用地取得、用地造成の試験工事等
- 平成19年度以降:本工事 ※用地取得率:100%(平成22年12月15日現在)
- 平成25年3月7日:供用開始
4. 環境保全対策
新石垣空港の事業区域及びその周辺では、天然記念物や希少種などの様々な動植物の生息、生育が確認されるとともに、周辺の海域ではサンゴ礁が広がっています。これらの豊かな自然環境の保全を図りながら新石垣空港の整備に取り組む必要があったことから、環境影響評価に際し、学識経験者・自然保護団体等で構成する「環境検討委員会」、「建設工法検討委員会」、「小型コウモリ類検討委員会」を設置し、環境保全措置やモニタリング等の環境保全対策について検討が行われました。
また、建設工事の実施にあたっては、環境影響評価書に基づき環境保全対策を適切に実施するとともに、専門家の指導・助言を得ながら、環境影響の回避・低減措置が図られました。