取組分野ごとの検討・取組状況

平成13年6月8日
跡地対策準備協議会

 跡地対策準備協議会の第2回会合(平成12年8月24日)において、普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等について、「取組分野ごとの課題についての中間的な整理」を取りまとめるとともに、今後、更に取組分野ごとの検討を進め、それぞれの進捗状況に応じて、取組分野ごとの検討・取組状況について、逐次報告を求め協議を進めることとした。
 これを受け、第3回準備協議会(平成12年11月29日)において、文化財関係、再開発事業関係などについて取りまとめを行った。
 その後更に、取組分野ごとの課題について、国、県、市の事務レベルで、総合的な検討・取組を鋭意進めてきたもののうち、跡地利用計画策定関係及び原状回復措置関係について、以下のとおり、取りまとめたところである。

1.跡地利用計画策定関係

(1) 普天間飛行場の跡地利用計画策定に係る基本的な取組の方向
  • 普天間飛行場の返還後の跡地利用の促進及び円滑化に資するため、市及び県は平成13年度から跡地利用計画の策定に向けた具体的取組に着手し、3~4年後を目途に、具体的な跡地利用計画策定の基礎となる跡地利用の基本方針を策定することを目標に検討を進めることとする。
  • 跡地利用の基本方針策定に当たっては、広域的観点からの検討、基本的なデータの整理、地権者等の円滑な合意形成、機能導入についての基礎的諸条件の整理等が不可欠であるため、これらを順次、着実に進めることとする。
  • その際には、現在検討が進んでいる新たな沖縄振興計画等との連携・調整を十分図ることとする。
  • また、整備、開発及び保全の方針の検討など都市計画への反映を図ることとする。
  • 跡地利用はまちづくり、地域づくりに直結することから、その計画策定については、関係地方公共団体の主体的取組が不可欠であるが、普天間飛行場の跡地利用については、沖縄全体の振興にも影響が及ぶものとなっていることを踏まえ、地元の自主性を尊重しつつ、市、県、国の強力な連携のもと取り組むこととする。
(2) 普天間飛行場の跡地利用計画策定に係る具体的な取組
  • 沖縄県中南部都市圏という広域的な観点から、県は、普天間飛行場の跡地利用を含む中南部都市圏の将来像を検討した上で、土地利用や交通体系などについての基本構想を検討することとする。
  • 宜野湾市全域という広域的な観点から、市は、普天間飛行場跡地利用と周辺市街地の関係を整理した上で、順次、土地利用、市の将来像などを検討することとする。
  • 地形・地質、動植物、文化財等についての基本的なデータの整理については、国、県、市の担当窓口による普天間飛行場跡地利用計画関連情報連絡会議を昨年9月に設置し、既存資料の一定の整理を行ったところであるが、今後もデータの追加等、情報の整理を進めることとする。
  • 自然環境等についての基本的なデータ整理については、既存データの整理状況を踏まえて、市において調査の全体計画を策定した上で、地形、動植物等についての現況調査を行うこととする。
  • 埋蔵文化財についての基本的なデータ整理については、沖縄県が中心となり
    策定する埋蔵文化財の詳細分布調査の具体的な実施計画に基づき、県が中心となりつつ、市も共同し、跡地利用を検討する上で有効となる埋蔵文化財の所在状況に係る調査に取り組むこととする。
  • 地権者等の円滑な合意形成については、市において情報提供手法や効果的な調査実施手法の検討をした上で、順次、土地利用、まちづくりの方向などについての意向調査を行うこととする。
  • 機能導入についての基礎的諸条件の整理については、賑わいのある地域づくり、潤いとゆとりのある生活空間の形成という観点を踏まえつつ、具体的な検討を進めることとする。
  • 国は、このような市及び県の跡地利用計画の策定に向けての取り組みについて、大規模駐留軍用地跡地利用推進費等により支援を行うこととする。

2.原状回復措置関係

(1) 汚染に関する原状回復措置

1) 調査に関する事項

  • 国は、日米合同委員会の返還合意から返還までの間に、返還される施設・区域の全域について、駐留軍の使用に起因する土壌等の汚染(以下、「汚染」という。)の蓋然性を把握するため、返還前の土地利用の履歴等に関する資料等調査(例えば、過去の航空写真、地形図、建設時の資料並びに県・市及び駐留軍が保有する関係資料の収集、施設・区域周辺住民からの聴取など)を行うこととする。
  • 国は、資料等調査の結果に基づき、汚染の蓋然性があると判断したものについては、その蓋然性のある範囲について、概況調査(土壌の採取及び分析)を実施し、具体的な汚染の種類及び平面的範囲を特定することとする。
  • 国は、概況調査で特定した範囲について、詳細調査(ボーリングによる深層土壌の採取及び分析)により、汚染の深度等を調査し、対策をとるべき範囲を確定の上、対策計画を策定することとする。
  • 汚染の調査手法の決定及び対策計画の策定については、環境省指針等(土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針、同運用基準等をいう。)によることとする。
  • 汚染の調査手法の決定及び対策計画の策定に際しては、必要に応じ、専門家等の意見を聴取し、更に、専門家等による委員会等を必要に応じて導入することとする。

2) 除去、処理及び処分に関する事項

  • 汚染については、環境省指針等に基づき、国の責任において適切に除去した後、必要な処理を行った上、処分することとする。
  • 返還地の土地所有者への引き渡し後であっても、駐留軍の使用に起因する土壌等の汚染が発見された場合は、国の責任において、同様に措置することとする。
  • 国は、汚染の処理及び処分に関する最新技術情報の収集及び蓄積を行うことにより、今後とも、より迅速な汚染の処理及び処分に努めることとする。
(2) 不発弾に関する原状回復措置

1) 調査に関する事項

  • 国は、日米合同委員会の返還合意から返還までの間に、返還される施設・区域の全域について、駐留軍の使用に起因する不発弾の蓋然性を把握するため、返還前の使用状況等に関する資料等調査(例えば、建設時の資料及び駐留軍が保有する関係資料の収集、施設・区域周辺住民からの聴取など)を行うこととする。
  • 国は、資料等調査の結果に基づき、不発弾の蓋然性のある範囲を把握したときは、その範囲について、沖縄県の磁気探査実施要領に準拠して、探査計画を策定の上、磁気探査を実施することとする。

2) 除去に関する事項

  • 磁気探査等によって不発弾が発見されたときは、国の責任において適切に除去することとする。
  • 返還地の土地所有者への引渡し後であっても、駐留軍の使用に起因する不発弾が発見された場合には、国の責任において、同様に措置する。
  • 不発弾処理を含めた原状回復措置を円滑に進めるとの観点から、市は、国等の協力を得つつ、不発弾処理対策の現地協議会の常設、不発弾処理に係る関係住民への広報マニュアル作成などに取り組むこととする。
(3) 建物その他の工作物に関する原状回復措置

1) 調査に関する事項

  • 国は、日米合同委員会の返還合意から返還までの間に、返還される施設・区域全域に所在する駐留軍又は国が整備した建物その他の工作物(以下、この項において「建物等」という。)について、撤去物件の数量等を把握するため、建物等の資料等調査(例えば、建物等リストの作成、駐留軍の資料を含む建物図面等の収集など)を行うこととする。
  • 国は、資料等調査の結果に基づき、撤去工事に必要な建物等の規模、構造及び材質等について、調査を実施することとする。
  • 国は、建物等リストによる情報提供をはじめとして、返還跡地における建物等の譲渡等の利用あっせんを適切に行うこととする。これにより、土地所有者等が利用を希望する建物等について、その再利用を進めることとする。

2) 撤去工事に関する事項

  • 国は、建物等の撤去工事の実施に当たっては、返還地周辺地域への騒音、振動、粉塵等の影響を軽減するため、環境関係法令(各種環境基準、騒音規制法、振動規制法等)に基づき、具体的な工法、工事時間帯等を記載した工事計画を策定し、これに基づいて適切に撤去工事を実施することとする。
  • なお、工事計画の策定及び撤去工事の実施に当たっては、関係住民と十分な調整を行うこととする。
  • 国は、撤去工事の実施に当たっては、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律に基づき、また、ゼロエミッション・アイランド沖縄構想の推進の観点からも、建設廃材等の再資源化を最大限図ることとする。
  • 建設廃材等の再資源化にあたっては、再開発事業の基盤整備において利用されうることも念頭に置きつつ、国が実施する提供施設整備工事等においても積極的に活用するよう努めることとする。
(4) 返還手続関係

1) 返還実施計画に関する事項

  • 普天間飛行場の移設に係る政府方針(平成11年12月28日、閣議決定)に基づき、国が行う汚染物質の調査及び除去、不発弾の調査及び除去並びに建物その他の工作物の撤去についても、返還実施計画に明確に規定するよう所要の政令改正を行うこととし、国は、上記の汚染、不発弾及び建物その他の工作物に関する原状回復措置の方針並びに返還実施計画に基づき、具体の原状回復措置に取り組むこととする。
  • 返還実施計画に特段の規定がなされていない所要の政令改正前の返還跡地についても、国は、上記の原状回復措置の方針に基づき、同様に具体の原状回復措置に取り組むこととする。

2) 跡地利用に資するための返還前の調査等に関する事項

  • 駐留軍から返還される施設・区域の跡地利用計画に資するため、日米合同委員会で返還合意された施設・区域について、返還前に立ち入って、原状回復措置の一環として汚染、不発弾及び建物その他の工作物の調査を実施することは跡地利用の促進との観点から有効と考えられる。
     国は、かかる立入調査が円滑に進められるよう、米側は立入申請に際してすべての妥当な配慮を払うとした現行の立入手続に関する日米合同委員会合意を踏まえ、米側の理解と協力を求めるものとする。
  • 国は、返還前の原状回復措置の一環としての調査のための立入、施設・区域の使用実態に関する資料の提供等について、米側に協力を求めるときは、必要に応じ、日米合同委員会の枠組み(施設分科委員会等)を活用することとする。